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山内 俊哉
山内 俊哉のコラム :
2014/07/067/7 FRB理事や地区連銀総裁の講演に注目
2014/06/296/30 ECB追加緩和見送りで、ドルは下値を試す?
2014/06/226/23 主要通貨に方向感出にくく、指標に一喜一憂か
2014/06/156/15 米FOMCのリスクは上振れ方向
2014/06/086/9 米雇用統計でもトレンド出ず、今週も材料探し
2014/06/016/2 注目は米雇用統計とECB理事会
2014/05/255/25 米1-3月期GDP改定値がカギか
2014/05/185/18 米長期金利が主導の展開は変わらず?
2014/05/115/12 米経済指標にドルは反応薄か
2014/05/045/4 米雇用統計は労働力人口、賃金に懸念あり
2014/05/015/1 米GDPからは米住宅市場に不安要因か
2014/04/274/27 今週の見通し-イベント目白押しでトレンド出るか-
2014/04/204/20 今週の見通し-本邦株価への期待で円売り地合いか-
2014/04/134/13 今週の見通し-中国GDPとイエレン米FRB議長講演がカギ-
2014/04/074/6 今週の見通し-日銀緩和期待失望と中国指標悪化に注意-
2014/03/303/30 今週の見通し-資源国通貨高の動きは継続するのか- >>
2014/03/243/23今週の見通し-リスク許容度低下で円買い優勢か-
2014/03/163/16 今週の見通し-クリミア緊迫化は必至も、影響は不透明-
2014/03/093/9 今週の見通し-ユーロ、ポンドは手掛かり少ない-
2014/03/023/2 今週の見通し-ウクライナと米経済指標が焦点へ-
2014/02/232/23 今週の見通し-3月への橋渡しでトレンドは出てこないか-
2014/02/162/16 今週の見通し-米住宅指標下振れならドル売バイアス継続か-

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山内 俊哉 – 為替ウィークリー展望
上田ハーロー株式会社は日本の金融界に短資業の基礎を築いた上田八木短資グループ の一員。外国為替を長く見つめてきた企業として情報提供にも力を入れている。コラ ムニストの山内俊哉のブログは定評あり。

3/30 今週の見通し-資源国通貨高の動きは継続するのか-

2014/03/30

先週は中国3月HSBC製造業PMI速報値が48.1へと低下していたこともあり、中国景気への懸念から一時豪ドルなどが下落する場面がみられましたが、中国政府による景気刺激策が実施されるのではとの思惑で資源国通貨が堅調推移となりました。また、スティーブンス豪準備銀行(RBA)総裁は香港の講演で、豪の経済成長に楽観的な見通し示したことや豪ドル高への牽制トーンが弱かったことなどで、市場は豪ドル買いを進める結果となりました。また、NZドルも発表されたNZ貿易黒字額が増加したこと、スペンサーNZ準備銀行(RBNZ)副総裁がNZドル高にもかかわらず貿易が好調、金利の上昇は住宅価格のインフレを抑制するなどと発言したことでNZドルも堅調推移となりました。ドル/円は週末こそ103円手前まで上昇しましたが、週を通して102円を挟んだ小動きとなっています。ユーロは追加緩和期待が先行していることもあり、1.37ドル台前半まで下落しました。

今週は月末(四半期末)と月初を迎える週で、経済指標も多数発表されます。市場は週末に李克強・中国首相が

  • 中国は経済の急激な変化に対応するために必要な政策手段を持っている
  • 中国は、中国の経済活動に対応する政策を準備している
  • 中国は支援策を段階的に講じるとともに、インフラの整備を加速させる

と発言していることで、中国の景気刺激策の内容と規模への関心が高くなっています。1日には中国の製造業PMIが発表されることから、これが景気の分岐の50を下回るようであれば、早期実施の期待で資源国通貨が買われるものと思われます。ただ、本邦の消費税引き上げが1日に実施されるため、本邦株価の調整リスク(足許では、駆け込み需要などから堅調とみられるが)が高まってくるため、米経済指標の内容次第となるが、円売り圧力が低下する可能性も考慮したほうがいいと思われます。また、市場ではあまり注目されなくなったウクライナ問題ですが、米ロ首脳の電話会談では平行線となったものの、外相レベルでの協議は続けることで一致しました。ただ、米がNATOへの関与を強めていることから、国境付近のロシア軍の撤収が進まず、緊張状態が継続することになれば、リスク回避から円売り圧力は低下するとみられます。

 

【ドル/円】
FXChart

(c)source: uedaharlow ltd.

