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米中貿易問題・・・ボールは中国に

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<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
欧州市場で108円20銭前後まで売られたドル円はNYに入ると上昇。108円54銭まで反発したが、CPIが低調だったことで上値は限定的となり、108円50銭近辺で引ける。

ユーロドルは小幅に反落。1.1274まで売られる場面があり、前日よりやや水準を下げる。

株式市場は続落。利下げ観測の効果もやや低減し、この日はハイテク株や金融株が売られる。ダウは43ドル下げたものの、2万6000ドルの大台は維持。

債券相場は米中貿易問題の先行き懸念から買われる。長期金利は2.12%と、小幅に低下。

金は続伸。原油価格は在庫の増加が重石となり大幅に続落。5カ月ぶりの安値となる、51ドル14セントで取引を終える。

5月消費者物価指数     →  0.1%

5月財政収支        →  -2078億ドル

ドル/円 108.27 ~ 108.54

ユーロ/ドル 1.1283 ~ 1.1341

ユーロ/円 122.32 ~ 122.84

NYダウ -43.68 → 26,004.83ドル

GOLD   +5.60 →  1,336.80ドル

WTI  -2.13 → 51.14ドル

米10年国債  -0.023 → 2.120%

【本日の注目イベント】
豪 5月雇用統計
独 5月消費者物価指数(速報値)
欧 ユーロ圏4月鉱工業生産
米 5月輸入物価指数
米 新規失業保険申請件数

ドル円は108円台で一進一退の動きが続いています。FOMCとG20という、ビッグイベントを控えており、その内容次第で相場はどちらにも動く可能性があり、結果を見極めるまでは動きにくいということなのでしょう。ただ、その前に立ちはだかっているのが、トランプ大統領の予想不可能な「ツイート」です。

前日、「米中問題で結論を遅らせているのは実は自分だ」、とツイートしたトランプ氏は、昨日ホワイトハウスで記者団に対して、「自分に最終期限はない」と発言した上で、自分の頭部を指し、「私の最終期限はここにある」と述べています。(ブルームバーグ)すでに「ボール」は中国側に投げられており、中国が今後どのような対応を見せるのかを待っている状況です。その上で、大阪で行われるG20で習主席が会談に応じないようなら、3000億ドル(約32兆5千億円)相当の中国製品に対して直ちに25%か、それ以上の関税をかけると警告しています。さらに中国側の譲歩についても、中途半端なものを受け入れる意思はなく、先の交渉で合意した内容の厳しいものを要求しています。中国側も、相手がトランプ氏だけに、最悪の事態もないとは言えないと警戒しているものと思われます。

このように、非常の厳しい米中のかけ引きが続いていますが、ブルームバーグは北京大学の張健准教授の言葉を紹介しています。同教授は、「中国指導者として過去数十年間で最も強大な権限を手にした習主席でさえ、就任後6年間で最も厳しい立場に追い込まれている。トランプ氏の脅しに屈せば、国内で弱腰と見られるリスクがある。会談を拒めば、トランプ氏は貿易対立を2020年の大統領選まで引き延ばす公算が大きいため、中国は経済コストを支払わされる」と述べています。

また中国政府関係者の言葉も紹介し、貿易問題を担当する政府関係者は、「米国との協議は両国首脳の介入がなければこれ以上進展できない地点に到達した」とのことです。確かに、このままでは時間ばかりがいたずらに過ぎてしまい、米中トップが直接会って、会談するしか解決の糸口は見つからないと思われます。個人的には「最低でも会談は実現する」と予想していますが、それでも合意に達するのは容易ではないでしょう。ただ一方で中国側としても、合意するしか選択肢はないように思います。

本日も、水準は前日と変わらず動きのない1日になりそうです。ドル円は108円20銭~108円90銭程度を予想します。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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