【先週の概況】<br/>■ドル強含み、米中両国は第1段階の通商合意に到達<br/><br/>先週のドル・円は強含み。「米中は今月15日の追加関税発動の延期を検討」との報道や、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)修正案で合意が成立したことなどを受けて、リスク選好的なドル買い・円売りが優勢となった。10−11日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利の据え置きが全会一致で決定された。多くのメンバーが2020年を通じて政策金利据え置きを予想していることが明らかとなったが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は会見で「利上げには著しいインフレの上昇が必要」との見方を示しており、将来的な利下げの可能性は残されているとの思惑が広がったことから、ドル売りが再び活発となった。<br/><br/>しかしながら、米国と中国は12日、一部の関税引き下げと今月15日の追加関税の発動延期で合意に達し、トランプ大統領は第1段階の貿易合意(協定)を承認したことから、リスク選好的なドル買いが急速に広がった。ドル・円は12日のニューヨーク市場で109円45銭まで上昇。その後、英総選挙で「与党・保守党が大勝する見通し」と報じられたことを受けて13日午前の欧州市場でドル・円は109円71銭まで一段高となった。<br/><br/>13日のニューヨーク外為市場でドル・円は、主に109円台半ばで推移した。12日に行われた英総選挙で与党・保守党が大勝し、来年1月末に英国が欧州連合(EU)から離脱することが確定的となったことや、米国と中国は通商協議の第1段階で合意し、追加関税の発動見送りで合意したことが正式発表されたことから、リスク選好の動きが観測された。ただ、この日発表された11月米小売売上高は市場予想を下回ったことから、利益確定を狙ったドル売りが観測されており、ドル上昇は一服。ドル・円は109円34銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:108円43銭−109円71銭。<br/><br/>【今週の見通し】<br/>■米金融政策を意識してドルは上げ渋る可能性も<br/><br/>今週のドル・円は上げ渋りか。米中通商協議の第1段階の貿易協定の原則合意を好感した円売りが先行しそうだ。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)は金利引き上げには慎重であり、現行の金融政策を長期間維持する可能性が高いとみられていることから、リスク選好的なドル買いが大きく広がる可能性は低いとみられる。<br/><br/>米トランプ政権は今月15日に予定していた対中追加関税の発動を見送ることを決めた。米中貿易摩擦の段階的な解消に向けた動きが好感され、リスク選好的なドル買い・円売りは継続する可能性がある。英総選挙で与党・保守党が過半数議席を獲得し、ブレグジットの混迷脱却を好感したポンド買い・円売りが観測されていることもドル高・円安の進行を促す要因となりそうだ。<br/><br/>ただ、FRBは2020年末まで長期間の金利据え置きを示唆している。将来的な利下げの可能性も消えていないことから、現時点でリスク選好的なドル買い・円売りがさらに拡大する可能性は低いとみられる。今週発表される7-9月期の米国内総生産(GDP)確報値は2%レベルの成長が見込まれるが、予想通りでもドル買い材料にはならないとみられる。<br/><br/>【米・12月フィラデルフィア連銀景況調査(製造業景気指数)】(19日発表予定)<br/>19日発表の米12月フィラデルフィア連銀景況調査(製造業景気指数)は8.5と、10月の10.4から鈍化が見込まれる。直近のISM製造業景況指数は50を下回る状況が続くなか、製造業の地合いの悪さが示されれば追加利下げへの思惑が広がりやすい。<br/><br/>【米・7-9月期国内総生産(GDP)確報値】(20日発表予定)<br/>20日発表の米7-9月期国内総生産(GDP)確報値は、前期比年率+2.1%程度の数字が予想されている。市場予想と一致すれば、リスク回避的なドル売りが広がる可能性は低いとみられる。<br/><br/>予想レンジ:108円50銭−110円50銭<br/><br/><br/>

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