この二カ国には多くの共通点がある事は前回のコラムで紹介しました。しかし、為替の変動要因という点においてはそれぞれの異なる経済背景から生じる興味深い相違点も多く見られます。それでは、まずは政治システムから見ていきましょう。
政治経済
オーストラリアでは過去数年に渡り、上院における議事進行妨害が原因となり、政府による構造改革が遂行されないまま時間が経過しました。2015年度の予算案は通過したものの、党首であるトニーアボット氏の求心力の低下から信任投票では61対39の僅差での勝利となり政権運営能力に対する疑問が残ります。 オーストラリアの与党は9月14日夜、党国会議員総会を開き、54対44の票差で党首の アボット首相を解任し、後任にマルコム・ターンブル氏を選出した。ターンブル氏が首相に就任することになった。2013年以来、これで4度目の首相交代となる。今年中に解散総選挙が行われないかぎり、ターンブル氏は11ヶ月間、首相の座につくことになるであろう。
一方、ニュージーランドは国民党党首であるジョン・キー氏による健全な政府運営の下、着実な経済成長を続けています。直近に発表された世界経済フォーラムのグローバル・コンペティティブネス・レポート(国際競争力報告)によると、世界で「最も効率的な政府」としてニュージーランドは144カ国中の第6位となっており、一方、オーストラリアは「政府規制の厳しさ」で144カ国中の第124位という結果となりました。
失業率
オーストラリアの失業率は求職者の増加を背景に2003年以来最大の6.4%まで上昇しました。一方、ニュージーランドの失業率は5.8%となっており、失業率を押し下げている幾つかの要因は、カンタベリーの再建に伴う建設事業の好転や、オークランドにおける不動産市場のブームが挙げられます。
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