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ドル円94円台で堅調に推移

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<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
連日値幅の大きい動きを見せていたドル円は、上値が重い展開ながら米株価の上昇と、住宅関連指標の改善を手掛かりに堅調な動きを見せる。94円台前半から半ばで推移し、この日の高値水準で引ける。

ユーロドルは依然としてキプロス問題への懸念が払しょくできず、一時1.2828と、前日の安値近辺を試したものの、勢いはなく押し戻される。

米株価の大幅高から「リスクオフ」もやや後退し1.28台半ばで引ける。

株式市場は大幅高。ケースシラー住宅価格指数の上昇や、耐久財受注などの改善を好感し、ダウは111ドル高と、約10日振りに過去最高値を更新。S&P500も過去最高値に2ポイント以内に迫った。

株高にも関わらず債券価格は上昇。消費者信頼感指数が予想を下回ったことを受け債券買いがやや膨らみ、10年債利回りは1.91%台に低下。

金は3日続落で1600ドルの大台を割り込む。対照的に原油価格は景気回復を材料に3日続伸し、約1ヵ月振りに96ドル台に乗せる。

2月耐久財受注 → -0.57
1月ケースシラー住宅価格指数 → +8.08%
3月消費者信頼感指数 → 59.7
2月新築住宅販売件数 → 41.1万件
3月リッチモンド連銀製造業指数 → 3

 ドル/円94.13 ~ 94.62
ユーロ/ドル1.2828 ~ 1.2890
ユーロ/円120.76 ~ 121.63
NYダウ+111.90 → 14,559.65ドル
GOLD-8.80 → 1,595.70ドル
WTI+1.53 → 96.34ドル
米10年国債-0.011 → 1.911%

【本日の注目イベント】
独   独4月GFK消費者信頼感指数
欧   ユーロ圏3月消費者頼感(速報値)
英   英10-12月GDP(確報値)
米   2月中古住宅販売成約指数
米   ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
米   ピアナルト・クリーブランド連銀総裁講演
米   コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演
加   カナダ2月消費者物価指数

 
キプロスの支援問題はやや小康状態を保っているようですが市場の関心は、銀行再編で民間セクターの損出負担が拡大するかどうかに集まっており、市場には依然として警戒感が漂っています。EUは、10万ユーロ(約1210万円)を超える預金者に損出を負担させる案を検討しているようですが、これが他の周辺国にも波及し銀行破たんが起きるのではないか、といった不安が払拭されていません。ユーロドルは昨日も下値を探る展開が続き、1.28台割れを試しましたが前日同様押し戻されています。

「日足」チャートを見ると重要な「200日線」を下回っており、1.30が徐々に遠くなっています。一目均衡表の「遅行スパン」は雲を完全に下抜けしており、この「遅行スパン」が「200日線」でサポートされている状況です。1.28台を割り込めば「遅行スパン」の下抜けが完了しますが、そうなると次のターゲットは昨年11月に記録した1.26台半ばということになります。米景気回復を背景にドルが買われ易い地合いの中、上値の重い展開が当面続くと予想されます。

今朝の経済紙では、日銀が国債買い入れを拡大するため新たな購入目標を検討していると報じています。これまでの通常の国債購入枠と、金融緩和を行うための基金を統合し、より解り易い緩和規模を明示することで日銀の緩和姿勢を市場に働きかけようというもののようです。黒田日銀総裁は昨日の衆院財務金融委員会で「これまで以上に大胆に質的、量的な金融緩和をする」と発言し、「あらゆる選択肢を検討課題とし、期待外れにならないよう緩和を行う」と述べていました。

既に市場では期待感が先行しており、追加緩和が実施されたとしてもある程度の「サプライズ」が伴わないと失望感が支配的になる可能性があり、このあたりを意識した発言と見られます。実際為替市場にはそれ程影響を与えてはいません。ただ、債券市場には大きな影響を与えています。連日低下を続けている長期金利は、昨日も一段と低下し0.525%を記録しました。2003年に記録した史上最低金利である0.43%に迫る勢いです。

これは黒田総裁の「大胆な質的、量的緩和」を先取りした動きで、債券市場の参加者は「この水準で買うのは怖いけれども、買わざるを得ない」状況の様です。専門家の間では既に「債券バブル」とも言われていますが、「買うから上がる。上がるから買う」といった図式になっており、史上最低金利の0.43%を更新するとの声も聞かれます。ただ、これ以上長期金利が低下しても、残りは「0.5%」でしかありません。「あと0.5%しかない」と思うのか「まだ0.5%もある」と考えるのか、門外漢には解りませんが、「バブル」の中にいることには違いないと思われます。

日本の長期金利の低下は日米金利差の拡大に繋がります。そしてドル円では「ドル買い材料」ということになり、米長期金利が景気回復を背景に今後上昇するようだと、為替相場にもじわじわと効いてくることが考えられます。一段の金融緩和に踏み切る可能性が高い日銀と、まだ時期尚早とはいえ量的緩和の縮小を検討する余地のあるFRB。この差がドル円の支えになっていることで、足元では93円台半ばがサポートされているようにも見えます。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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