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ドル円、G20を前に上昇一服

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<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
ドル円は上昇が一服。米金利が低下したことや、本日から開催される「G20」でのドル高是正議論への警戒などで154円17銭まで下落する場面も。

ユーロドルも下げが一服し、1.06台でもみ合う。

株式市場は3指数が下落。半導体銘柄の下げがきつく、ナスダックは181ポイント下落。

債券が反発。長期金利は4.58%台に低下。

金は5日ぶりに反落。原油も大きく売られ82ドル台に。

ドル/円  154.17  ~ 154.71

ユーロ/ドル 1.0630 ~ 1.0680

ユーロ/円  164.22 ~ 164.81

NYダウ   -45.66 → 37,753.31ドル

GOLD  -19.40 → 2,388.40ドル

WTI   -2.67 → 82.69ドル

米10年国債 -0.080 → 4.587%
【本日の注目イベント】
豪 3月雇用統計
台 企業決算 → TSMC
米 新規失業保険申請件数
米 3月景気先行指標総合指数
米 3月中古住宅販売件数
米 ボウマン・FRB理事、2つの討論会に参加
米 ウィリアムズ・NY連銀総裁、討論会に参加
米 ボスティック・アトランタ連銀総裁、2つの討論会に参加
米 企業決算→ブラックストーン、ネットフリックス

連日上値を切り上げて来たドル円は、節目の155円を前に上昇も一服でした。この日は154円71銭を高値にドルが売られ154円17銭まで下げましたが、それでも154円台は維持しています。米長期金利が低下したことや、本日からワシントンで開催される「G20」で、ドル高が議題に上る可能性があることも意識され、ひとまずポジションの一部が巻き戻されたものと見られます。

「G20」に参加するためワシントンを訪れている鈴木財務大臣は17日、日米韓の3カ国による財務相会合を初めて開きました。3氏は為替についても意見交換を行った模様です。ブルームバーグによると、共同声明には「最近の急速な円安およびウォン安に関する日韓の深刻な懸念を認識しつつ、既存の20カ国・地域(G20)コミットメントに沿って、外国為替市場の動向に関して引き続き緊密に協議する」という文言が盛り込まれたと伝えられています。この問題がこのまま「G20]での議題に移行するのかどうかは分かりませんが、会談後、鈴木財務相は「急激な円安、ウォン安について認識を共有した」と述べ、「為替で具体的にどうゆう対応をするのかについてはコメントを控える」と語っています。また、同行している神田財務官も、「円安、ウォン安への認識共有を声明文で明記することは、最近ではなかったことだ」と強調しています。共同声明に盛り込まれた「深刻な懸念」は、英語で「serious concern」と明記されたようです。円だけではなく、ウォンやブラジル・レアルなど新興国通貨も大きく下落していることから、足並みを揃えて米国に対してドル高是正を要求する可能性もないとは言えませんが、その可能性は低いと思われます。そもそも仮に「実弾介入」があったとしても、ドル高の「主原因」である米国のインフレが鈍化することが不可欠です。米国を巻き込んだ「協調介入」はないとは思いますが、日本の通貨当局とすれば、せめて日本の「単独介入」には米国が理解を示すという「言質」だけは確保しておきたいはずです。

ドイツ証券は昨日「ドル円レートは、日米金利差よりも、日米の金融緩和度合いに違いの影響を強く受ける」という内容のレポートを発表しています。レポートでは「足許のドル円レートは、米国の利下げ期待の後退によるドル高の影響が大きいが、年初からの主要通貨の対ドル変化率を比較すると、主要通貨に対して円安が進んでいる。この間、日銀はマイナス金利の撤廃を含む大規模緩和の終了を決定している。それにも関わらず、円安の方が大きい背景として、日銀がマイナス金利解除後も緩和的な金融環境を維持することを強調したことで長期金利の上昇が相対的に抑えられている一方、予想物価の上昇率や潜在成長率が緩やかに上昇することで、金融緩和が強化されていることが挙げられよう」と分析しています。インフレ率や貿易環境、成長率など、総合的に考えられる「円の実力」は130円とも140円とも言われていますが、実力以上に大きく売られている足元の円の水準を理解する上で一理あるかと思われます。ただ為替は、市場の持つセンチメントも非常に重要で、センチメントが加速するエネルギーは想像を超えます。「ドルが上がるから買う。買うからまた上がる」といったモメンタムも非常に重要な要素かと思います。

本日のドル円は153円20銭~155円程度を予想します。
「G20」を前に、利益確定の売りに押されるのか、あるいは再び155円をテストするのか、目が離せません。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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