3/18の米FOMC後のイエレン米FRB議長の記者会見のタカ派的な内容を受けて、ドル/円は102円を回復したものの方向感が定まらず、レンジの動きが続いています。チャートでは一目均衡表(日足)の基準線を上抜け(引値では3/13以来)、雲の中に入ってきています。今週は、31日にイエレン米FRB議長の講演があるほか、1日には製造業ISM、2日にはADP雇用調査、3日には非製造業ISM、4日には雇用統計(失業率、非農業部門雇用者数)の発表予定があります。注目はやはりイエレン米FRB議長のスタンス(ハト派というより堅実派)の確認と、米の悪天候の要因もそろそろ限界となっている米雇用統計の内容ではないかと思います。ISMについては、悪天候の影響が強い1月の製造業が51.3だった(2月は53.2に回復)ものの、非製造業が2月に51.6へ低下(1月は54.0)、同時に雇用指数も前月比で8.9ポイントも低下していることが気になります。非製造業が50を割り込むこととなると、2009年8月以来となるため、一時的にドルの下振れリスクとなります。ただ、週末には雇用統計を控えていることで、下降トレンドにつながる可能性は低いとみられます。あまり円相場には関連が高くないですが、米日韓の首脳会談直後に、日本海へのミサイル発射を行った北朝鮮に対して、国連安保理が緊急開催され、報道向け談話で国連決議に反するととしたことについて、北朝鮮は、本日午後に「新たな形態の核実験も排除しない」と声明を発表しました。日朝の政府間協議が始まったことで緊張緩和に繋がれば少し円を押し下げる効果はあるのではないかと思います。中国の緩和期待で市場が楽観的になっていることもあり、週明けに103円(日足一目均衡表の雲の上抜け)に乗せられるかが短期的なトレンドを見るうえでは重要となります。

【ユーロ】
FXChart

(c)source: uedaharlow ltd.

ユーロは3日のECB理事会で追加緩和が実施、もしくは、追加緩和が示唆されるとの期待が先行して、週後半には1.37ドル近辺まで一時下落する場面がありました。複数の要人からは、手段については準備されているが、その段階ではないとの発言がなされています。注目は明日に発表されるユーロ圏2月の消費者物価指数(HICP)が低下しているかどうかです。週末に発表されたドイツ3月消費者物価指数は前月比0.3%と低下していたことで、ユーロ圏消費者物価指数は前年比で0.5%(市場予想は0.6%)程度まで低下している可能性もあります。となると、ECBが目標とする2%からははるか遠く、半分の1%さえもを下回っている状態が6か月も続いていることになり、ドラギECB総裁が市場の期待を裏切る傾向があるとはいえ、市場はディスインフレからデフレの警戒へシフトしていくものと思われ、ユーロの下落圧力が続くことになりそうです。チャートでは、ユーロ/ドルが一目均衡表(日足)の遅行線がロウソク足の上を推移していること、雲の上限の1.36845ドルがサポートとなっているものの、雲の厚みがないことから、雲を下抜けした場合には、1/20安値の1.35072ドル近辺が次のサポートとなると思います。ユーロ/円は一目均衡表(日足)の上に抜け出てきていること、転換線、基準線も上抜けた(少しだけだが)ことで、底堅く推移することが予想されます。上値めどは3/7の143.778円近辺。

【ポンド】
FXChart

(c)source: uedaharlow ltd.

