先週は米国の利上げ観測が根強く、ドルが底堅い動きとなりました。米国経済指標は強弱混ざるもイエレン議長を始めとするFOMCメンバーは6-7月期の利上げの可能性を示唆し、利上げ観測をサポートする材料となりました。
また、EU離脱懸念の後退により底堅い推移となっていたポンドは底堅い動きが続き、ドルが強いなかでも底堅い推移を続けています。ドル買いの対価としてはユーロや豪ドルが比較的選択されやすく、対ドルではこれらの通貨の弱さが目立っています。
先週からの流れ
米国5月雇用統計
今回の雇用統計の結果次第では、米国の6月の利上げの可能性が出てくることもあり、注目度は普段に比べて高いと考えられます。先行する新規失業保険申請件数が安定推移を続けていることを踏まえると、大崩れは想定しにくいものの、市場の米国の利上げ期待が強い状態と考えると、冴えない結果となった場合はショックがそれなりに大きくなる可能性があるため、注意が必要です。
今回の雇用統計でも非農業部門雇用者数変化の数字に加え、平均時給の増加率に注目が集まります。
ECB理事会
今週は雇用統計の陰に隠れて目立ちませんが、ECB理事会の開催が予定されています。前回の緩和拡大から間もないこともあり、今回は様子見ということで金融政策は変更なしとなる可能性が高いと考えられますが、メンバーの見通しやドラギ総裁の会見ないようにてユーロを中心に神経質な推移となることが想定されるため、政策金利発表前後、ドラギ総裁の会見中には注意が必要です。
本邦消費税増税再延期?
週末に安倍首相が6月1にちに消費税増税の再延期を発表するとの報道を受けて週明けから円売りが強まっています。ある程度は折り込んでいるものの、正式に発表となると本邦の国債格下げなども意識され、ドル円は不安定な推移となる可能性があるため、注意が必要です。
先週の注目通貨ペアのその後、今週の通貨ペア
先週の注目通貨ペアはポンド円でした。序盤は下押しする動きとなりましたが、その後は底堅い推移を続け保ち合いを上抜けるような動きとなり、逆ヘッドアンドショルダーの完成が近づいています。うまくいけば170円台も視野に入れた上昇につながる可能性もあるため、今週はまず、163円台にしっかりと乗せる事が出来るかどうかに注目したいところです。
ということで、今週の注目通貨ペアは引き続きポンド円とします。