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S&P 500® 月例レポート(2013年1月配信)~苛立ち、不満、そして不安が渦を巻くなか、結果は2桁台のリターン~

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マーケット分析レポート

S&P500

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米政府からの最も明るいニュースと最も暗いニュースは12月に集中しました。財政の崖(フィスカル・クリフ)への懸念が市場の動きを支配、株価や市場のムードは政治絡みの発表に左右されました。厳密には、米国は一日だけ財政の崖から転落する形で2012年を終えたことになります。その後議会は一時しのぎの対策となり、大幅な歳出削減を2013年3月1日まで2ヶ月先送りにする法案を可決しました。歳出削減が実施されれば、一時解雇、消費者の買い控え、企業の設備投資の手控え、そして米国経済が再び不況に陥るという事態が予想されました。先送りは闘争の続行を意味しますが、市場はひとまず現実を受け止めました。その現実とは、相当良い結果に終わった2012年でした。2012年のS&P500のトータルリターンは16%となりました。S&P500を構成する全銘柄のうち78%が上昇しました。配当狙いの投資家は配当課税が3倍(15%から43.6%へ)になる可能性も覚悟していましたが、結局はわずか3割の上昇(20%へ)にとどまり、インカムゲイン狙いの投資家にとって利回りは依然として魅力的で競争力があります。「アッパークラス」(現在の定義では年収45万ドル以上)に対する税率は引き上げられたものの、これを嘆く者は少なく、せいぜい税理士が腕を鳴らしていたぐらいです。キャッシュフローが過去最高水準で、債務水準が管理可能な範囲にあり、現金保有高が過去最高水準にあることから、数々の企業が2012年に過去最高益の報告をすることが予想されます。先行き不安は今後も続くものの、企業は昨今の混乱をうまく乗り切るだろうと私はみています。アルコアを皮切りに(2012年第4四半期は黒字の見通し。前年第4四半期は赤字)、1月8日(火)の取引終了後に決算発表シーズンが正式に始まります。これにより投資家の焦点はワシントンの政治に比べて格段に理解しやすい企業業績という分野へと移るでしょう。

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出所:S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス 2012年12月31日現在。表は図示する目的のためだけのものです。過去の運用実績は将来の運用成果を保証するものではありません。この表は、仮説に基づく過去の実績を反映している可能性があります。

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出所:S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス 2012年12月31日現在。

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12月は、S&P 500を構成する全銘柄のうち333銘柄が上昇し(平均で4.70%上昇)、うち30銘柄は10%以上の上昇を遂げています。一方、167銘柄が下落し(平均で2.97%下落)、うち5銘柄が10%以上下落しました。政治色が強かった12月は、10セクターのうち5セクターが上昇しました。最終日は1.69%上昇し、12月のリターンは0.71%の上昇となりました。年間ベースで最も好調だったのが金融で、概ね改善傾向にある経済を反映して株価が反発したのを背景に月間で4.56%上昇、2012年のリターンは26.26%の上昇となりました。ところが5年間においては依然として43.47%の下落となっています。また、12月は素材と資本財・サービスも堅調だった一方、支出に関する懸念が広がるなか、生活必需品が2.54%下落しました。関連する話題で、12月の初めは好調な滑り出しとなったホリデー商戦ですが、フィスカル・クリフの議論が続くなか、下旬にかけては売上の伸びが鈍化しました。12月の市場の注目点の一つはインターコンチネンタル取引所がニューヨーク証券取引所を運営するNYSEユーロネクスト(NTX)(月間で35.1%上昇)の買収に合意したというニュースでした。また、興味深いことに、Darden Restaurants (DRI)(12月は14.8%下落、年間では1.2%下落)、Dollar General (DG)(12月は11.8%下落、年間では7.2%上昇)、Family Dollar Stores (FDO)(12月は10.9%下落、年間では10.0%上昇)など消費に敏感な銘柄が軟化しました。2012年は、390銘柄が上昇し(平均で22.95%上昇)、うち271銘柄は10%以上の上昇を遂げています。一方、107銘柄が下落し(平均で13.35%下落)、うち52銘柄が10%以上下落しました。公益事業は2.91%下落、年間で下落した唯一のセクターとなりました。S&P500は13.41%と力強く上昇し、トータルリターンは16.00%となりました。多事多難な年ではありましたが、リターンという観点からはその甲斐ある年でした。

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  出所:S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス 2012年12月31日現在。 

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投資家にとっての2012年と2013年に関する要点

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不平不満をさておき、2012年にS&P500のリターンが13.41%、分配金を再投資した場合のリターンが16.00%となったことを喜ぼうではありませんか。2012年も十分に不安定で苛立ち募るウォール街でしたが、2013年も増税と政府の歳出削減が経済に悪影響を及ぼし、政界のメロドラマが続くことで、不安定の度合いが増すことでしょう。投資家は自らのポジション、許容範囲、流動性を把握する必要があります。市場の乱高下を乗り切ることができない場合は、自らのポジションを再検討する必要があります。ジョン・メイナード・ケインズ「雇用・利子および貨幣の一般論」第12章に、先行き不透明な現在の状況にぴったりの言葉があります。

「そのうえ、投資家が市場の短期の変動を無視しようとするなら、安全のためにもっと多くの資産が必要になるし、やるとしても借入金でそれほど大きな売買をすべきではない」

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S&P500月例レポートでは、S&P500指数の値動きから米国マーケットの動向を解説します。市場全体のトレンドだけではなく、業種、さらには個別銘柄レベルでの分析を行い、米国マーケットの現状を掘り下げて説明します。
S&Pダウ・ジョーンズが提供する指数に関する詳細はこちらをご覧ください。
http://www.spindices.com/

S&P 500 月例レポート
執筆者

ハワード・シルバーブラット
S&P ダウ・ジョーンズ・
インデックス
シニア・インデックス・アナリスト
mailto:howard_silverblatt@spdji.com

本翻訳は、英文原本から参照用の目的でS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス(SPDJI)が作成したものです。
SPDJIは、翻訳が正確かつ完全であるよう努めましたが、その正確性ないし完全性につきこれを保証し表明するものではありません。英文原本についてはこちらをご参照ください。
HTTP://WWW.SPINDICES.COM/RESOURCE-CENTER/THOUGHT-LEADERSHIP/MARKET-COMMENTARY/
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コメント

  1. Celina より:

    If time is money you’ve made me a weiahtler woman.

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