<ひと目で分かる昨晩の動き>
【NY市場】
連休前の欧州市場で149円57銭まで買われたドル円は一旦下げ、148円97銭まで売られたが再び反発。149円48銭まで買われ、150円をうかがう展開が続く。
ユーロドルは引き続き1.07台で膠着状態。
株式市場はまちまちながら上昇傾向は続く。ダウは125ドル買われ最高値を更新。他の2指数は小幅安。
債券はほぼ横ばい。長期金利は4.17%台で推移。
金は3日続落。一方原油は小幅ながら6日続伸。依然として中東情勢が材料に。
1月財政収支 → -21.9b
ドル/円 148.97 ~ 149.48
ユーロ/ドル 1.0756 ~ 1.0785
ユーロ/円 160.43 ~ 161.06
NYダウ +125.69 → 38,797.38ドル
GOLD -5.70 → 2,033.00ドル
WTI +0.08 → 76.92ドル
米10年国債 +0.004 → 4.179%
【本日の注目イベント】
豪 豪2月ウエストパック消費者信頼感指数
豪 豪1月NAB企業景況感指数
中東 OPEC月報
独 独2月ZEW景気期待指数
英 英1月失業率
英 英ILO失業率(10-12月)
米 1月消費者物価指数
ドル円は底堅い動きが続いています。
連休前の9日の夕方には149円57銭を付ける場面もあり、昨日のNYでは148円97銭まで売られましたが、再び149円台を回復し、149円48銭までドル高が進みました。ユーロドルでもユーロが売られドル高は進んでいますが、ここしばらくは1.07台で推移しており、結局ドル円での円の弱さが目立ち、クロス円でも円安が進んでいます。先週も触れましたが、FRBの利下げ開始のタイミングの遅れと、日銀の政策修正観測が後退していることが背景ですが、足元の株価の上昇に、「リスク選好」の流れが根底にあることも円売りに拍車を掛けている可能性があります。日米で株価が極めて堅調に推移しており、日本のNISAを通じた米国株への資金流入も無視できない規模になっている可能性があります。
バイデン大統領は11日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談を行い、パレスチナ自治区ガザ南部にあるラファについて、「市民の安全と支援に向けた、信頼できる実行可能な計画がなければ、軍事作戦を進めるべきではない」と述べ、これまでよりも強い言葉で警告しましたが、ネタニヤフ氏からは明確な返答はなかった模様です。同氏は、これに先だち米ABCの番組で、「市民はガザ地区の北部に移動すべき」と述べると同時に、「ラファでイスラム組織ハマスの残りの勢力を攻撃する」とも述べています。ラファには100万人を超えるパレスチナ人が避難しており、今回の攻撃でもすでに多くの市民が犠牲になっています。ネタニヤフ氏の強硬な姿勢に対して、日増しに非難の声が高まっています。
トランプ氏の発言が再び耳目を集めています。トランプ氏は10日の集会で、「大統領在任中にNATO加盟国首脳から、(国防費)を支払わずにロシアから攻撃されたら我々を守ってくれるのか」と問われ、「守らない」と答えています。トランプ氏は自国の国防費をGDP比2%以上にする目標が未達の加盟国を念頭に「ロシアが望むことを何でもするよう奨励する」と語っています。(日経新聞)これに対して共和党の大統領候補を目指しているヘイリー氏は、「NATOにもっと負担してもらいたいのは当然だが、一番やってはいけないのは凶悪人物の味方をすることだ。プーチン氏が敵対する人を殺すことを忘れてはならない」と非難し「トランプ氏が同盟国よりもプーチン氏の肩を持つのは間違っている」と話しています。
ボウマンFRB理事は12日、テキサス州でのイベントで、景気が現状で維持する限り、政策金利は適切な水準にあると考える。利下げの時期や幅について語るのは時期尚早だ。当面は利下げが適切だとはみていない」と、改めて早期の利下げはないとの考えを述べています。また、リッチモンド連銀のバーキン総裁も12日のイベントで、「インフレ圧力が続くという現実的なリスクはあると思う。この段階で勝利を宣言するのはかなり大胆に思える」と語り、「13日に発表される最新のインフレデータを検証するつもりだ」と話しています。3月会合での利下げの可性はほぼないと思いますが、明日のCPIの結果次第では5月会合での利下げ観測が急速に高まる可能性はあります。
ドル円は節目の150円に向っていると見られますが、やはりこの水準から上方は介入警戒感もあり、そう簡単には突破できるものではなく、2次攻撃、3次攻撃が必要ということでしょう。上でも述べた2つの大きな変動要因が、この先どのように変わって来るのかがポイントになります。
本日のドル円は148円50銭~150円程度を予想します。