ドル円動けず
<ひと目でわかる昨晩の動き> 【NY市場】 ◆前日のNYで162円71銭まで買われ、介入警戒感が高まったドル円は一方では下値も底堅い動きが続き小動き。NYでは162円台前半から半ばで推移し、値幅もわずか21銭にとどまる。 ◆ユーロドルも値幅は限定的だった。1.14台前半から半ばで推移。 ◆株式市場では3指数が揃って上昇。半導体が買われ、ナスダックは336ポイント上昇。 ◆債券は反発。長期金利は4.55%台に低下。 ◆金は3日ぶりに反発。原油もイラン問題は長引かないとの見方から反落。 ◆新規失業保険申請件数 → 21.5万件 ◆6月中古住宅販売件数 → 4.09百万件 ドル/円 162.26 ~ 162.47 ユーロ/ドル 1.1423 ~ 1.1445 ユーロ/円 185.55 ~ 185.82 NYダウ +139.02 → 52,487.41 GOLD +58.40 → 4,140.80ドル WTI -1.44 → 72.08ドル 米10年国債 -0.028 → 4.551% 【本日の注目イベント】 ◆独 6月消費者物価指数(改定値) ◆加 カナダ6月新規雇用者数 ◆加 カナダ6月失業率 ◆加 カナダ5月住宅建設許可件数 日本の債券市場では債券売りが止まりません。 昨日は10年債がさらに売られ、長期金利は「2.9%」と、節目の「3.0%」にさらに接近してきました。本欄でも連日触れていますが、高市政権が進める「骨太の方針」原案で、日銀の利上げをけん制する文言が挿入されることが嫌気され、加えてイラン情勢が再び不透明さを増し、原油価格が上昇したことも債券売りにつながっています。城内経済財政相が火消しにやっきになっていましたが、延焼は止まりません。今朝の報道では、政府はこれ以上の金利上昇に歯止めをかけたいのか、ようやく原案の調整に踏み切ったようです。共同通信などが報じたところによると、日銀の独立性に言及する方向で調整を進めるようです。具体的には、日銀法第3条を脚注で引用し、日銀の独立性を尊重する姿勢を示す模様です。 改めて、日銀法第3条を開けてみると、「日本銀行の通貨及び金融の調節における自主性は、尊重されなければならない」とあります。条文では「独立性」という文言は使っていませんが、同法を脚注で引用することで、金融政策には強く介入しない政府の意図を伝えたいようです。一方で、日銀法第4条には「日本銀行は、その行う通貨及び金融の調整が経済政策の一環をなすものであることを踏まえ、それが政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない」と規定されています。今回の原案の修正版では、3条には触れるものの、同4条を前面に出し、「2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現に向けて適切な金融政策運営を行うことを『期待する』」と、修正すると報じられています。結局、依然として基本的な政権の方針は変わらないことを、今日の債券市場のトレーダー諸氏がどのように受け止めるか、今日も注目です。 米中央軍はXへの投稿で、ホルムズ海峡で商船を攻撃するイランの能力を「さらに低下させる」ため、8日の攻撃では約90カ所を狙ったことを明らかにしました。その前日には80カ所を標的に攻撃しています。米国とイランとの停戦に関する「覚書」が早くも形骸化していますが、トランプ大統領はトルコでのNATO会議を終え、米国に戻る大統領専用機「エアフォース・ワン」で記者団に対し、米国とイランが全面戦争に逆戻りするのかと問われ、「分からない。だが、そうなればわれわれは極めて短期間で勝利するだろう。勝つ方法はいくらでもある」と述べていました。「イランとの戦争は年内には終結しない」といった悲観的な見方をする専門家も出てきましたが一方で、両国の交戦が再び開始されたことで高騰した原油価格は、昨日のNYでは反落しています。双方による攻撃は短期間で終わるという見通しが下落につながっていました。 NY連銀のウィリアムズ総裁は同連銀主催のイベントで、米国のインフレ要因の中でAIが押し上げる需要を最も注視していると述べ、「これが供給に対して需要を持続的に押し上げ、インフレ圧力につながるのであれば、そうした状況を一時的なものとして見過ごすことはできない」、インフレ率が自身の基本シナリオよりも持続的かつ大幅に高くなれば、「金融政策で対応する必要がある」と話し、「一方、そうならずにもっと穏やかな展開となれば、金融政策は適切な位置にあり、今後もその状態が続くと考えている」と述べました。さらに「今年後半のコアPCEの伸び率が月0.2%であれば、ディスインフレの進行が続いているとの私の見方と一致する」と述べた。「それを上回れば、インフレがやや根強いことを示す兆候になる」と、PCEデータを重視していることを強調していました。 本日のドル円は161円50銭~163円程度を予想します。 【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】
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