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ユーロ円キプロス問題で早朝に急落

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<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
ドル円は株式市場が下落に転じたことと、NY連銀製造業景況指数などが予想を下回ったことで下落。また週末でポジション調整の動きなども膨らみ下値の節目と見られていた95円台半ばを割り込む。一時95円08銭まで下落し、95円20-30銭で引ける。

ユーロドルも下落。1.31台に乗せた後、ユーロ円の売りなどにも押され1.30台半ばで引ける。

株式市場は反落。経済指標の悪化を受けダウは11日振りに下落。

株安から債券相場は上昇。10年債利回りは2%を割り込む。

金、原油価格は続伸。

3月NY連銀製造業景況指数 → 9.24
2月消費者物価指数 → +0.2%
2月鉱工業生産 → +0.7%
3月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値) → 71.8

ドル/円95.08 ~ 96.15
ユーロ/ドル1.3046 ~ 1.3107
ユーロ/円124.21 ~ 125.78
NYダウ-25.03 → 14,514.11ドル
GOLD+1.90 → 1,592.60ドル
WTI+0.42 → 93.45ドル
米10年国債-0.047 → 1.990%

【本日の注目イベント】
中   中国2月不動産投資
欧   ユーロ圏1月貿易収支
米   3月NAHB住宅市場指数

NYダウは11日振りに反落し、やや「リスクオン」が後退したことから債券が上昇。その結果、米長期金利が2%を割り込み、円が買い戻される展開になっています。連日史上最高値を更新して来たNYダウがさすがに一服という状況で、小幅ながら下落しましたが、注目すべきは今週の動きでしょう。「リスクオン」の流れは変わっていないと思われますが、上昇が急激だったこともあり、「調整」が長引くことも考えられます。

明日からFOMCが開かれ、ここで「出口戦略」が活発に議論されるようだと株式市場にも影響が出て「利益確定」の売りが先行するかもしれません。株価がさらに下落すれば、やや上昇傾向の米長期金利にも下落圧力がかかり、ドル円では円買いが優勢になってくる可能性もあります。

ドル円は95円台半ば~96円台半ばのレンジを下へ抜けてきました。「日足」のチャートを確認しておくと、一目均衡表の「転換線」と「基準線」はまだ上昇パターンを崩してはいません。ここから判断できるのは、基本的な流れは変わっていないということです。ただ、週明けの本日早朝には参加者が少ない中、ドル円は93円台半ばまで円が急騰し、先週末のNY市場の引け値から大きく「窓を開け」、取引が開始されました。キプロスの銀行預金への課税という前例のない措置で同国の経済計画が妨げられ、欧州債務危機が改めて意識されたことが背景です。その結果ユーロドル、ユーロ円が大きく下落し、円が買い戻される展開になっています。

短期的な値動きを示す「1時間足」では上記「転換線」と「基準線」が逆転を起こし、下落基調を見せています。現在94円台後半で取引されていますが、この水準は約10日ぶりです。ドル円の押し目を待っていた投資家がどの程度買って来るのかが今日のポイントになりそうです。本格的にドルを買ってくるようだと、95円台まで押し上げられ「元の鞘」に戻る可能性があると考えられますが、上記キプロスの信用不安はまだ欧米市場では消化されていないため、アジア市場だけの反応で全体を判断するのはやや危険です。

またNYダウが11日振りに反落したことで、本日の東京株式市場の動きも注目されます。利益確定の売りに押され、大幅に下落するようだと、今夜の海外市場にも影響が及ぶことにもになります。安倍晋三首相は、先週正式に「TPP交渉への参加」を表明しました。賛否両論がある中、「国家100年の計」と判断し参加に踏み切ったわけです。日銀正副総裁人事に強く関与し、円高是正を実現し、さらに長期にわたって低迷していた日本の株式市場にも資金が流れ出し、上昇してきました。さらにサラリーマンの給料が上がることも現実的になっています。昨日の自民党大会でも安倍総理自身が「いま確実に景気は回復しつつある」と述べていたように、デパートなどに行くとこれまでよりも賑わっているのが実感できます。

アベノミクスの効果が好循環を見せていると言えます。国民の4人に3人が安倍政権を支持すると答えている状況下では、今夏の参院選でも「圧勝」するのではないかと個人的には予想しています。そうなると現在の「ねじれ国会」は解消され、さらにアベノミクスを推進し易い状況になると考えられます。現在の「円安、株高」の流れは変わらないと見ていますが、それでも小幅な調整は何度も経験することにもなります。大きな流れの中に日々の取引をどう取り込んでいくか、なかなか難しい問題です。

本日はユーロ円を中心に大きな値動きが予想されます。ドル円は94円30銭~95円60銭程度と予想しています。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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