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FOMC、政策変更なし

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 <ひと目で分かる昨晩の動き>
【NY市場】

ドル円はバーナンキ議長が記者会見で将来、量的緩和の規模を縮小することもあり得

ることに言及したため、ドル高円安が進み96円台を回復。
キプロスに対する支援問題が依然不透明ではあるが、影響は限定的との見方が優勢。
ユーロドルは1.28台から1.29台後半まで買われる。
株式市場は続伸。量的緩和継続に加え、好調な企業決算が株価を下支え。
ダウは55ドル高で1万4500ドル台を回復。
債券相場は反落。量的緩和継続を嫌気して売りが先行。
金価格は5日振りに反落。原油は小幅に反発。

 
ドル/円95.34 ~ 96.13
ユーロ/ドル1.2910 ~ 1.2979
ユーロ/円123.47 ~ 124.49
NYダウ+55.91 → 14,511.73ドル
GOLD-3.80 → 1,607.50ドル
WTI+0.80 → 92.96ドル
米10年国債+0.054 1.958%

 【本日の注目イベント】

日   2月貿易統計
中   中国3月HSBC製造業景況指数
独   独3月製造業PMI
独   独3月サービス業PMI
欧   ユーロ圏3月製造業PMI
欧   ユーロ圏3月サービス業PMI
欧   ファンロンパイ・EU大統領講演
米   新規失業保険申請件数
米   1月住宅価格指数
米   2月中古住宅販売件数
米   2月景気先行指標総合指数
米   3月フィラデルフィア連銀製造業指数

注目されたFOMCでは、市場予想通り政策変更はなく、毎月850億ドルの資産購入は継続されることが
決定されました。
会合後の記者会見でバーナンキ議長は、これまでの慎重姿勢は維持したものの、雇用については「雇用市場の状況は
ここ数カ月に改善の兆しが見られたが、失業率はなお高い水準にある」との見方を示し、最近の経済データから
「経済は昨年遅くに停滞した後、緩やかな成長に復帰したことが示唆された」と指摘しました。

また議長は、欧州からの景気下振れリスクは存在するものの、「目標に向かって状況が進展すれば、金融緩和の規模
を適切に調整するため、月ごとの購入額を変更する可能性がある」と発言し、将来量的緩和の縮小に動く可能性に
初めて言及しました。
相次ぐ好調な経済指標に、バーナンキ議長自身、景気回復への「手ごたえ」を感じ取っている証左だと思われます。

現在19名いるFOMCメンバーの中で4人が2014年のゼロ金利解除に賛成し、昨年12月の3人より1人
増えています。
中でも投票権を持つ、ジョージ・カンザス連銀総裁は2会合連続で反対票を投じ、「大規模な金融緩和の継続で
将来的に経済と金融の不均衡が生まれるリスクが強まったほか、今後、時とともに長期のインフレ期待を高める
要因になり得る」と、懸念を表明しています。

議長はメンバー内で高まってきたこのような「タカ派」の意見に配慮した形で、将来の量的緩和縮小の可能性を
言葉の中ににじませたものと思われます。
FRBの失業率のメドは6.5%以下で、足元の7.7%は依然として高水準であることには変わりはありません。
ただ、それでも2015年には6.5%を下回ってくることに自信を深めているような会見だったと思います。
次回のFOMCは4月30日-5月1日ですが、バーナンキ議長の会見は予定されていません。
それだけに、1カ月後に公表される今回の「FOMC議事録」の内容が今から注目されます。

黒田新総裁のもと、新しい日銀執行部は本日からスタートします。
本日は就任記者会見が予定されていますが、ここでも大胆な金融緩和姿勢を見せるものと思われます。
「2年で2%の物価上昇率達成」を標榜していますが、日増しにこの目標達成は簡単ではないとの意見が増えてきました。
確かにこれまで1%の物価上昇率さえ達成が困難だったわけですから、そう簡単ではありません。
専門家の間でも、「ゼロ金利下では、量的緩和だけでインフレを起こすことはできない」という考え方が定説化しつつ
あります。
ただそれでも目的は2%のインフレではなく、デフレから脱却することで、その結果経済を成長軌道に乗せることです。
黒田新総裁の実効力に期待したいと思います。

ドル円は96円50-70銭の水準を3回試して押し戻されています。
下値は徐々に固まってきたものと思われますが、上水準を上抜けすれば97-98円程度までの上昇が予想されます。
それには株価の一段の上昇や、米長期金利の上昇などの支援材料が不可欠です。
金融緩和を背景に世界的に株高が進んでいることを考えれば、方向的にはしばらく円が売られ易い状況は続くと思われます。
足元のもみ合いはさらなる上昇への「踊り場」で、市場は「ドル高円安材料」を探していると考えられます。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】
【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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