<ひと目で分かる昨晩の動き>
【NY市場】
ドル円は堅調ながら120円台半ばを頭に上値を抑えられる展開。本日の日銀決定会合を見極めたいとする中、終始120円台で推移。
ユーロドルではややドル安が進む。1.12台後半までユーロが買われた。
株式市場は高安まちまち。バイオ株が売られナスダックは32ポイント下落。一方ダウは小幅ながら3日続伸。
債券相場は反発。年内の利上げはないとの見方が徐々に増えており、債券に買い物が集まる。長期金利は2.03%台に低下。
金は続伸。原油はOPEC高官が原油高の見通しを示したことで、約1ヶ月ぶりに48ドル台まで急伸。
8月貿易収支 → 483.3億ドルの赤字
ドル/円 120.11 ~ 120.49
ユーロ/ドル 1.1206~ 1.1280
ユーロ/円 134.89 ~ 135.60
NYダウ +13.76 → 16,780.19ドル
GOLD +8.80 → 1,146.40ドル
WTI +2.27 → 48.53ドル
米10年国債 -0.024 → 2.033%
【本日の注目イベント】
日 8月景気動向指数
日 山本幸三衆院議員会見
日 日銀金融政策決定会合
日 黒田日銀総裁記者会見
独 独8月鉱工業生産
米 10月消費者信用残高
ドル円は120円台で底堅い動きを見せてはいるものの、120円台半ばでは上値を抑えられる展開が続いています。10月のFOMCでの利上げ観測が大きく後退し、12月の可能性も徐々に後退していることを背景に、121円に近づくレベルではドル売り需要も強いのではないかといった見方もあります。
一方でこのところの株価の堅調な動きに、ややリスクオンの姿勢を強めている向きもあり、さらに本日の日銀金融政策決定会合で、追加緩和を期待する声も大きく、これらがドルを下支えしている構図になっているようです。
決定会合の結果は12時を中心に、前後1時間ほどの間に発表されると思われますが、まだ追加緩和を実施するタイミングではないと予想しています。ただ、ブルームバーグの調査によると、アンケートを実施した36名のエコノミストの内、2名が本日の会合での追加緩和を予想しています。
もし、発表が12時を大きく過ぎるようだと、議論が紛糾していると見ることもでき、それが緩和実施への期待を高めることにもつながり、ドルが買われる可能性があるかもしれません。また反対に、今回は期待値がやや高いだけに、政策変更がなかった場合には「失望」からドルが売られることも予想されるため、発表時間にも注意が必要です。もちろん、3時半からの黒田総裁の記者会見での発言には最大限の注意が必要です。仮に政策変更がなかった場合でも、今月末にも会合を控えているため、ここでの追加緩和もないとは言えないからです。上記ブルームバーグの調査では、15人のエコノミストが30日の会合で「ある」と答えています。
また本日は12時から山本幸三衆院議員が、東京、有楽町の外国特派員協会70周年記念で講演を行います。同氏は、30日の決定会合で追加緩和をやるべきだとの自説を何度か主張していることから、こちらにも注目したいと思います。ドル円は先週一度レンジを下抜けしましたが、直ぐに元の定位置に戻っています。依然として明確な方向感が見つけにくい状況です。それでも上述のように、今月の日米の金融政策が固まれば、方向性が見えてくるのではないでしょうか。
ドル円のレンジは119円から120円80銭程度を予想しますが、決定会合の結果次第では荒っぽい展開になる可能性は残ります。