<ひと目で分かる昨晩の動き>
【NY市場】
日米首脳会談では特段日本に対する厳しい要求がなかったことで、ドル円は113円73銭まで買われた。ただ、貿易不均衡と為替に関しては、円安誘導批判とも取れる表現があったことから112円85銭まで売られる場面も。
ユーロドルは前日からやや水準を切り下げたものの前日と変わらず。1.06台前半から半ばで推移。
株式市場は続伸し、連日の最高値更新。ダウは96ドル上昇し、20、269ドルで取引を終える。
債券相場は売られたものの、トランプ大統領の「一つの中国」を認識するとの発言に下げ渋る。長期金利は2.4%台を回復。
金は小幅に売られ、原油価格は続伸。
2月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値) → 95.7
1月財政収支 → 513億ドル
ドル/円112.85 ~ 113.73
ユーロ/ドル1.0608~ 1.0653
ユーロ/円120.22 ~ 120.79
NYダウ +96.97 → 20,269.37ドル
GOLD -0.90 →1,235.90ドル
WTI +0.86 → 53.86ドル
米10年国債 +0.012 → 2.407%
【本日の注目イベント】
日 10-12月GDP(速報値)
米 米カナダ首脳会談
「案ずるより産むがやすし」。先週末ワシントンで開かれた日米首脳会談は、一言で表現すれば、そのような言葉で言えるかと思います。硬い握手やハグも含め、公式な第一回首脳会談としてはやや異例とも思える「蜜月」ぶりでした。安倍首相は終始満面の笑顔で、帰国途中の機内では「ほっと一息」ついたことでしょう。
フロリダ州の大統領の別荘でも、ディナーやゴルフを楽しみ、特段厳しい要求もなかったようで、日米関係をより強固にすることで合意しています。ただ、経済関係については今後麻生財務大臣とペンス副大統領を中心に「新しい経済関係」を構築すべく、引き続き議論していくようです。
注目された日米の貿易不均衡や為替の問題について、「為替は専門家同士である財務相同士が議論する」と、安倍首相が記者会見で話した直後トランプ大統領が「各国の通貨切り下げに不満を言ってきた。きわめて短期間で公平な条件を取り戻す」と発言すると、「円安誘導批判」と受け止めた市場はドル売りを強め、一時112円85銭まで円高が進む場面もありました。
今回の会談では為替問題は、直接議論されませんでしたが、このようにトランプ大統領の胸のうちには為替は、「解決すべき喫急の問題」として意識されているのは間違いなさそうです。したがって、今後も為替問題はこれで終わったわけではなく、日米貿易不均衡が取り上げられるたびに、問題になることが予想されます。
先週末のドル円は113円20銭近辺で引けていますが、今朝は再び水準を切り上げて取引が始まっています。波乱なく終わった日米首脳会談を好感してドルが上昇しているものと思われますが、本日の日本株の上昇幅次第では、先週末の海外市場のドル高値である113円86銭を抜け、114円台を試す展開も予想されます。
テクニカルでは、短期的な動きを示す「1時間足」は完全に抜け、現在は「4時間足」の雲の上限抜けを試している状況です。114円台に乗せることができればこの「4時間足」も抜けたことになり、次のターゲットは「8時間足」の雲の上限と120日線が集まっている114円台半ばということになります。すぐには難しいかもしれませんが、日米とも株価の上昇傾向が続いており、リスクオンが加速すれば可能性はありそうです。ただその場合でも、米長期金利の上昇は不可欠です。米金利の動きにも目配せが必要です。本日のレンジは113円~114円30銭程度を予想します。