5/25 米1-3月期GDP改定値がカギか
2014/05/25
【今週の見通し】
ウクライナの大統領選挙は東部が内戦状態となっていることで、投票が実施できるかが問題となっていますが、プーチン・ロシア大統領がウクライナの選挙結果を受けいると表明したことやロシアの国防相が国境付近に展開させていたロシア軍を撤収させていると週末に発言していることで、調整学的リスクの面では、市場は楽観的に捉えているようです(新興国通貨が買われています)。ただ、米10年債利回りはリスクを加味して2.53%台での推移となっています。
先週発表された中国HSBC製造業PMI速報値が50手前まで大幅に戻したことで、中国の景気減速懸念に対する心理を改善、週末には米S&P500が1900を超えて、高値を更新、市場心理の改善は続いているようですので、週初めは米英が休場ということでドル買いの流れが継続すると思います。
先週公表された米FOMCの議事録では、開始された出口戦略の議論の内容が公表されたものの、具体的な内容はまだ決まっていないこともあり、米国の量的緩和が終わってから、最初の政策金利の引き上げに至るまでの道筋がまだ不透明なことで、市場全体としては動きにくいのではないかと思います。欧州での追加緩和期待があるため、相対的にドルが買われやすいものの、FRBも懸念を示している住宅市場は悪天候の影響を脱しつつあるものの、依然として不透明なため、脆弱さが示されると、ドルの弱含みとなり、方向感も出にくい状況が続くことが予想されます。
【 EUR/USD 】
ユーロは引き続きECBの追加緩和期待と、フランスの格下げの噂、フランス、ドイツ、ユーロ圏の製造業PMI速報値の低下、ドイツIFO景気動向指数も低下と、弱含みとなる材料が多く出たこと、週末には欧州議会選挙で反EU派が議席を伸ばすのではとの懸念も加わり、ユーロ/ドルが1.3616ドルまで下落と一週間で100ポイントの下落となりました。
ウクライナ情勢は、上にも書きましたが、本日の選挙が無事に終わるかと、選挙後のウクライナ情勢が落ち着くのかが問題で、東西分裂や内戦の激化につながるようですと、ユーロにはマイナス要因となると思いますが、影響がウクライナ内で留まるとみられるため、懸念されるほどの影響はないと考えています。
経済指標は、ドイツの失業率、失業者数の発表が28日に予定されている程度で、大きな指標の発表はありません。ただ、25日に集中する欧州議会選挙の選挙結果が反EU派が議席を伸ばす懸念があるものの、オランダで反EU政党が予想外の敗北となったため、反EU派の伸びが少なければ、安心につながり、ユーロが買い戻しに繋がると思います。
ユーロ/ドルは2/27の安値の1.3642ドルを下抜けする1.3615ドルまで下落、日足の一目均衡表でも遅行線が雲を下抜けしました。三役逆転となっているため、バイアスは下向きです、2/3安値の1.3476円近辺まで下落する可能性がありますが、ストキャスティクス(スロー)では価格が下落、指数は上昇となっているため、ゴールデンクロスした場合にはユーロの反発につながると思います。
【 USD/JPY 】
先週は日銀金融政策決定会合、黒田日銀総裁の記者会見後に仕掛け的な円買いの動きで、101.00円のオプションの防戦売りを突破して一時100.82円までドルが下落したものの、200日移動平均線をすぐに回復すると週末には102円手前まで戻してきました。足許では短期勢がドルを売りすぎた(円を買いすぎた)との噂があり、円ロング(買持)がまだ残っているとも言われているため、ドルの底堅い動きが予想されます。
今週は、米耐久財受注、S&P/ケースシラー住宅価格指数、1-3月期GDP改定値、シカゴPMIが予定されています。GDPは前期比年率で下方修正の市場予想となっており、足許ではドル売りにつながる可能性があります。本邦は消費税引き上げ後で初めての全国消費者物価指数が発表されるため、発表値は注目されそうです。市場予想の前年比3.3%より低い場合には、円売りに反応する(追加緩和期待?)のではないかと思っています。 テクニカル分析では、5/21に100.82円の安値を付けて反発、一目均衡表(日足)の基準線と21日移動平均線を僅かに上回りました。ただ、「三役逆転(下向きバイアス)」の状況は続いており、戻りが雲の下限の102.35-40円近辺で押さえられる可能性があます。MACDがストキャスティクス(スロー)に続き、ゴールデンクロスしてくると、買いシグナル追認となるため、一目均衡表の方向性にもかかわらず、103円近辺まで戻るかもしれません。サポートは5/21安値の100.82円。
■今週の予想レンジ
| Ccy | Low(下) ～ High(上) |
| EURUSD |
1.349 ～ 1.379 |
| USDJPY |
101.2 ～ 103.1 |
| GBPUSD |
1.671 ～ 1.693 |
| AUDUSD |
0.913 ～ 0.935 |
| NZDUSD |
0.845 ～ 0.866 |
■重要イベント
5/26(月)
 08:50日本 日銀・金融政策決定会合議事要旨
5/27(火)
 21:30米国 4月 耐久財受注 m/m
22:00米国 3月 ケース・シラー米住宅価格指数
23:00米国 5月 リッチモンド連銀製造業指数
5/28(水)
09:00日本 黒田東彦日銀総裁講演
16:55ドイツ 5月 失業者数 m/m
16:55ドイツ 5月 失業率
18:00ユーロ圏 5月 消費者信頼感確定値
5/29(木)
21:30米国 1-3月期 四半期実質国内総生産(GDP)改定値
21:30米国 前週分 新規失業保険申請件数
23:00米国 4月 住宅販売保留指数 m/m
5/30(金)
08:30日本 4月 全国消費者物価指数(CPI) y/y
08:30日本 5月 東京都区部消費者物価指数(CPI) y/y
21:30米国 4月 個人所得 m/m
22:45米国 5月 シカゴ購買部協会景気指数
22:55米国 5月 ミシガン大学消費者信頼感確報値
※m/m = 前月比、q/q = 前期比、y/y = 前年比
経済指標の詳細はFXmuseumのFXカレンダーを参照してください。
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