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FOMCを受けドル円108円を割り込む

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<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
108円台半ばで推移していたドル円はFOMCを受け107円90銭まで下落。利下げの可能性を示唆したことで、金利低下と歩調を合わせドル売りが優勢に。

ユーロドルも小幅に反発。前日1.12割れまで売られたがFOMC後に1.1255までユーロ高が進む。

株式市場は続伸。パウエル議長のハト派的な発言もありダウは3日続伸。他の主要指数も揃って上昇。

債券相場も続伸。長期金利は直近最低水準を下回る2.02%台まで低下。

金と原油はともに反落。

ドル/円 107.90 ~ 108.49

ユーロ/ドル 1.1201 ~ 1.1255

ユーロ/円 121.25 ~ 121.66

NYダウ +38.46 → 26,504.00ドル

GOLD   -1.90 →  1,348.80ドル

WTI  -0.14 → 53.76ドル

米10年国債  -0.036 → 2.023%

【本日の注目イベント】
日  日銀金融政策決定会合
日  黒田日銀総裁記者会見
欧  ユーロ圏6月消費者信頼感
欧  ECB経済報告
英  5月小売売上高
英  BOE金融政策発表
英  BOE議事録
英  カーニー・BOE総裁講演
英  保守党党首選、下院議員による第4回投票
米  経常収支(1-3月)
米  新規失業保険申請件数
米  6月フィラデルフィア連銀景況指数
米  5月景気先行指標総合指数

今朝方3時に発表されたFOMCの結果は、市場予想通り政策金利の据え置きを決め、声明では「辛抱強くなる」との文言が削除され、「不確実性」が高まったとして、利下げの可能性を示唆しました。発表を受けて為替市場はドル安で反応し、ドル円は直後に108円を割り込み、107円90銭までドル安が進みましたが、108円台に押し戻されてNYでの取引を終えています。米10年物債券は買われ、利回りが2.02%台まで低下し、6月3日に記録した直近最低水準を下回っています。また株式市場では前日大幅高を演じたこともあり、利下げを好感しながらも小幅高に終わっています。

声明では、「見通しを巡る不確実性が高まった」と指摘し、「これらの不確実性と落ち着いたインフレ圧力を考慮し、委員会は経済見通しに関する今後の情報が示唆するものを注視し、景気拡大や力強い労働市場、対称的な2%目標近くのインフレの維持に向けて適切に行動する」としました。またブルームバーグによると、今回の政策決定は全会一致ではなく、セントルイス連銀のブラード総裁が0.25%の利下げを主張し、反対票を投じています。パウエル議長の下でのFOMC会合で、反対票が投じられたのは今回が初めてとなったようです。また経済予測に関しても当局者の間で意見が分かれており、17人のメンバーのうち8人が年内の利下げを予想し、他の8人が据え置き、残り一人は利上げ予想しています。

パウエル議長は記者会見で、「同僚と私には1つの包括的な目標がある。景気拡大の維持だ」と述べ、「多くの政策当局者は利下げの論拠が強まったと考えている」と語っており、市場はこの部分が「ややハト派寄り」と受け止めたようです。また、トランプ大統領が再三金融当局を批判していることについては、「法律で私には4年の任期があることは明白であり、私はこの任期を全うする意向だ」と、トランプ氏の露骨な批判に対して反論していました。今回のFOMCを通過し来月の利下げはほぼ確実となりましたが、市場はすでに「その先」を読み始めています。利下げ傾向が定着し、年内2~3回の利下げに突き進んで行くのかどうかに焦点が移っていきます。

今朝はFOMC関連のニュース一色でしたが、その中に米中首脳会談に関する記事もありました。昨日開かれた米下院歳入委員会の公聴会で、USTR代表のライトハイザー氏は「劉鶴中国副首相と電話会談する計画だ」と発言しています。(ブルームバーグ)ライトハイザー氏は、「対話は続いており、中国側と会うことになっている」と語り、同氏とムニューシン財務長官が劉氏と直接対面する予定だとしています。来週のG20で、米中首脳会談は最終日にあたる29日の夜に行われる見込みですが、その前にも実務レベルのトップ同士が話し合うことのようです。FOMCが終わり、次の関心事は本日の日銀決定会合と、最大の注目材料である米中首脳会談ということになります。ドル円は今回も108円割れのレベルではサポートされた形になっています。FRBが金融緩和策へ再び舵を切り直したことが鮮明になったことで、107円80-90銭の「予想外に底堅いレベル」を切り崩して、ジリジリと107円に向かうのか、あるいは上記米中首脳会談がドルの支えになるのか、注目されます。

本日の日銀決定会合もこれまでより注目度が高まっています。政策変更はないと思いますが、米金利の低下傾向や円高観測、さらには外部環境の不確実性などを背景に、「必要とあれば、追加緩和の用意がある」といった言葉が、黒田総裁の口から出てきそうです。本日のドル円は107円80銭~108円60銭程度を予想します。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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