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ドル円114円台で動かず

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<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
ドル円は114円台で小動き。FOMCやオランダの総選挙を控えていることから、ポジション調整に終始。

ユーロドルは小幅に反落。ECB理事の金融政策の変更はないとの発言を手がかりに、1.0653まで小幅に下落。

株式市場はまちまち。ダウは21ドル下落したものの、ナスダックは14ポイント上昇。FOMCや各国中銀の金融政策を待つスタンスが強まる。

債券相場は大幅に反落。この日は社債発行増加が重石となり、明日のFOMCでの利上げも確実視されていることから売りが膨らんだ。長期金利は2.62%台まで急上昇。

金は10日ぶりに反発したものの小幅に留まる。一方原油は6日続落し48ドル40セントで取り引きを終える、米国のリグ(掘削装置)稼動数の増加が嫌気された。

ドル/円114.55 ~ 114、89

ユーロ/ドル1.0653~ 1.0679

ユーロ/円122.24~ 122.44

NYダウ  -21.50 → 20,881.48ドル

GOLD +1.70 →1,203.10ドル

WTI   -0.09 → 48.40ドル

米10年国債  +0.051 → 2.626%

【本日の注目イベント】
中   中国 2月小売売上高
中   中国 2月鉱工業生産
独   独2月消費者物価指数(改定値)
独   独3月ZEW景況感指数
欧   ユーロ圏1月鉱工業生産
米   FOMC (15日まで)
米   2月生産者物価指数
米   メルケル独首相訪米、トランプ大統領と会談

昨日からのドル円は上値が重く徐々に下落したものの、114円台半ばは維持し、米長期金利の上昇に114円台後半まで値を戻しましたが小康状態です。明日はFOMCがあり、欧州ではオランダの総選挙が控えています。ポジション調整の域を出ず、値動きも小幅に留まっています。

明日のFOMCでは利上げが確実視されていることから米長期金利が上昇し、昨日は2.62%台で引けています。この水準は昨年12月15日以来の高水準ですが、その割にはドル円が上昇
していません。昨年12月15日といえば、トランプラリーのピークで、ドル円が117円から118円台半ばまで買われた時でした。金利水準は同じでも、ドル円の水準は2円以上も円高水準です。これはトランプ政権の政策に対する不透明感と、欧州リスクを控えていることが主因だと思われます。

債券市場だけが利上げに反応して動いているようですが、明日15日は上記2つの重要イベントに加え、米連邦政府の債務上限引き上げ期限が来ます。期限までに議会が上限引き上げを承認しなければ今後、政府は新規の国債を発行することができなくなります。かつて、オバマ大統領の時にも期限までに承認できなくて、政府機関の一部の機能が停止されたことがありました。

FOMCでの関心ごとは既に、年内利上げが3回なのか、4回になるのかに移っています。4回の利上げがコンセンサスになるようだと、株価が軟調に推移することになるかもしれません。急激な金利上昇を嫌って、利益確定の売りが優勢になる可能性があり、金や、原油市場では既にその動きが顕著になっています。金利上昇が進むと、金利の付かない金は売られる傾向があり、金価格は2週間程前の1260ドル近辺から1200ドルあたりまで売られています。

一方で、昨日のNY債券市場で見られたように、金利上昇は債券価格の下落要因となり、価格が下がり、金利が上昇します。金利上昇はドル高につながり易いため、ドル円が株価か債券のどちらの材料により反応するのかを見極める必要があります。まずは、15日のFOMCで「ドットチャート」が先行きの金利をどのように示すのかに注目したいと思います。

本日のドル円は114円50銭~115円50銭程度を予想します。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

 

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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