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FOMC、0.25%の利下げを決定

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<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
FOMCでは25bpの利下げを決めたものの、その後のパウエル議長の発言がタカ派的だったことでドル円は上昇。109円ちょうどまで買われ、108円70-80銭で取引きを終える。

ドルが買われたことでユーロドルは1.11を割り込み、1.1060までユーロ安が進む。

株式市場は大幅安。パウエル議長の「利下げサイクルの始まりではない」との発言を嫌気して3指数とも大幅安。ダウは333ドル安。

債券相場は続伸。長期金利は2.01%台に低下。

金は5日ぶりに反落。原油価格は在庫減少を手掛かりに5日続伸。

7月ADP雇用者数       → 15.6万人

4―6月雇用コスト指数     → 0.6%

7月シカゴ購買部協会景気指数  → 44.4

ドル/円 108.49 ~ 109.00

ユーロ/ドル 1.1060 ~ 1.1153

ユーロ/円 120.34 ~ 121.12

NYダウ -333.75 → 26,864.27ドル

GOLD  -4.00  → 1,437.80ドル

WTI   +0.53  → 58.58ドル

米10年国債  -0.044 → 2.014%

【本日の注目イベント】
中  7月財新製造業PMI
独  7月製造業PMI(改定値)
欧  ユーロ圏7月製造業PMI(速報値)
欧  企業決算 →バークレーズ、ロイヤル・ダッチ・シェル、BMW
英  BOE金融政策発表
英  BOE四半期インフレ報告
英  カーニー・BOE総裁講演
米  新規失業保険申請件数
米  7月ISM製造業景況指数
米  7月自動車販売台数
米  企業決算 → GM、ベライゾン

予想通り、FOMCでは「50bp」ではなく、「25bp」の利下げを決定しました。これ事態は織り込み済みであったことから、市場関係者はその後のパウエル議長の発言から「次の一手」を読み取る姿勢を強めていましたが、発言内容が「タカ派寄り」だったことで、株価は大きく下落。ドル円は金利低下がそれほど進まないとの見方から109円ちょうどまでドル高が進みました。FOMCの決定も、その決定を受けて発したトランプ大統領のツイートも、ほぼ想定内のものでした。

FOMCでおよそ10年半ぶりに利下げを決めたことで、FF金利の誘導目標はこれで2.00~2.25%になりました。パウエル議長はその後の会見で、「一度きり(の利下げ)とは言っていない」としながらも、「この利下げの本質は、長期にわたる一連の利下げの始まりではない」と述べ、「サイクル半ばでの政策調整だとわれわれは捉えている」と語りました。市場は、今回の利下げも含め、年内に2~3回の利下げがあると予想していただけに、「長期にわたる一連の利下げの始まりではない」といった部分に反応し、株価が大きく下げ、ダウは一時400ドルを超える下げを見せました。このところの株価の上昇は、決して企業業績が良くて買われたわけではありません。「今後も金利低下が進む」という想定の下に最高値を更新し続けてきたわけで、昨日の株価の大幅下落は、その根底が崩れた以上ある意味当然と言えます。いつものことながら、市場は前のめりする傾向があります。「年内4回の利下げ」、「今回は50bpの利下げ」は、いずれもオーバーシュートだったということです。

正直なところ、筆者もパウエル議長の発言には驚きました。市場の利下げ期待に、これほど急ブレーキをかけることは想定外でした。せいぜい緩和スタンスを維持しながらも、今後のデータ次第では利下げのスピードは緩やかになるといった、「中立的な発言」を予想していました。この会見後、トランプ大統領は、「長期にわたる積極的な利下げサイクルの開始を期待していた」とツイッターで批判し、そうすれば、「中国や欧州連合など諸外国に遅れを取らずにすむ」と指摘し、その上で、「いつものことだが、パウエル議長はわれわれを失望させた」と述べていました。

FOMC声明文では、「経済見通しに関する世界的な動向と落ち着いたインフレ圧力が示唆するものを考慮して、委員会はFF金利誘導目標のレンジを2.00-2.25%に引き下げることを決定した」と記されています。また「不確実性」も残っていると指摘しています。(ブルームバーグ)世界的な景気減速や米中に代表されるように、貿易戦争の嵐が吹き荒れており、この先、好調な米経済にもその影響が及ぶ可能性があることを鑑み、2015年12月から始まった「利上げサイクル」を一旦修正した動きと捉えることができます。

パウエル発言を受けて、ドル円は109円ちょうどまで買われましたが、その後押し戻されています。今回も含めて、ドル円が7月に109円前後を試したのは3回ありますが、全て押し戻されており、このレベルが目先の上値の壁になりつつあります。輸出業者のみならず個人投資家も含めて、この先「円高傾向が続く」と予想していることが、この水準にドル売りが集まる背景かと思います。もっとも、この水準が目先のドルの天井になるのかどうかは分かりませんが、貿易問題は対中国だけではなく、EUとも続いています。また日米貿易交渉もこれからが本番です。また、ここにきて「為替介入」の話題も聞こえています。加えて、イラン問題もイラン側の出方次第では軍事行動に発展する可能性もあります。個人的にもまだドル下落の可能性が高いと予想していますが、それでも108円台を維持しているドル円は、よく健闘していると言えます。

外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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