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為替市場の膠着状態続く

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<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
ドル円は昨日の朝方上値を切り上げ112円17銭まで上昇したがその後はもみ合い。NY市場でも112円を挟む展開が続く。

ユーロドルも1.13を挟む動きは変わらず、膠着感がさらに強まる。

株式市場は揃って下落。3指数とも高値圏にあることから利益確定の売りも出やすく、ヘルスケアー関連を中心に下落、

債券相場は横ばいながら金利が小幅に上昇。

金は続落し、原油価格は反落。

2月貿易収支    →  -494億ドル

ドル/円   111.93 ~ 112.12

ユーロ/ドル 1.1291 ~ 1.1306

ユーロ/円  126.38 ~ 126.64

NYダウ  -3.12  → 26,449.54ドル

GOLD  -0.40  → 1,276.80ドル

WTI    -0.29  → 63.76 ドル

米10年国債 +0.004 → 2.594%

【本日の注目イベント】
豪 3月雇用統計
独 3月生産者物価指数
英 3月小売売上高
米 3月小売売上高
米 新規失業保険申請件数
米 3月景気先行総合指数
米 4月フィラデルフィア連銀景況指数
米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
米 企業決算 → ブラックストーン、AMEX
加 カナダ2月小売売上高

昨日の朝方9時過ぎにドル円はやや上昇傾向を強め、112円17銭まで買われ、先月記録した年初来高値をわずかですが「更新」しました。通常、直近の高値を抜くとさらに上昇が加速し、市場参加者も「もう一段の上昇」を期待し、ドル買いで追随することが多いのですが、昨日はその水準を頂点に再び112円割れまで押し戻されています。高値を抜いても勢いがつかないのが「今の相場の地合い」とでも言うのでしょうか、NYでもドル円は底堅い動きを見せながらも、この水準をクリアしていません。

昨日、注目されていた中国の第一四半期のGDPが発表されました。予想された通り、前年同期比で「6.4%」と、わずかですが上振れしました。一部のチャイナ・ウォッチャーが「中国景気は底を打った」と指摘しているように、このところの中国の経済指標は改善傾向を見せています。製造業PMIや非製造業PMIなどはいずれも1月分より3月分は改善していたことが確認できますが、これは中国政府が減税やインフラ投資、あるいは金融緩和など、積極的な「景気刺激策」を実施していることの効果が出てきたものとみられます。米国景気はまだら模様ながら底堅い強さを見せており、これに中国景気が底入れすれば、先週IMFが発表した世界景気の下振れが「杞憂」に終わる可能性もあります。ただ、まだ2019年の第一四半期を終えたばかりですので、今後の経済指標の推移を見極める必要があります。

先週9日にトランプ政権がEUに対して関税を引き上げる考えを示したことに関して、EUは報復関税の内容を公表しました。EUの行政執行機関である欧州委員会は、米国が実際に関税をかければ、米国の工業品や農業品など幅広い分野の米製品に、200億ドル(約2兆2000億円)相当の関税をかけることを発表しました。報復関税リストに載った品目は航空機やトラクターなどに、スーツケースやハンドバッグ、さらにはケチャップにまで及んでいます。ただ欧州委員会はそれほど強硬な姿勢を見せたわけではなく、通商担当のマルムストローム委員は声明文で、「対抗措置の準備を進める必要があるが、われわれは米国との対話にオープンだ」と表明しています。(日経新聞)それでもトランプ大統領がこれまでのような強硬姿勢を崩さないようだと、EUとの関税問題が激化し、世界景気の押し下げ要因になることは十分考えられます。2020年の大統領選に向けて成果をアピールしたいトランプ氏が、振り上げたこぶしを簡単に下ろすとも思えません。

われわれ日本の為替関係者にとって非常に注目されていた「日米物品貿易協議」は、結局大きな波乱もなく終わってしまいました。懸念された「為替条項」については、麻生財務大臣とムニューシン財務長官が26日に行われる日米首脳会談にあわせて直接協議することになった模様です。従って「為替条項」が合意文書に盛り込まれるのかどうかはまだ不明で、安倍-トランプ会談の内容にも影響を受ける可能性もありそうです。

ドル円は動きません。日本の大型連休まであと10日を切りました。このまま膠着状態が続くと、10連休中に大きく変動する可能性も高まってくるように思います。26日の日米首脳会談は日本時間では27日です。4月30日―5月1日にはFOMCが開催され、1日にはISM製造業景況指数とADP雇用者数が発表され、3日には4月の雇用統計と、重要イベントが目白押しです。通常でも相場が大きく動きやすい状況ですが、日本が連休のため参加者が少なく、流動性が低下することで相場が一方に振れやすくなることが予想されます。もちろん大きな動きにならないこともありますが、やはり用心するにこしたことはありません。

と言うことで、大きな値動きはお預けです。本日のレンジは111円85銭~112円25銭程度といったところでしょうか。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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