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ECB緩和策を示唆

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<ひと目で分かる昨晩の動き> 

【NY市場】

◆上値の重かったドル円は米経済指標が良かったことや
長期金利の上昇に108円75銭までドルが買われ、
2週間ぶりのドル高水準をつける。
◆ECB理事会後のドラギ総裁の発言にユーロドルは乱高下。
1.1101まで下げたのち1.1189近辺まで上昇。
◆株式市場は下落。ドラギECB総裁の発言を受け、長期金利が
上昇したことを嫌気した売りが優勢に。ダウは128ドル下落し、
他の指数も揃って下落。
◆債券相場は反落。長期金利は2.08%台へ。
◆金は反落し、原油価格は小幅に上昇。
◆6月耐久財受注       → 2.0%
◆新規失業保険申請件数    → 20.6万件
ドル/円 108.08 ~ 108.75

ユーロ/ドル 1.1101 ~ 1.1188

ユーロ/円 120.05 ~ 121.37

NYダウ -128.99 → 27,140.98ドル

GOLD  -8.90  → 1,414.70ドル

WTI   +0.14  → 56.02ドル

米10年国債  +0.038 → 2.081%
【本日の注目イベント】

◆日     7月東京都区部消費者物価指数
◆米   4-6月GDP(速報値)
◆米     企業決算 → マクドナルド、ツイッター
事前予想通り、ECBは昨日の理事会で追加利下げや量的緩和策の検討を行っていく方針を
決めました。
理事会後のドラギ総裁の会見では、その内容を巡りユーロドルが乱高下し、ドル円は欧州と
米金利が上昇したことを受け、108円75銭までドル高が進みました。

ドラギ総裁は会見で、「見通しは特に製造業で悪くなる一方だ。製造業が重要な国の見通しも
悪化に歯止めがかかっていない」と語った上で、「全ての政策手段を調整する用意がある」と
述べています。また緩和政策は、「長期期間、強力な緩和姿勢が必要となる」との認識も示しています。
ECBは9月にもマイナス金利のさらなる拡大に踏み切ると見られますが、会見の中でドラギ総裁が、
「利下げ幅の議論はなかった」と、ややタカ派的な発言を行ったことで、ユーロが買い戻される
場面もありました。
ドラギ総裁の強弱の発言を受けて、ユーロドルは1.11割れ目前までユーロ安が進みましたが、
その後は大きく反発するなど、乱高下し、ユーロ円も同時に1円を超える値動きを見せました。

ドル円は、予想外の上昇でした。
108円25銭前後のマイナーなレジスタンスを抜けただけではなく、108円台半ばも超え、
2週間ぶりに108円台後半までドルが買われています。
ここからは「日足の雲の下限」に接近します。この雲は厚さもあり、抜け切るには109円台後半
までドル高が進む必要があります。
抜けないとは言えませんが、それでもこの水準からさらにドルが上昇するには、それなりに
インパクトのある材料が不可欠です。
一方で、なかなか見る機会のない「月足」チャートでは、長い間108円を挟む展開が続いている
ことから、ローソク足が雲を下抜けする気配を見せています。
昨日の東京時間から欧州時間にかけてはドルの頭が重く、仮に今朝108円前後で帰って来たら、
雲を下回っていた可能性もあります。
「月足」のため、来週木曜日には雲抜けが示現するのかどうかが判明するでしょう。
もし抜ければ、実に2013年1月以来ということになります。

昨日はトルコ中銀の政策金利発表もありました。
200ベーシスほどの利下げは予想されていましたが、何と425ベーシスの利下げでした。
トルコ中銀は1週間物レポ金利を4.25%引き下げ、19.75%とすることを決めました。
トルコは高インフレに苦しんでいましたが、直近のインフレ率は15.7%まで低下してきており、
GDPもマイナス成長だったことで、利下げは正当化されますが、引き下げ幅はややサプライズでした。
この決定を受け、トルコリラ円も下げましたが、ドル円が上昇したこともあり、その後下げ幅を
埋めています。
425ベーシスの利下げは、一部にはエルドアン大統領の圧力との見方もあるようです。
エルドアン氏は、米金融当局に再三利下げ圧力をかけているトランプ大統領よりも強権で、
つい先日、中銀総裁をクビにしています。
エルドアン氏が今後さらに利下げ圧力を強めることも予想され、このまま順調にインフレが低下すれば
いいのですが、高止まりする中で利下げを強行すれば「スタグフレーション」につながる恐れもあり、
景気低迷と物価高が同時進行する可能性もあります。
リラ円は19円を中心に上下50銭程度で安定しており、昨年8月の「トルコショック」のような
事態にはなりにくいと思われますが、戦闘機や戦車など、軍事兵器を巡っては米国との関係が悪化し、
ロシアに急接近しています。引き続き政治的リスクと地政学的リスクは高いと見られます。

ドル円は目先の上値のメドは109円でしょう。
7月10日にドル高が進んだ際にも、108円99銭までで上昇を抑えられ、109円台回復には
失敗しています。
本日米国では第2四半期GDP速報値が出ます。
「1. 8%」と、米中貿易戦争の影響もあり、前期よりも弱いと見られていますが、結果が上振れ
するようだと、利下げ観測の後退から長期金利が上昇し、ドル円も109円を試すことがないとは
言えません。
上で述べた「それなりにインパクトのある材料」の一つになるかもしれません。
本日のレンジは108円20銭~109円程度を予想します。

外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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