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ドル円続落し110円台前半に

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<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
ドル円は株価の大幅下落と長期金利の低下を手掛かりに続落。一時は110円17銭まで売られ、約1カ月半ぶりの円高を記録。米中通商協議への懸念が広がる。

ユーロドルは小幅に続落。欧州委員会が2019年のユーロ圏成長見通しを引下げたことでユーロ売りが優勢となり、1.1167まで下落。

株式市場は大幅に続落。米中通商協議に対する楽観的な見方が後退し、中国関連銘柄を中心に売られる。ダウは473ドル下げ、ナスダックも159ポイント安で、8000の大台を割り込む。

リスク回避の流れが急速に強まり債券価格は上昇。長期金利はさらに低下し2.45%台に。

金は3日続伸し1285ドル台に。原油は反落。

3月消費者信用残高    →  102.8億ドル

ドル/円 110.17  ~110.67

ユーロ/ドル 1.1167 ~ 1.1194

ユーロ/円 123.11   ~ 123.82

NYダウ  -473.39   → 25,965.09ドル

GOLD   +1.80  → 1,285.60ドル

WTI  -0.85 → 61.40ドル

米10年国債  -0.013 → 2.457%

【本日の注目イベント】
日  日銀金融政策決定会合、議事要旨(3月14日、15日分)
日  4月マネタリーベース
中  4月貿易統計
独  3月鉱工業生産
英  4月小売売上高
加  4月住宅着工件数

ドル円はNY市場でさらに売られ110円17銭までドル安が進みました。110円台割れは回避できたものの、米中通商協議に対する楽観的な見方が急速に後退し、場合によっては10日に中国製品に対する25%の関税適用もあり得るのではとの観測が広がっています。

前日は朝型から大きく値下がりした米株式市場でしたが、楽観的な見方に支えられ、引けにかけては大きく下げ幅を縮小しました。昨日は全くその気配もなくダウは一時600ドルほど下げる場面もありました。引き値では2万6000ドルの大台を割り込み、ナスダックも8000の大台を割り込み、ほぼ全面安です。このため、恐怖指数と言われる「VIX指数」も節目の「20」を超える場面もあり、リスク回避から安全資産の債券が買われています。

ドル円の急落は前日からその兆候を見せていましたが、昨日はユーロ円など、クロス円の売りもドル円の下落に一役かったようです。欧州委員会は2019年のユーロ圏の経済見通しを発表し、前回の1.3%から1.2%に下方修正し、さらにドイツの成長見通しも前回の1.1%から0.5%と、大幅に下方修正しています。この発表を受けユーロドルは1.11台半ばまで売られ、ドル高が進みました。ドル円ではドル安が進み、円とドルが買われユーロが売られたことでユーロ円は123円11銭前後まで下落し、今年1月4日以来となるユーロ安水準を付けました。見通しを発表した欧州委員会は、米中貿易摩擦をその理由の一つに挙げています。

今回の関税引き上げ問題は「トランプ・ショック」とでも言えそうです。本日は米国株の大幅な下げで、昨日に引き続き日本株も大きく売られそうです。ドル円が110円台を明確に割り込むと市場のムードも変わり、ドルに強気な市場関係者の相場観も修正を余儀なくされます。これで新元号「令和」への祝賀ムードも、金融市場に関する限り吹き飛んでしまいそうな雰囲気になります。

中国製品2000億ドル(約22兆1300億円)に対する25%の関税引き上げはトランプ大統領のツイートで幕開けとなりましたが、その後6日にはライトハイザーUSTR代表も同じことを口にしています。昨日は中国の新聞「環球時報」も社説で、「中国は協議の一時的な中断を含めて、他に想定される結果に十分備えている」と報道したことで、交渉決裂への連想も浮上し、ドル円が売られ、株価の下落につながりました。「環球時報」はさらに、「協議が失敗しても、中国への影響は管理可能だろう」とも述べており、仮に関税が25%へ引き上げられても、中国景気への影響は軽微だとしています。このような一連の動きが、「25%への関税引き上げ」が単なる脅しではないといった見方につながったものと思われます。

予定では明日からワシントンで米中協議が再開されるようですが、今回の協議は時間も限られており、これが最後の交渉ということになりそうです。これまでトランプ大統領は交渉期限を決めながらも、何度か延期してきました。今回は2020年の大統領選が近いということもあり、やや状況が異なるかもしれません。このまま進展がなければ、25%への関税引き上げは米国東部時間10日の午前0時1分に発動されることになりそうです。

本日は110円を挟んでの攻防が予想されます。このまま110円を割らずに110円台半ばまで反発すればやや状況が変わる可能性もありますが、日本株がどこまで売られるのかにも関わってきます。一にも二にも、明日からの米中協議次第です。本日のドル円は109円80銭~110円80銭と予想しますが、どうでしょうか。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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