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ドル円10日振りに94円台回復

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<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
ADP雇用者数が市場予想を大幅に上回り、今週末の雇用統計への期待が高まったことから、ドル買い円売りが加速。ドル円は約10日振りに94円台に乗せる。米長期金利の上昇も円売りに拍車をかけ、この日のドル高値水準で引ける。

ユーロドルが下落。米景気回復を示す経済指標にドルが買われ、ユーロドルは約3ヵ月振りとなる1.29台半ばまで下落。ドル円では円安が進んだため、ユーロ円は上値を切り上げ122円台に。

株価は続伸。雇用改善を手掛かりにダウは連日の最高値更新。ただ、ハイテク関連銘柄の多いナスダックは小幅に反落。

債券相場は3日続落。株価の上昇が続き「リスクオン」が進んだことで債券には売りものが集中。10年債利回りは2月24日以来の1.94%台乗せ。

金は前日と変わらず。原油価格は小幅ながら反落。

2月ADP雇用者数 → +19.8万人

ドル/円93.41 ~ 94.11
ユーロ/ドル1.2965 ~ 1.3041
ユーロ/円121.65 ~ 122.27
NYダウ+42.47 → 14,296.24ドル
GOLD±0 → 1,574.90ドル
WTI-0.39 → 90.43ドル
米10年国債+0.047→ 1.943%

【本日の注目イベント】
豪   豪1月貿易収支
日   1月景気動向指数
日   白川・日銀総裁記者会見
欧   ECB政策金利発表
欧   ドラギ・ECB総裁記者会見
欧   バローゾ・欧州委員長講演
英   BOE政策金利発表
米   新規失業保険申請件数
米   1月貿易収支
米   1月消費者信用残高
米   FRB、金融機関のストレステストの結果公表
加   カナダ1月住宅建設許可

ドル円はあの「イタリアショック」で90円85銭まで急落して以来の94円台回復です。このところ株価との相関度が低下し、株価が上昇しても円は売られず、時には買われる展開が続いていました。昨日も、前日NYダウが史上最高値を更新したことで、日経平均株価は寄りつきから上昇して始まりましたが、株価が一段と上昇してもドル円は円高方向に振れました。93円まで下落したドル円でしたが、そこからは株価がさらに上昇したことで若干円安に傾きましたが、明らかに株価との連動性がかい離していました。

株価との連動性を再び強めたのは海外市場が参入してからです。特にNY市場では、ADP雇用者数が事前予想を上回り、明日の雇用統計にも期待が高まり、さらにベージュブックでは「米景気は緩やかなペースで成長している」ことが確認されたことでダウ平均が連日の高値を更新しました。1.8%台で安定していた米長期金利も、約10日振りに1.94%台まで上昇し、これがドル買い円売りを誘ったものと思われます。ドル円はNY市場で94円11銭まで上昇しています。

ドル円はこれまでに、94円台半ばから上値を3回試し押し戻されています。そのため、一部には「ドル円は目先95円近辺が天井」といった相場観も出ており、これがドルの上値を重くし、昨日の朝方のように大量のドル売りを誘い出す原因であったようにも思います。
昨日もこの欄で述べましたが、日本サイドからの円売り材料は出尽くした感があり、円が再び売り込まれるとしたら米国サイドからのドル高材料で、その結果円が売られる展開を予想しました。

昨日のNY市場の動きは正にドル買い材料のオンパレードでした。2月のADP雇用者数は19万8000人の増加で、市場予想の17万人を2万8000人上回ったことになります。さらに1月分についても21万5000人に上方修正されました。部門別では建設部門が2万1000人増加し、米住宅市場の回復がここでも確認できます。住宅市場についてはベージュブックでも「居住用不動産市場はほぼ全ての地区で力強さが増した。ほぼ全国的に、住宅は在庫が減る中で価格が上昇した」と報告されており、住宅市場の回復が個人消費を中心に米景気に好影響を与えている構図が鮮明になっていることも確認されています。

さて、ドル円は「4度目の正直」で94円台半ばを上抜けできるかどうかが焦点です。上値の重さが意識されることから、94円台ではドル売り意欲も根強いと予想されます。大量のドル売りを吸収するにはそれなりの材料とパワーが必要です。好材料なのは米長期金利が再び1.94%台まで上昇していることです。株価が連日上値追いを見せていることから、市場は「リスクオン」が再び勢いを見せる気配もあります。また、94円半ばからはかなりの量のドル売り注文があると予想されますが、逆に95円台に乗せれば「ストップ」のドル買いもありそうです。そのような状況になれば、市場の雰囲気も一変し、「100円を目指す」といった声も聞かれそうです。94円台半ばから95円は、そういった意味でも重要な水準で、100円も目指すには超えなければならないハードルとも言えます。

NYダウが連日の最高値更新を見せたことで、本日の日経平均株価も上昇すると見られ、1万2000円台を回復するのではないかと予想しています。その際、再び株価との相関を強め「円安株高」が戻って来るかどうかも注目すべき点です。東京市場では実需も含めドル売り意欲が強いため、94円台半ばを簡単に抜いて来るとも思えません。できれば94円台を維持しながら海外市場のオープンを待つ展開になれば、昨日の様に上値を抜いてくる可能性はあるのではないでしょうか。

テクニカルを確信しておくと、「日足」では、一時90円台を付けたことで一目均衡表の「転換線」が「基準線」に急接近していましたが、再び拡大傾向を見せています。「転換線」が「基準線」を上から下へ割り込むと相場のトレンドが変わり易いことはよく知られています。昨年11月下旬にも同じ様なパターンがあり、結局両線は交わることなく、その後急速にドル高に振れたことはご承知の通りです。予想レンジである92-94円台の「上限」に近いレベルですが、やはり抜けるとすれば本命は明日の「雇用統計」ではないかとみています。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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