NY外国為替市場でドル円は、米国が中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)に対する制裁措置の一部に猶予措置を認めたことで、米中の貿易摩擦激化への懸念が和らぎ円売り・ドル買いが優勢となった。
米国株相場の上昇に伴う買いも入り、一時110.67円と7日以来の高値をつけた。ただ、引けにかけてやや伸び悩んだ。
ユーロドルは、ポンドドルの急伸をきっかけにユーロ買い・ドル売りが入り一時1.1188ドルと本日高値を付けた。ただ、ポンドドルが失速するとユーロドルにも売りが出て1.1154ドル付近まで押し戻された。
ポンドドルは欧州市場序盤に一時1.2685ドルと1月15日以来約4カ月ぶりの安値を付けたものの、メイ首相が「ブレグジットを巡る2回目の国民投票実施の議会採決を提案」との一部報道をきっかけに買いが加速し、24時前に一時1.2813ドルまで急伸した。
ただ、メイ首相の会見が始まると失速。メイ首相は会見で離脱関連法案に「2回目の国民投票実施を英議会にはかること」を要件とする項目が含まれることを明らかにすると、与党・保守党のEU離脱強硬派から反発の声が相次いだ。
そのほか、メイ政権に閣外協力する民主統一党(DUP、北アイルランド地域政党)からも懐疑的な見方が示されたため、ポンド売りが広がった。コービン労働党党首も新提案を支持しない意向を示しており、1.2697ドル付近まで押し戻された。
本日の東京市場のドル円は、昨日同様に株価をにらみながらの展開か。
米中通商摩擦に対する過度の懸念が弱まったと昨日は判断され、米株式市場は主要株式3指数ともに上昇した。本日の日経平均も反発が予想される。
CME225先物は大阪取引所比で120円上昇して引けている。日経平均の上げ幅が大きくなれば、ドル円も堅調に推移するだろう。一方、上げ幅が2桁程度でおさまれば、上値を圧迫することになりそうだ。
本日は本邦の4月貿易統計や3月機械受注が発表される。為替市場は直接これらの経済指標で動くのは難しいだろうが、株式市場に影響を与える可能性は否定できないため注意を払っておきたい。
東京時間は限られた材料しかないものの、NY時間には米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表されることで、大きく動く可能性はある。
また、米中通商摩擦に関して、昨日は過度の懸念が弱まったと判断されたものの、米中両国とも妥協を許さない姿勢には変わりがないことで、トランプ米大統領のツイッターや中国からの報道にも警戒を怠ることはできないだろう。
ドル円以外では、本日もポンドの動きに注意したい。昨日はブレグジット絡みで乱高下したが、本日はブレグジット以外でも英国から4月の消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)などの経済指標も発表される。対ユーロでも大きく動いているため、振幅は激しくなりそうだ。
また、東京時間16時半頃にドラギECB総裁の講演も予定されているので、総裁の発言に警戒したい。

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