11/19 週の見通し-週前半にイベント集中-
2012/11/20
【全体】 今週は、週後半が米国の感謝祭で市場参加者が少なくなることが予想され、材料待ちから市場がほとんど動かなくなる可能性があります。ただ、週前半には19-20日に日銀の金融政策決定会合、20日のユーロ圏財務相臨時会合が予定されていますので、これらを受けて市場(特に円)が動いてくるものと見られます。先週の野田首相による衆議院の解散表明(事実16日に解散)を受けて、円安に大きく流れが転換したため、この流れが継続するのか、また、日銀の対応にも注目が集まるものと思います。ユーロ圏もギリシャへの融資が先送りされた場合には年末にかけてリスクが高まることで、リスク・オフの動きにつながる可能性があります。
【ドル/円】 ![USDJPY FXchart|USD/JPY](http://www.advfn.com/p.php?pid=col_image&img=111812jpy)
(c)UH standard chart
ドル/円は一目均衡表(週足)の雲を上抜けしました。また、遅行線もロウソク足の上に出てきています。このため、3/15の高値に向かって上昇が継続しそうですが、週足のストキャスティクススローは%D、%Dスローともに80を超えてきているため、調整が入る可能性があります。調整が入るとすれば、安倍自民党総裁が発言党で日銀に追加金融緩和の圧力をかけているため、これに対する期待が先行していることで、19-20日に開催される日銀の金融政策会合での現状維持が決定された場合の失望売りや週末に回避へ期待がもたれた「米国の財政の崖」の問題の進捗状況、中東の地政学的リスクなどで市場のセンチメントがリスク・オフとなった場合と思われます。また、米国は22日が感謝祭で休場となり、翌23日も実質の市場の参加者は限られることから、これを前にしたポジション調整が出る可能性もあります。
【ユーロ】 ![EURJPY FXchart|EUR/JPY](http://www.advfn.com/p.php?pid=col_image&img=111812eur)
(c)UH standard chart
ユーロ/円は一目均衡表(週足)の転換線を上に抜け、雲の下限に接近しています。遅行線もロウソク足を上に抜けました。日足ではMACDがゴールデンクロスしているため、このまま週足での雲の中に入ってくると思いますが、雲の上限が106.726円に位置していることから、これを抜けられないと本年3月の上抜け失敗の時と同様に下落してくる可能性があります。下落の要因としては、20日のユーロ圏臨時財務相会議でギリシャに対する融資の進展が見られない場合や、イスラエルがガザ地区へ地上侵攻を開始した場合などです。また、22日のユーロ圏製造業、サービス業のPMI速報値、23日の独IFO景気動向指数が弱い内容となった時もユーロが売られることとなると思います。
【ポンド】 ![GBPJPY FXchart|GBP/JPY](http://www.advfn.com/p.php?pid=col_image&img=111812gbp)
(c)UH standard chart
ポンド/円は一目均衡表(週足)の雲がサポートとなり雲の上に再び抜け出ました。遅行線も雲の上に抜け出たことで上昇が続くと思います。一方、雲は切り下がっていくので、雲の上限となる125.688円が足元ではサポートとなりそうです。格付け会社ムーディーズは2013年初めに英の「AAA」格付けを数か月で検討とコメントを出していることから、ポンド/ドルの上値は重くなるものと思いますので、円売りの流れになかでもポンド/円の上昇は鈍いのではないかと思います。ただ、10月の乗用車生産が6.5%増加していることやセインズベリー(百貨店)が5%の増益、ナショナル・グリッド(送電)が2.1%の増益など企業の業績も悪くない内容となっているため、それほど下落余地は大きくないものと思います。
【豪ドル】 ![AUDJPY FXchart|AUD/JPY](http://www.advfn.com/p.php?pid=col_image&img=111812aud_new)
(c)UH standard chart
