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米10月の雇用統計は強弱まちまち

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<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
ドル円は雇用統計の結果を受け下落。発表直後はドルが買われる場面もあったが、その後じり安が続き146円56銭まで下落。

ユーロドルも0.97台半ばまで下げた後反発。0.9967までユーロの買い戻しが進む。

株式市場は3指数が上昇。12月に利上げペースを見直すとの見方が支えに。ダウは401ドル上昇。

債券は小幅に下落。長期金利は4.15%台へと若干上昇。

金と原油は揃って大幅に反発。原油価格は92ドル台後半まで買われ、およそ1カ月ぶりの高値を付ける。

10月失業率          →   3.7%

10月非農業部門雇用者数   →  26.1万人

10月平均時給 (前月比)   →  0.4%

10月平均時給 (前年比)   →  4.7%

10月労働参加率        →  62.2%

ドル/円  146.56 ~ 148.23

ユーロ/ドル 0.9750 ~ 0.9967

ユーロ/円  144.37 ~ 146.14

NYダウ +401.97 → 32,403.20ドル

GOLD +45.70 → 1,676.60ドル

WTI  +4.44   → 92.61ドル

米10年国債  +0.011 → 4.158%

【本日の注目イベント】
中   中国 10月貿易統計
中   中国10月外貨準備高
独   独9月鉱工業生産
欧  ラガルド・ECB総裁講演
米   9月消費者信用残高
米   コリンズ・ボストン連銀総裁講演
米   メスター・クリーブランド連銀総裁講演

前日のFOMCに次いで注目されていた10月の雇用統計では強弱まちまちの結果が示され、判断の難しい内容でした。非農業部門雇用者数は「26.1万人の増加」と、前月とほぼ変わらない結果となり、市場予想の「19万3000人の増加」を大きく上回りました。また、9月分も「26万3000人の増加」から「31万5000人の増加」へと上方修正され、ドル円は発表直後に148円23銭まで買われています。ただ、その後は失業率が「3.7%」と、市場予想の「3.5%」より悪化していたことで、ドル売りが強まり、ドル円は146円台半ばまで下落しています。

今回の雇用統計では強弱まちまちの結果が示されましたが、依然として米労働市場では堅調な拡大が続いているといった印象です。就業者数の増加ペースは新型コロナウイルスからの回復時には及ばないものの、高水準を維持しています。FRBは今年3月にそれまでの金融緩和策から大きく舵を切り直し、利上げを開始しましたが、その3月以降の雇用者数でも平均すると30万人を大きく上回っています。平均賃金も年率で「4.7%」と増加しており、人手不足による高賃金と雇用の増加は米国のGDPの7割を占める個人消費を押し上げる効果があります。今回の雇用統計は、「速いペースでの利上げや景気見通し悪化にもかかわらず労働者に対する需要が引き続き強いことを示唆しており、個人消費を支えることで、インフレ鎮静化を目指す金融当局の取り組みを一層困難にさせ、この先何カ月にもわたり断固とした引き締めを継続することが示唆される」とブルームバーグは論じています。

リッチモンド連銀のバーキン総裁は4日、雇用統計の結果を受け、「労働市場はタイトな状況が続いており、それは一段の行動をまだ要することを意味する。インフレを目標に戻すために金利に関して何でもやる必要がある」と述べ、「米金利が最終的に5%を超えることは十分あり得る」と語っています。また、ブルームバーグ・テレビジョンの寄稿者でもあるサマーズ元財務長官は、「米経済が依然として力強いため、FRBがインフレ抑制のため政策金利を6%以上に引き上げる必要性が生じる恐れがある」と、現時点ではかなり「超タカ派的」な発言を行っています。サマーズ氏は、「私はターミナルレートの可能性を巡る見通しを上方修正している」と続け、「私がそう予想しているわけではないが、ターミナルレートが6%以上になっても驚かないだろう」と述べています。サマーズ氏の発言はやや現実離れしている気もしないではないですが、ただ、これだけ急激に金利を引き上げているにもかかわらず今後もインフレ鎮静化の兆しが見えないとすれば、6%のターミナルレートも「全く空想」だとは言い切れないのかもしれません。仮にこのストーリーが正しいとすれば、ドル円はいったいどこまで上昇するのか予想もつきません。

先週のFOMCで、4会合連続で0.75ポイントの利上げを決めたことで、フェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標レンジは現在3.75%-4.0%です。12月会合での利上げ幅は現在0.5ポイントがコンセンサスとなっていますが、ターミナルレートを5%とすれば、来年会合でも0.5ポイント引き上げれば5%に到達します。12月会合での利上げペースの縮小議論を開始する可能性も残していることを考えれば、サマーズ氏の見方は「真逆」になります。こうなると、さらに関心を集めるのが10月の消費者物価指数(CPI)です。今週10日(木)に発表されますが、予想では総合CPIが「7.9%」と、9月の「8.2%」よりは上昇率が鈍化していると見られています。また、コアCPIも「6.5%」と、9月よりは鈍化の予想です。今週はCPI以外にも8日(火)には米中間選挙があり、相場が引き続き荒っぽい動きを見せる可能性も十分あり、引き続き慎重に取引きをする必要があります。

本日のドル円は145円70銭~147円70銭程度を予想します。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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