NYタイムのドル円は、米10年債利回りが3.05%半ばまで低下したことで上値が重い展開となり、ロンドン午前の111.08円を高値に110.61円まで売られた。ユーロドルはNY入り際に1.1750ドルまで弱含み、ユーロ円もロンドン午前の高値131.13円から130.24円まで下落した。イタリアは欧州連合(EU)に対して懐疑的な連立政権樹立により、EUの財政規律を守れない可能性が出てきている。
本日の東京市場のドル円は、米中通商協議で貿易戦争や関税賦課が回避されたこと、本邦機関投資家の新規外債投資が活発化していること、本邦企業の海外企業買収案件による円売り圧力が強まる中、6月の日米通商協議に向けて日本の4月の対米貿易黒字に注目する展開となる。
ドル円は、4月の対米貿易黒字が大幅に拡大していなければ、23日の111.00円のNYカットオプションを意識しながら底堅く推移すると予想される。
対米貿易黒字が拡大していた場合は、6月に予定されている日米通商協議で、米国から日米貿易不均衡是正圧力が強まる可能性が高まることで伸び悩む展開が予想される。
4月に発表された米財務省の為替報告書では、ドル円の水準は、これまでの「実質レート」だけでなく「名目レート」でも円安と指摘されており、円安基調にある現在のドル円相場へのトランプ政権からの言及に要警戒となる。
テクニカル分析での上値のめどは、118.66円から104.56円まで下落幅の半値戻しとなる111.61円となる。また、日銀短観3月調査の大企業・製造業の2018年度の想定為替レートである109.66円を大幅に上回っている現状は、本邦輸出企業による絶好のドル売りの機会となる。
ドル売りオーダーは、現時点では111.20円、111.40-50円、112.00円、ドル買いオーダーは、110.50円、110.00円に観測されている。NYカットオプションは111.00円(23日期限)、110.00円(22日・23日期限)に観測されている。
ユーロドルは、欧州とロシアとの対立緊迫化、イタリアの反欧州連合(EU)政権の政策への警戒感、ユーロ圏のインフレ率鈍化などから軟調推移が予想される。

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