豪ドル/円は一目均衡表(週足)の雲の上限(切り下がっているものの)がサポートとなり、週末は11/7の高値の84.148円に迫る84.140円まで上昇しました。MACDがゴールデンクロスしていることもあり、直近の84.148円を上に抜けると、3/19の高値の88.628円を目標に上昇していく可能性がありますが、中東の地政学的リスクやユーロ圏、米国でのリスク要因が残っていることで、底堅い動きながら上値が重い動きとなると思います。今週は20日に豪準備銀行(RBA)による金融政策会合議事の公表が予定されていることから、利下げにつながるような内容が含まれていた場合には調整の豪ドル売りにつながるものと思います。また、NZドルもキーNZ首相が「経済は下半期に鈍化している」「NZの成長は2013年以降に加速する」「成長がなければ、RBNZは利下げするだろう」と発言、利下げの可能性が大きくなていることで、どちらかといえば中長期では下落につながりやすいと思います。
■今週の予想レンジ
Ccy | Low(下) ~ High(上) |
ドル/円 |
79.8 ~ 82.5 |
ユーロ/ドル |
1.258 ~ 1.291 |
ユーロ/円 |
101.5 ~ 104.8 |
ポンド/円 |
127.5 ~ 131.8 |
豪ドル/円 |
81.9 ~ 85.8 |
NZドル/円 |
64.9 ~ 66.8 |
南アランド/円 |
8.9 ~ 9.2 |
■注目イベント 11/12(月) 08:50 日本 9月 第三次産業活動指数 08:50 日本 7-9月期 四半期実質国内総生産(GDP)速報値 08:50 日本 10月 国内企業物価指数 09:30 豪 9月 住宅ローン件数 16:00 ドイツ 10月 卸売物価指数(WPI) 11/13(火) 09:01 英国 10月 英王立公認不動産鑑定士協会(RICS)住宅価格指数 09:30 豪 10月 NAB企業景況感指数 13:30 日本 9月 鉱工業生産確報値 16:45 フランス 9月 経常収支 16:45 フランス 7-9月期 非農業部門雇用者速報値 17:15 スイス 10月 生産者輸入価格 18:30 英国 10月 卸売物価指数(食品、エネルギー除く) 18:30 英国 10月 消費者物価指数(CPI) 18:30 英国 10月 小売物価指数(RPI) 19:00 ドイツ 11月 ZEW景況感調査(期待指数) 19:00 ユーロ圏 11月 ZEW景況感調査 04:00 米国 10月 月次財政収支 11/14(水) 06:45 NZ 7-9月期 四半期小売売上高指数 16:45 フランス 10月 消費者物価指数(CPI) 18:30 英国 10月 失業保険申請件数 18:30 英国 10月 失業率 19:00 ユーロ圏 9月 鉱工業生産 19:30 英国 英中銀物価報告(インフレリポート) 20:00 南ア 9月 小売売上高 22:30 米国 10月 卸売物価指数(PPI) 22:30 米国 10月 小売売上高 00:00 米国 9月 企業在庫 04:00 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨 11/15(木) 15:30 フランス 7-9月期 国内総生産(GDP)速報値 16:00 ドイツ 7-9月期 国内総生産(GDP)速報値 18:00 ユーロ圏 欧州中央銀行(ECB)月報 18:30 英国 10月 小売売上高指数 19:00 ユーロ圏 10月 消費者物価指数(HICP)改定値 19:00 ユーロ圏 7-9月期 四半期域内総生産(GDP)速報値 22:30 カナダ 9月 製造業出荷 22:30 米国 10月 消費者物価指数(CPI) 22:30 米国 11月 ニューヨーク連銀製造業景気指数 22:30 米国 新規失業保険申請件数 00:00 米国 11月 フィラデルフィア連銀製造業景気指数 11/16(金) 18:00 ユーロ圏 9月 経常収支 19:00 ユーロ圏 9月 貿易収支 22:30 カナダ 9月 対カナダ証券投資額 23:00 米国 9月 対米証券投資(短期債除く) 23:15 米国 10月 鉱工業生産 23:15 米国 10月 設備稼働率 経済指標の詳細はFXmuseumのFXカレンダーを参照してください。
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