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ドル円、急落するも154円79銭まで続伸

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<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
介入警戒感を残しながらもドル円の上昇は止まらず。NYでは朝方、153円台後半まで急落したがその後反発。154円79銭までドル高が進む。

ユーロドルも下値を切り下げ、1.0602まで下落。

株式市場はまちまち。ダウは7日ぶりに小幅高。他の2指数は小幅安で引ける。パウエル議長の発言が重石に。

債券は続落。長期金利は一段と上昇し、4.66%台に。

金は続伸し、初の2400ドル台に。原油は小幅に続落。

3月住宅着工件数     →  132.1万件

3月建設許可件数     →  145.8万件

3月鉱工業生産      →  0.4%

3月設備稼働率      →  78.4%

ドル/円  153.90  ~ 154.79

ユーロ/ドル 1.0602 ~ 1.0653

ユーロ/円  163.40 ~ 164.68

NYダウ   +63.86 → 37,798.97ドル

GOLD  +24.80 → 2,407.80ドル

WTI   -0.05 → 85.36ドル

米10年国債 +0.066 → 4.667%

【本日の注目イベント】
日 3月貿易統計
欧 ユーロ圏3月消費者物価指数(改定値)
英 3月消費者物価指数
英 ベイリー・BOE総裁講演
米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
米 G20財務相・中央銀行総裁会議(ワシントン)
米 ボウマン・FRB理事講演
米 メスター・クリーブランド連銀総裁講演
米 企業決算 → アルコア

前日のNYでのドル高を受け昨日の東京時間も154円台半ばまでドルが買われる場面もありましたが、政府日銀からは「なしのつぶて」。市場関係者の間にも介入レベルを上方修正する動きも出ており、聞こえてくるコメントはドルに対してかなり強気の内容に変わってきました。幾つか紹介すると、JPモルガンのプライベートバンキング部門と、バンク・オブ・アメリカは「160円が次の節目になる可能性がある」と見ており、三菱UFJモルガンスタンレー証券のチューフストラテジストは、「155円を超えれば介入の可能性が高まるが、なければ1990年4月の水準である160円20銭まで円が下落する可能性がある」とコメントしています。またシンガポールの「ストーンXファイナンシャル」の通貨トレーダーは、「ファンダメンタルズに何らかの変化が起きない限り、次は160円というのがもっともらしいシナリオだ」と話しています。(ブルームバーグ)

このように、介入警戒感が高まりながらも何ら動きがないことを踏まえて、市場のセンチメントも含め、かなり「ドルブル」に変わってきたと言えます。昨日のNYでは朝方、154円75銭前後からドルが急落し、一時は154円台を割り込み「すわぁ、介入か」と思わせる場面もありましたが、その後直ぐに154円79銭まで反発しています。介入であれば、1円程度の急落で収まるはずがないことは、多くの市場参加者が知っており、1円程度で下げ止まったことを見て、再びドル買いに転じたようです。

昨日はパウエル議長の発言がドル買いにつながったようです。議長はワシントンで行われたカナダ中銀のマックレム総裁とのパネル討論会に参加し、「最近のデータがわれわれの確信を深めるものでないことは明らかで、それどころか確信を得るには想定以上の時間がかかる可能性が高いことを示唆している」と語り、「労働市場の強さと、これまでのインフレ面での進展を踏まえると、景気抑制的な金融政策が作用する時間をさらに与え、当局としてデータと変化する見通しを指針とすることが適切となろう」と発言しました。これまでFOMCメンバーの中でも「最もハト派寄り」と見られていた議長でしたが、さすがに相次ぐ指標の上振れを受け、利下げ開始見通しを後ずれさせたようです。またジェファーソンFRB副議長も講演で、「政策金利を現行水準で据え置いたままでインフレは一段と鈍化し、労働市場は需給バランスの改善が続く中で強さを維持するというのが、引き続き私のシナリオだ」と述べ、「もちろん先行きはなお非常に不透明であり、インフレが現在私の想定よりも根強いことが今後入手するデータで示唆されれば、現行の景気抑制的な政策スタンスをより長期にわたって維持するのが適切となろう」と、両者とも今後のデータ次第であるとの認識を示しました。

足元では、市場のコンセンサスは7月会合での利下げ開始と、年内2回の利下げに収斂されつつありますが、今後さらに指標が上振れするようだと「年内利下げなし」、あるいは「追加利上げ」の可能性も全く夢物語ではなくなり、その場合ドル円は160円に向うことにもなりそうです。もちろん、現時点ではその可能性は非常に低いと思われますが、今後インフレ指標がさらに重要な鍵を握ることになります。どうやらこのままでは155円台まで「実弾介入」は見られない可能性が高まってきました。筆者は少なくとも政府日銀は、155円までには介入に踏み切ると予想していましたが、まだわかりませんが、予想は外れることになりそうです。口では市場をけん制する必要から、かなり強めの口調でしたが、足元の円の動きは必ずしも「円独歩安」というわけではありません。ここに来て、ユーロやポンドなどもドルに対して下げ足を速めており、「ドル独歩高」という言い方が適切な状況です。ここで当局がドル円で「円買い・ドル売り」を行えば、米財務省から「為替操作国」と見なされるリスクもあります。明日からワシントンで始まる「G20」でトルコ、ブラジル、メキシコなど新興国と歩調を合わせ、「ドル高是正」にスクラムを組めるのかが重要かもしれません。「実弾介入」の準備は出来てはいるものの、そのタイミングが難しいということでしょうか。155円台はすぐそこに迫っています。

本日のドル円は153円50銭~155円50銭程度を予想します。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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