NY為替市場のドル円は、李北朝鮮外相の発言「トランプ米大統領の発言は、米国の北朝鮮に対する宣戦布告ととらえ、北朝鮮はあらゆる対抗手段を正当にとることができる」を受けて、111.48円まで下落した。ユーロドルは、週末の選挙でメルケル独首相が率いる、キリスト教民主・社会同盟の議席が減ったことで1.1832ドルまで下落した。
本日の東京市場のドル円は、朝鮮半島の地政学リスクで伸び悩む展開を予想する。
安倍首相は、28日召集の臨時国会冒頭で衆院解散「国難突破解散」に踏み切る意向を表明し、衆議院選挙は10月10日に公示され22日に投開票が実施される。10月10日の公示日は、北朝鮮の朝鮮労働党創建72周年記念日となり、太平洋上で水爆実験を強行する可能性が警戒されている。さらに、李北朝鮮外相がトランプ米大統領の発言を「宣戦布告」と捉えていると警告したことで、予断を許せない状況が続く。投開票日は10月22日だが、20日は湾岸戦争が勃発した新月となり、奇襲攻撃の可能性に要警戒となる。
一方、安倍政権の経済対策への期待感や過去の解散・総選挙は株高要因であること、トランプ米政権が27日に発表予定の税制改革の中核的要素への期待感や、米議会での審議、採決が早まるとの期待感、日米金融政策のかい離はドル買い要因となる。
ドル売りオーダーは、現時点では、112.50-113.00円(113.00円:26日NYカットのオプション)、113.50円、113.80円、114.00円、ドル買いオーダーは、111.00-10円、110.90円に観測されている。111.50円には28・29日のNYカットのオプションが控えている。
ユーロドルは、10月26日の欧州中央銀行(ECB)理事会で資産購入縮小計画が公表される可能性から下げ渋る展開だが、期間再延長の選択肢が温存される可能性もあること、メルケル独連立政権の難航が警戒されていることで上値は限定的か。
ポンドドルは、イングランド銀行(BOE)の早期利上げ観測は買い要因だが、英国の格付け引き下げ、ブレグジット(英国の欧州連合からの離脱)の不透明感が払しょくされないこと、利上げが限定的になるとのカーニーBOE総裁発言などが上値を抑える構図となっている。

Euro vs US Dollar (FX:EURUSD)
FXチャート
から 4 2024 まで 5 2024 Euro vs US Dollarのチャートをもっと見るにはこちらをクリック
Euro vs US Dollar (FX:EURUSD)
FXチャート
から 5 2023 まで 5 2024 Euro vs US Dollarのチャートをもっと見るにはこちらをクリック