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WTI原油価格、中東情勢の悪化で85ドル台に

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<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
ドル円は東京時間に151円80銭まで買われたが、依然として介入警戒感から一段の上昇は見られず。NYでは米金利は上昇したが151円46銭まで下落。

ユーロドルは小幅に反発したが1.07台で推移。

株式市場は3指数が下落。ダウは一時500ドル下げ、引け値では396ドル安。テスラの下落が大きく、相場の下げをけん引。

債券は続落。長期金利は4.34%台まで上昇。

金は6日続伸し、連日で最高値を更新。原油価格も中東情勢の緊張からおよそ5カ月ぶりに85ドル台まで上昇。

2月雇用動態調査(JOLTS)求人件数    →  875.6千件

2月耐久財受注屋               →  1.3%

2月製造業受注                →  0.3%

3月自動車販売台数              →  1549万台

ドル/円  151.46 ~ 151.71

ユーロ/ドル 1.0746 ~ 1.0779

ユーロ/円  162.82 ~ 163.33

NYダウ   -396.61 → 39,170.24ドル

GOLD  +24.70 → 2,281.80ドル

WTI   +1.44 → 85.15ドル

米10年国債 +0.040 → 4.349%

【本日の注目イベント】
中 3月財新サービス業PMI
中 3月財新総合PMI
欧 ユーロ圏3月消費者物価指数(速報値)
欧 ユーロ圏2月失業率
米 3月ADP雇用者数
米 3月S&Pグローバルサービス業PMI(改定値)
米 3月S&Pグローバル総合PMI(改定値)
米 3月ISM非製造業景況指数
米 グールズビー・シカゴ連銀総裁、開会の挨拶
米 パウエル・FRB議長講演
米 ボウマン・FRB理事講演
米 バー・FRB副議長講演
米 クーグラー・FRB理事講演
米 グールズビー・シカゴ連銀総裁、イベント開会の挨拶

イスラエルが在シリアイラン大使館を空爆したことで、中東情勢が一段と不透明になり、NY原油先物市場では原油価格が一時85ドル46セントまで買われ、およそ5カ月ぶりの高水準を付けました。WTI原油価格は他の原油価格のベンチマーク的な位置付けであることから、中東ドバイ原油や、北海原油の価格にも影響を与え、ほぼ全量を輸入に頼っている日本にとってはドル需要が増加することで「円安材料」と見られます。原油に加え、金価格も上昇が止まりません。昨日は一時2300ドルに迫る水準まで買われ、これで6日続伸しています。上記中東情勢を含む地政学的リスクの高まりから、「安全資産」の金に資金が流れているようです。特に中国では不動産バブル崩壊の影響もあり、富裕層を中心に金を求める動きが加速しているとの報告もあります。欧米が今後利下げに向うことも金にとっては追い風となっています。

その米国の利下げを巡り昨日は2人のFOMCメンバーの発言があり、今年3回の利下げを予定しているものの急ぐ必要はないとの認識を示しました。サンフランシスコ連銀のデーリー総裁はネバダ州で開かれたイベントで、「成長は好調なので、金利を調整する緊急性はない。これは非常に合理的な基本シナリオだと思う」と発言しています。また、クリーブランド連銀のメスター総裁も別のイベントで、「利下げを開始する前にインフレが鈍化しているというさらなる証拠を目にしたい。今年は3回の利下げが適切になる可能性が高いが、それより少ない回数が必要になるのかどうかは五分五分だ」と述べています。両総裁は今年のFOMCでの投票権を持っていますが、現時点ではアトランタ連銀のポスティック総裁ほど「タカ派寄り」ではないようです。昨日発表された2月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数も「875.6万件」と、ほぼ横ばいながら市場予想は上回り、労働市場の底堅さを示唆していました。

昨日、事前に予想されていなかったバイデン大統領と習近平国家主席の電話会談がありました。電話会談には慎重な調整が施され、両国とも声明で「率直で建設的な話し合い」だったと評価しています。米中は相互に深い懸念を持ちながらも、AIや軍事面での協力、気候問題、違法薬物の流通阻止などが話し合われたようで、会談は周到に準備されていた(ブルームバーグ)ようです。

米テスラの1-3月期納車台数が38万6810台と、事前予想を大きく下回り、同社株は一時7%近く売られました。中国BYDやNIOに追撃を受け、両社に比べ価格の高いテスラ製EVは売れ行きが急激に減少しているようです。中国での販売はもとより本拠地米国での売れ行きにも黄信号が点灯しています。自動車専門家の中には、「テスラは終わった」と論じる向きもありますが、中国BYDの1-3月期の世界販売台数が30万114台であったことから、世界で最も売れているEVメーカーとしての地位を奪回したようです。ただ、中国のスマートフォンメーカーである「シュオミ」もEVに参入しており、すでにフル充電で走行距離が800キロ可能な「SU7MAX」は価格も640万円程度で販売されています。「総合的なコスパ」ではテスラ車を大きく上回っており、今後はテスラの脅威となりそうです。余程革新的な価格設定を提示しない限り苦戦は続くと見られます。

本日もパウエル議長を含め6人のFOMCメンバーの発言が予定されています。
またADP雇用者数も発表され、151円台でもみ合っているドル円も結果次第では動きそうです。予想レンジは150円50銭~152円30銭程度でしょうか。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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