先週発表された小売売上高指数が前月比+1.7%と心配されていた小売りが増加していたことで、英景気に対する期待が戻ってきたようです。ただ、小売りを押し上げたのは食料品など一部で、家具用品店が1.1%落ち込むなど、消費マインドは冷えていないものの、内容にはやや懸念が残る状況です。今週は、1日に製造業PMI、2日に建設業PMI、3日にサービス業PMIの発表が予定されていますので、まずはこれが注目されると思います。一方、2-3日に開催される金融政策委員会では、政策金利、3750億ポンドの資産買入れプログラムの変更はなく、声明も発表されないものと思います。MPCメンバーはブロードベント委員が7/1付けで副総裁、ネマト・シャフィク氏が8/1付けで副総裁に就任する予定となっているため、大きな政策変更があるとすれば8月以降になるのではないかと思います。チャートでは、ポンド/ドルが3/24から5日連続で上昇、一目均衡表(日足)の雲の上に抜け出て、転換線、基準線も僅かに上抜け出ました。MACDがゴールデンクロスをする可能性が高い(現時点で同値)ことで、3/7高値の1.67839ドルから2/17高値の1.68209ドル近辺まで上昇するものと思います。ポンド/円は一目均衡表(日足)の雲の下限でサポートされ、転換線、基準線を上抜けました。MACDがゴールデンクロスしたこともあり、3/7高値の173.561円から1/2高値の174.835円近辺を目指すものと思います。

【豪ドル】
FXChart

(c)source: uedaharlow ltd.

週末の李克強・中国首相の発言にもかかわらず、短期的に上昇が続いたため、利益確定の売りも出て週末には豪ドル/米ドルが僅かに下落しました(豪ドル/円は上昇)。今週は、1日に豪準備銀行(RBA)の金融政策会合が開催されます。今回の金融政策会合は26日にスティーブンス豪RBA総裁が「豪州の潜在成長率は3%やや上回る水準」「鉱業部門から内需へのバトンタッチの心強い兆候みられる」と発言、豪経済に対する楽観的な見通しを示し、足元の豪ドル上昇に対しては「交易条件悪化に伴って豪ドルが下落しなければ驚き」と弱い牽制にとどまっています。RBAは政策金利を据え置くとみられ、声明でも「低金利が経済活動を支えている一段の兆しが見られる」「豪ドル安はバランスの取れた成長の達成を支援する」「金利の安定的な期間が最も賢明な経路」などと先月の内容をそのまま踏襲するのではないかと思います。ただ、豪ドル高については、「豪ドルは過去の基準では依然として高い水準」との前回議事録の内容が盛り込まれない場合には一段高につながるものと思います。一方、住宅建設許可や貿易収支、小売売上高が市場予想通り下振れした場合には、楽観的見方の後退につながり、利益確定から小幅な調整につながる可能性が高いと思います。チャーとでは豪ドル/米ドルがストキャスティクス(スロー)がデッドクロスしていることで調整の可能性がありますが、トレンドが出ていることで、調整は一目均衡表(日足)の転換線の0.91444ドル近辺か基準線の0.90915ドル近辺に留まるものと思います。そこで足堅めができれば0.94ドル超えまで上昇する可能性が高まります。豪ドル/円は7日連続の上昇となり、昨年10月以来の95円乗せとなっています。調整があるとすれば一目均衡表(日足)の転換線の93.575円近辺がサポートとなると思います。一方、上昇トレンドが続いていることもあり、昨年高値の105.42円と昨年8/5安値の86.407円のフィボナッチ61.8%戻しの98.15円近辺まで上昇する可能性があると思っています。

■今週の予想レンジ

CcyLow(下) ~ High(上)
ドル/円 101.2 ~ 103.7
ユーロ/ドル 1.368 ~ 1.387
ユーロ/円 139.6 ~ 143.6
ポンド/円 168.5 ~ 172.7
豪ドル/円 94 ~ 96.3
NZドル/円 87.7 ~ 90.6
南アランド/円 9.3 ~ 9.9

