13日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、2月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回り、米中通商合意が先送りされるとの思惑から、111.47円から111.01円まで弱含みに推移した。ポンドドルは、英議会で欧州連合(EU)からの「合意なき離脱回避案」が可決されたことで1.3381ドルまで上昇、ポンド円も148.73円まで上昇した。
本日の東京市場のドル円は、英議会での「離脱延期案」の採決を控える中、中国の2月小売売上高と鉱工業生産に注目する展開が予想される。
英議会で「合意なき離脱回避案」が可決され、本日は「離脱延期案」が可決されることが見込まれている。メイ英首相はEU離脱期限の2カ月程度の延長を検討している、と報じられている。
ユンケル欧州委員長が、欧州議会選挙(5月23-26日)を念頭に、「英国は5月23日までにEUを離脱しなければならない」と警告していることで、同時期ごろまでの離脱期限延期の可能性が高まりつつある。
しかしながら、離脱期限が延期された場合は、離脱推進派の閣僚や政務担当者がメイ政権を去り、倒閣の動きが強まる可能性に要警戒となる。
また、トランプ米大統領が中国との通商協議について「合意は急いでいない」「米国にとり正しいディール(取引)である必要があり、そうでなければディールは行わない」と述べたことで、米中通商合意への期待感も先送りされた。
本日から明日にかけて開催される日銀金融政策決定会合では、物価2%目標に向けたモメンタムは維持されているとして、現行の金融政策の継続が予想されている。
注目ポイントは、景気見通しについて前回同様に「緩やかに拡大している」との判断が維持されるのか、それとも、内閣府のように景気後退期に入った可能性が高いことを示す「下方への局面変化」に基調判断を引き下げるのか、要注目となる。
内閣府と日銀が景気判断を下方へ引き下げた場合、3月の月例経済報告でも、景気の基調判断が「下方修正」される可能性が高まる。
2012年以降、過去4回の景気基調判断の「下方修正」後、黒田日銀総裁が金融緩和政策(バズーカ砲1・2・3・4弾)を発射していることで、黒田バズーカ砲第5弾の可能性が高まることになる。
中国の2月の小売売上高(予想:前年比+8.1%)や鉱工業生産(予想:前年比+5.5%)では、中国の景況感悪化懸念が高まっていることで、ネガティブサプライズに要警戒となる。
3月のドル円相場は、期末決算に向けた本邦機関投資家からのレパトリエーション(海外投資資金の本国への還流)が上値を抑える中、米中通商協議の動向、北朝鮮によるミサイル発射への警戒感、日米の金融政策などを見極めていくことになる。
ドル円の攻防の分岐点は、上値は200日移動平均線の111.43円や日足一目均衡表・転換線の111.47円、下値は本日のNYカットオプションの111.00円、日足一目均衡表・基準線の110.88円となる。

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