NYタイムのドル円は、トランプ米大統領と安倍首相の共同記者会見を控えて107円前半で小動きだった。ポンドドルは、英3月消費者物価指数が市場予想を下回ったことで1.4174ドルまで下落、ポンド円は152.07円まで下落した。ユーロドルは1.2342ドルまで下落した後、イランが取引通貨をドルからユーロに切り替えるという報道で1.2397ドルまで切り返した。
本日の東京市場のドル円は、トランプ大統領と安倍首相の日米首脳会談で、日米貿易不均衡是正への言及が強いものではなかったことで下げ渋る展開を予想する。
日米首脳会談の共同会見では、トランプ大統領は「日米の貿易不均衡を削減し、米国の輸出拡大に努力する」と述べるに留まった。安倍首相は「自由で公正な貿易のための協議開始でトランプ米大統領と合意」と述べており、日米貿易不均衡是正は、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表と茂木経済財政相の通商協議に委ねられることになった。
日本側の要求事項だったアルミニウム・鉄鋼の輸入関税対象国からの除外や、環太平洋連携協定(TPP)への復帰の可能性に言及がなかったことは円買い要因だが、為替条項付きの日米自由貿易協定(FTA)の締結への言及がなかったことは円売り要因といえる。
日米通商協議での貿易不均衡是正圧力への警戒感から、ドル円が上昇トレンドに戻る可能性が高まったとはいえず、ドル円の上値は限定的か。
先週13日に公表された米為替報告書では、従来までの「実質実効レート」に加えて「名目レート」でも円安と言及されたことも懸念材料となる。
ドル売りオーダーは、現時点では107.40-50円、107.70-8.00円(上抜けるとストップロス買い)、109.00円、ドル買いオーダーは、106.80円(割り込むとストップロス売り)、106.50-60円、106.00円に観測されている。
ユーロドルは、欧州中央銀行(ECB)の年内の金融政策正常化観測や来月のECB理事会でのフォワードガイダンス変更観測、イランの取引通貨のユーロへの転換報道を受けて堅調推移が予想されるものの、欧州とロシアとの対立緊迫化、ユーロ圏のインフレ鈍化、イタリアのハングパーラメント、反欧州連合(EU)政権の樹立懸念などから上値は限定的か。

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