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ドル円108円台半ばまで反発

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<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
予想外のADP雇用者数の下振れに、ドル円は107円81銭まで売られる。ただその後は利下げ観測がさらに高まり、ISM非製造業指数が良好だったことで108円台を回復。メキシコとの関税問題が好転するとの期待もあり、108円48銭までドル高が進む。

ユーロドルも朝方は1.1306まで上昇し、4月17日以来となるユーロ高を記録したものの、その後は軟調な展開に。1.1220まで押し戻され、この日の底値圏で引ける。

株式市場は大幅に続伸。メキシコとの関税回避への楽観的な見方と、利下げ観測が相場を押し上げる。ダウは207ドル上昇し、連日の大幅高となり、他の主要指数も揃って続伸。

債券相場はほぼ変わらず。長期金利は2.13%台で小幅に上昇。

金は6日続伸し、1333ドル台に。原油価格は大幅に反落し51ドル台半ばに。

5月ADP雇用者数       →  2.7万件

5月ISM非製造業景況指数   →  56.9

ドル/円 107.81 ~ 108.48

ユーロ/ドル 1.1220 ~ 1.1306

ユーロ/円 121.55 ~ 122.26

NYダウ +207.39 → 25,539.57ドル

GOLD   +4.90 → 1,333.60ドル

WTI  -1.80 → 51.68ドル

米10年国債  +0.005 → 2.135%

【本日の注目イベント】
日  黒田日銀総裁講演
欧  ユーロ圏1-3月期GDP(速報値)
欧  ECB政策金利発表
欧  ドラギ・ECB総裁記者会見
英  カーニー・BOE総裁講演
米  4月貿易収支
米  労働生産性(1-3月)
米  新規失業保険申請件数
米  カプラン・ダラス連銀総裁講演
米  ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
加  4月貿易収支

5月のADP雇用者数には驚きました。市場予想の「18.5万人」に対して「2.7万人」と、大きく下振れしていました。この結果を受けてドル円は再び108円を割り込み、107円81銭まで売られましたが、その後は再び108円台を回復し、108円48銭までドル高が進む展開でした。

ドルを押し上げたのはナバロ国家通商会議(NTC)委員長が、10日に発動が計画されているメキシコへの5%の関税措置について、「メキシコ当局者が回避する時間はまだある」と発言し
方法としては、亡命希望者の受け入れや国境に配備している要員の増加などに合意することを挙げたと、ブルームバーグは伝えています。また、その後に発表された5月ISM製造業景況指数が予想以上に良好だったこともドル円を押し上げていますが、前日のパウエルFRB議長の発言を契機に、利下げ期待がさらに高まったことで株価が連日の大幅高を演じたことも、投資家のリスク・センチメント好転につながったようです。もっとも、本稿執筆時には米CNBCが、米国とメキシコの当局者は5日ワシントンでの会談で、関税回避で合意できなかったと報じ、ドル円を20銭ほど下押しする場面もあり、依然として関税問題に相場が振り回される状況が続いています。

NY株式市場では株価が連日の大幅高を演じています。前日のパウエルFRB議長の講演内容が、利下げを示唆したものと受け止め、今後FRBは金融緩和に転じるとの観測が相場を押し上げています。個人的には、市場が「やや前のめり」だといった印象は拭えませんが、貿易戦争で今後米景気の後退を示す兆候があれば適切に行動するといった状況で、市場はそれを「利下げ」へのフォワードガイダンスだと受け止めたようです。昨日もその流れが続き、7月会合での利下げ確率は70%まで上昇しています。

そんな中、ダラス連銀のカプラン総裁は昨日ブルームバーグとのインタビューで、「(政策金利を引き下げるという)その判断を下すには時期尚早だ」との認識を示しています。総裁は、「貿易を巡る緊張の高まりを把握すべく強く警戒していく。そうした緊張が経済に影響を及ぼすのか、そしてこれは最も重要なことだが、緊張が根強く続くのかどうかを注視していく」と語っています。カプラン総裁は今年のFOMCでの議決権は持っていませんが、議長、副議長が「ハト派」的な姿勢に傾いている中、シカゴ連銀総裁ほど「タカ派」的な姿勢ではなく、やや中立的な立場を 取っているようです。

FOMCメンバーによるこれら一連の発言から読み取れることは、FOMC内部でも今後の金融政策に対する意見は明確に分かれているということです。今後の経済指標次第では「利下げ」、「ニュートラル」の、どちらにも振れるということで、発表される経済指標も昨日のように、強弱まちまちです。昨日はベージュブック(地区連銀報告書)も公表されましたが、ここでもフィラデルフィア地区と、ダラス地区では貿易問題の不透明さが企業のセンチメントを圧迫していると報告された一方、多くの地区で、「経済活動は緩慢なペースではあるが拡大している」としていました。明日は5月の雇用統計が発表されます。予想外のADP雇用者数の結果を受けて、今回の雇用統計はその内容がより注目されることになります。

ドル円はまだ下値リスクの方が高いと見ていますが、107円80-85銭レベルは3度試して押し戻される展開が続いており、底堅さも見せています。以前に比べようやくドル円にも動きが出てきました。伝わって来る報道には、強弱どちらの情報も含まれている状況です。ここは、「根っこ」の部分はキャリーしても、それ以外のポジションは深追いせず、ある程度利益が見込める段階で閉じることも必要かと思います。本日の予想レンジは107円80銭~108円60銭程度と見ています。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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