NY外国為替市場でドル円は、米中貿易摩擦の激化・長期化への懸念が急速に高まりダウ平均が440ドル超下落すると、投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが優勢となった。
5月の米製造業・サービス部門PMI速報値が予想を下回ったほか、4月米新築住宅販売件数が予想より弱い内容となったことも円買い・ドル売りを誘った。米10年債利回りが2017年10月中旬以来の低水準を付けたことも相場の重しとなり、109.46円と日通し安値を付けた。
ユーロドルは、ユーロクロスの下落につれた売りが先行し一時1.1107ドルと17年5月19日以来約2年ぶりの安値を付けたものの、低調な米経済指標を受けて米長期金利が低下すると一時1.1188ドルまで上値を伸ばした。
ポンドドルは、一時1.2606ドルと1月3日以来約4カ月半ぶりの安値を更新した。ただ、この日発表の米経済指標が軒並み予想を下回ったことで米長期金利が低下したことで、ドルが主要通貨に対して売られ、ポンドは上昇に転じた。
英首相報道官が「メイ首相が声明を出す予定はない」と述べ、辞任報道を否定したことも買い戻しを誘い一時1.2684ドルと日通し高値を付けた。
本日の東京市場のドル円は、日経平均の続落が予想されることで上値は限られるか。CME225先物は大阪取引所比で240円下落して引けていることで、本日は3桁の大幅下落は想定済みだが、それ以上に株価が弱まった場合はドル円の重しとなるだろう。
米中貿易戦争に関しては泥沼化している。引き続きトランプ米大統領のツイッター、米中の報道などで上下する可能性がある。
仮に米大統領が通商交渉に対してポジティブな発言をした場合も、一瞬の買い戻し材料になるだろうが、トレンドが変わるほどドルが買われるかは難しいだろう。すでに両国とも貿易戦争というよりも、両国の覇権争いにまで発展していることで、安易な妥協をすることは両国とも考えにくい。
本日は本邦の4月全国消費者物価指数(CPI)が発表されるが、市場が反応するのは難しいか。ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は本日来日し、茂木経済再生相と会談する予定となっている。
しかし、日米通商交渉の進展が表面化するのは、日本の参議院選挙明けと思われる。また明日25日にトランプ米大統領が国賓として来日し、28日まで滞在予定。なお、米債券市場はメモリアルデーの前営業日のため短縮取引になる。
ドル円以外では、欧州通貨の動きには引き続き警戒したい。昨日から欧州議会選挙がはじまったが、本日はアイルランドの選挙が行われる。
そして26日には最大議席数を保有するドイツ、極右政党「国民連合」が優勢なフランス、ポピュリスト政権のイタリアなど、多くの国での投票が行われる。特に市場予想よりも大衆迎合主義的な正統が躍進した場合は、週明けに大相場になる可能性も高いだろう。

Euro vs US Dollar (FX:EURUSD)
FXチャート
から 3 2024 まで 4 2024 Euro vs US Dollarのチャートをもっと見るにはこちらをクリック
Euro vs US Dollar (FX:EURUSD)
FXチャート
から 4 2023 まで 4 2024 Euro vs US Dollarのチャートをもっと見るにはこちらをクリック