■重要イベント
3/31(月)
FX経済指標06:45NZ 2月 住宅建設許可件数m/m
FX経済指標08:05英国 3月 GFK消費者信頼感調査
FX経済指標08:50日本 2月 鉱工業生産速報値m/m
FX経済指標09:00NZ 3月 NBNZ企業信頼感
FX経済指標14:00日本 2月 新設住宅着工戸数y/y
FX経済指標15:00ドイツ 2月 小売売上高指数m/m
FX経済指標15:45フランス 10-12月期GDP改定値q/q
FX経済指標16:00スイス 3月 KOF景気先行指数
FX経済指標17:30英国 2月 消費者信用残高
FX経済指標18:00ユーロ圏 3月 消費者物価指数(HICP)速報値y/y
FX経済指標19:00日本 外国為替平衡操作の実施状況
FX経済指標21:00南ア 2月 貿易収支
FX経済指標21:30カナダ 1月 月次GDPm/m
FX経済指標22:45米国 3月 シカゴ購買部協会景気指数
FX経済指標22:55米国 イエレン米FRB議長講演
FX経済指標02:15英国 カーニー英中銀(BOE)総裁講演
4/1(火)
FX経済指標08:50日本 1-3月期 日銀短観
FX経済指標10:00中国 3月 製造業PMI
FX経済指標10:30日本 2月 毎月勤労統計調査-現金給与総額y/y
FX経済指標10:45中国 3月 HSBC製造業PMI改定値
FX経済指標12:30豪 豪準備銀行(RBA)政策金利発表
FX経済指標16:30スイス 3月 SVME購買部協会景気指数
FX経済指標16:50フランス 3月 製造業PMI改定値
FX経済指標16:55ドイツ 3月 失業者数m/m
FX経済指標16:55ドイツ 3月 失業率
FX経済指標16:55ドイツ 3月 製造業PMI改定値
FX経済指標17:00ユーロ圏 3月 製造業PMI改定値
FX経済指標17:30英国 3月 製造業PMIPMI
FX経済指標18:00ユーロ圏 2月 失業率
FX経済指標21:30カナダ 2月 鉱工業製品価格m/m
FX経済指標21:30カナダ 2月 原料価格指数m/m
FX経済指標23:00米国 3月 ISM製造業景況指数
FX経済指標23:00米国 2月 建設支出m/m
4/2(水)
FX経済指標08:50日本 3月 マネタリーベースy/y
FX経済指標09:30豪 2月 住宅建設許可件数m/m
FX経済指標15:00英国 3月 ネーションワイド住宅価格m/m
FX経済指標17:30英国 3月 建設業PMI
FX経済指標18:00ユーロ圏 2月 卸売物価指数m/m
FX経済指標19:00南ア 1-3月期 四半期 南アフリカ経済研究所消費者信頼感指数
FX経済指標21:15米国 3月 ADP雇用統計m/m
FX経済指標23:00米国 2月 製造業新規受注m/m
4/3(木)
FX経済指標09:30豪 2月 小売売上高m/m
FX経済指標09:30豪 2月 貿易収支
FX経済指標16:50フランス 3月 サービス部門PMI改定値
FX経済指標16:55ドイツ 3月 サービス部門PMI改定値
FX経済指標17:00ユーロ圏 3月 サービス部門PMI改定値
FX経済指標17:30英国 3月 サービス部門PMI
FX経済指標18:00ユーロ圏 2月 小売売上高m/m
FX経済指標20:30米国 3月 チャレンジャー人員削減数y/y
FX経済指標20:45ユーロ圏 欧州中央銀行(ECB)政策金利
FX経済指標21:30ユーロ圏 ドラギECB総裁定例記者会見
FX経済指標21:30カナダ 2月 貿易収支
FX経済指標21:30米国 2月 貿易収支
FX経済指標21:30米国 前週分 新規失業保険申請件数
FX経済指標23:00米国 3月 ISM非製造業景況指数(総合)
4/4(金)
FX経済指標19:00ドイツ 2月 製造業新規受注m/m
FX経済指標21:30カナダ 3月 新規雇用者数
FX経済指標21:30カナダ 3月 失業率
FX経済指標21:30米国 3月 非農業部門雇用者数変化m/m
FX経済指標21:30米国 3月 失業率
FX経済指標23:00カナダ 3月 Ivey購買部協会指数
※m/m = 前月比、q/q = 前期比、y/y = 前年比

経済指標の詳細はFXmuseumのFXカレンダーを参照してください。



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