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英国のEU離脱再び混乱か?

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<ひと目で分かる昨晩の動き> 

【NY市場】

◆ドル円は米住宅関連指標の上振れを材料に買われたが、
109円62銭止まり。その後は英国のEU離脱に伴うリスクが
意識され、109円44銭まで売られる。
◆ユーロドルは引き続き1.11台半ばを中心のもみ合いに。
◆株式市場は小幅ながら続伸し、3主要指数は揃って連日の
高値更新。米中貿易を巡る第1段階合意の熱は冷めたものの、
買い優勢の流れが続く。
◆債券相場は横ばい。長期金利はやや上昇。
◆金はほぼ変わらず。原油は4日続伸し一時は61ドル台に
乗せる。引け値は73セント高の60.94ドル

◆11月住宅着工件数    →  136.5万件
◆11月建設許可件数    →  148.2万件
◆11月鉱工業生産     →  1.1%
◆11月設備稼働率     →  77.3%
ドル/円 109.44 ~ 109.62
ユーロ/ドル 1.1145 ~ 1.1171
ユーロ/円  122.04 ~ 122.46
NYダウ  +31.27 → 28,267.16ドル
GOLD   +0.10  → 1,480.60ドル
WTI  +0.73 → 60.94ドル
米10年国債 +0.004  → 1.877%
【本日の注目イベント】

◆日   11月貿易収支
◆独   独12月ifo景況感指数
◆独   独11月生産者物価指数
◆欧   ユーロ圏11月消費者信頼感(改定値)
◆欧     ラガルド・ECB総裁講演
◆英   英11月消費者物価指数
◆米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演
◆加   カナダ11月消費者物価指数

ドル円と株式市場との相関関係がさらに低下しているように思います。
先週末の米中貿易協議第一段階合意の報道に、ドル円も株式、債券市場も大きく
反応しましたが、ドル円はその後直ぐに方向感をなくし、堅調に推移しながらも
その影響はもはや見られません。一方株式市場の方はと言うと、昨日も米主要3
指数は揃って上昇し、熱は冷めたようですが、
上昇基調を維持し連日の高値更新です。潤沢な緩和マネーがその理由とは言え、
株価の動きは
突出しています。このままの状況が続くと、ひょっとしてナスダック指数は年内
にも初の「9000」に届くかもしれません。

また日本株も、日経平均株価が2万4000円の大台を回復しており、遅ればせ
ながら、世界同時株高の流れには乗っています。
ドル円は水準を切り上げたものの、109円台半ば近辺で一進一退が続いており、
110円を試そうとする動きさえも見えない展開です。
このまま109円台を維持できるのかどうかに注目していますが、それが維持で
きるなら110円台回復という「クリスマスプレゼント」があるかもしれません。
もっとも、クリスマスには間に合わず、「お年玉」ということもないとは言えま
せんが・・・。

トランプ大統領はツイートで、「連邦準備制度が金利をさらに引き下げ、量的緩
和を行えばどんなにすばらしいだろう。ドルは他の通貨に対して非常に強く、イ
ンフレはほとんどない。今がそうすべき時だ。輸出は急増するだろう」と発信し
ました。これに対して、2人の地区連銀総裁は講演で、利下げには否定的で、ト
ランプ氏の発言には反対との立場を匂わせていました。ボストン連銀のローゼン
グレン総裁はNYでの講演で、「米景気は来年に向けて良好な位置にある。
見通しに大幅な変化が見られない限り、政策当局は金利を動かすべきではない」
と語っています。同総裁は、今年のFOMCでは投票権を持ち、3回の利下げを
決めた会合では全て反対票を投じています。ダラス連銀のカプラン総裁もNYで、
自身が金利変更を支持するには、「GDP成長率や、インフレ、失業率の軌道に
関する自分の見通しが大幅に変わる必要があるだろう」とし、「今年の早い段階
ではリスクは下方向だと考えていたが、現時点では比較的均衡が取れていると言
えだろう」と述べ、現行の金利水準を支持する考えを示しました。
(ブルームバーグ)
同総裁は、今年の投票権は有していませんが、来年は投票権を持つことになって
います。

英国では今回の総選挙でジョンソン政権が勝利したことで、予定では来年1月に
EUからの離脱を行い、離脱に伴う移行期間は2020年末までになっています
が、離脱後の貿易ルールなどの急変による混乱を防ぐため、EUとの合意で最長
2年延期できることになっています。ジョンソン首相は、移行期間を延長せず、
予定通り2020年末に終える条項を追加した「離脱関連法案」を議会に提出す
る予定だと英メディアは報じていました。これに対して欧州委員会の貿易総局長
は、「移行期間を延長しないという英国の意向を真剣に受け止めるべきだと考え
ている」とし、「その事態に備える必要がある。つまり、2020年末までに合
意がまとまらなければ、また崖っぷちの状況に直面することを、交渉において留
意しなくてはならないということだ」と警告しています。(ブルームバーグ)
今後EUとの間で新たに「自由貿易協定」を結ばなければならないわけですが、
1年という期間では到底無理だという見方のようです。ジョンソン首相にとって、
これまでは説得すべき敵は国内であったものが、今度は国外ということになり、
離脱が完了しても再び経済が混乱するリスクはあるようです。

本日のドル円は109円20銭~109円90銭程度を予想します。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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