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欧州不安からユーロドルさらに下落

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<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
キプロスに加え、イタリアの政局不安が治まらないことでドル円は94円近辺まで円高が進む。それでも株高を背景としたリスク志向が続いていることから円買いの流れも限定的。94円台半ばまで値を戻して引ける。

ユーロドルは一段安。イタリアでは連立政権の枠組みが決まらず、この日の国債入札では需要が減少し利回りが上昇。ユーロドルは1.28台を割り込み1.2750まで下落。また対円でも一時120円を割り込む場面があった。

株価は反落。欧州懸念の高まりを嫌気して売り物が優勢となり、ダウは33ドル安。S&P500も高値更新を前に足踏み。

債券相場は大幅に上昇。キプロス、イタリアの混乱を材料に「質への逃避」が加速し債券高に繋がる。10年債利回りは3週間振りに1.9%台を割り込む。

金は反発し1600ドル台を回復。原油価格は4日続伸。

2月中古住宅販売成約指数 → -0.4%

ドル/円94.02 ~ 94.54
ユーロ/ドル1.2750 ~ 1.2790
ユーロ/円119.95 ~ 120.77
NYダウ-33.49 → 14,526.16ドル
GOLD+11.50 → 1,607.20ドル
WTI+0.24 → 96.58ドル
米10年国債-0.066 → 1.845%
 
【本日の注目イベント】
中   中国2月工業利益
独   独3月失業率
欧   ユーロ圏2月マネーザプライM3
米   新規失業保険申請件数
米   10-12月GDP(確定値)
米   3月シカゴ購買部協会景況指数
加   カナダ1月GDP
日銀が新たな金融緩和目標を設定するとの報道と、NY株式市場が再び過去最高値を更新したことで、昨日の東京市場ではドル高円安が進みましたが95円台乗せには至らず、やはり上値の重さを意識させられる展開でした。

特に昨日は株式市場では「権利落ち」で、日経平均株価が理論上は90円程度下落してもおかしくない中、22円高と小幅高に推移し、株価の上昇がドル円の下支えになるものと思われましたが、海外市場に入るとキプロス問題に加え、イタリアの政局不安が円買いを誘導しました。

イタリアでは先月の選挙以来、まだ政権が樹立できない状況が続き政局の混迷が続いています。昨日イタリアでは39億1000万ユーロの5年債の入札がありましたが、平均落札利回りは3.65%と、昨年10月以来の高水準で、10年債についても応札倍率は低調でした。
政局不安が入札結果に影響したものと思われます。

またキプロスでも預金に対する課税の影響が不透明で、ユーロ売りに繋がっています。キプロスでは本日28日から銀行の営業が再開されます。ほぼ2週間ぶりの営業再開のため、預金の引き出しが殺到することも予想されます。このためキプロス中銀は、預金引き出し額の規制を発表しています。1日の引き出し額が300ユーロ(約3万6000円)と、かなり小額で、この規制は4日間適用される
と伝えられています。しかも銀行の営業時間は昼から午後6時までに制限されています。これは事実上預金を引き出せないようにしたものと思われ、キプロス中銀の監査局責任者は、国民に冷静な対応を呼びかける一方、「銀行に駆け込み、預金を引き出す手段を考えたところで意味が無い」と述べているそうです。(ブルームバーグ)

イタリア、キプロスでの混迷に加え、この日発表された3月のユーロ圏景況感指数が低下したことでユーロ売りに拍車がかかり、ユーロドルは昨年11月以来となる1.27台半ばまで売られています。ユーロ円も一時120円を割り込みましたが、それでもドル円が円安水準を維持しているため、昨年9月の時のような100円割れは避けられていますが、仮にドル円が78円であったらユーロ円は99円45銭というレートが導き出されます。ドル円がやや下落したことで円が買い戻されていますが、3通貨ではドルが最も強く、続いて円、ユーロという状況です。

ユーロ円は120円を割り込んだことで、「日足」までのチャートでは全て下落を示唆しています。121円台を回復すれば、120円が短期的な底値と見て反発する可能性もありますが、上記南欧諸国の不透明感が上値を抑えそうです。イタリアの政権安定がより重要と思われますので、今後連立政権樹立の大枠が形成できれば反発に繋がることからイタリア政局の動きには注目です。

ドル円は日銀による大胆な金融緩和と欧州不安との綱引きが続いています。94円割れではドルが押し戻されるのも、金融緩和期待が根強いことの証です。これまで通り、基本は「ドル高円安」が継続されていると見ていますが、93円台半ばを割り込むとドル売りが加速する
ことが考えられます。そして90円を割り込むと「長めの調整局面」が続くと予想しています。93円50銭~96円50銭のレンジの中で、94円台での綱引きが続いている状況です。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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