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インフレは、モノやサービスの全体の価格レベル、すなわち物価がある期間において持続的に上昇する社会現象です。インフレはその国の貨幣価値に直接結びつき、国際市場にも影響を与えます。ですから、商品価格、家、労働、製品材料等、それぞれの価格の上昇速度、上昇率は注意深く見守られます。インフレが発生する理由は様々です。
急激な経済成長が原因で起こるインフレを例にとりましょう。経済が急成長すると貨幣の供給量が増え、各産業すみずみにお金が行き渡るようになります。消費者は銀行から現金を引出し、物を購入するので、貨幣の供給増加がさらに必要となります。会社や小売店に収益が増えると労働賃金が上がり、労働賃金が上昇すると、消費者の財布の紐が緩み、もっと物を買います。 消費者がお金を持っていても、初期の好景気時にはその恩恵を受けない業種もあります。消費者の購買活動が広がりを見せて初めて、やっとこれらの業種にもその恩恵が広がっていきます。物の需要が大きくなると、価格は引上げられるでしょう。
この価格変化のサイクルがコントロールされないと、実際の経済成長は奪い取られます。消費者の収入が増えても、価格上昇の為に、購買する物が少なくなるからです。年金生活者の暮らしはどうでしょう?インフレの為に以前と同じ価格で生活必需品を買う事は出来なくなり、生活はひっ迫しますね。
インフレは唯一無二の物、例えばエネルギーのような物の値上がりがきっかけに起こる事があります。石油価格が上昇すると、石油製品も同時に上昇します。すると、消費者やそのビジネス関係者は、同じ量のガソリンを購入するのに、もっと収益を注ぎ込む必要に迫られます。結果的に、インフレはその国の購買意欲を削いでしまうのです。日本のように、石油に依存した経済構造の国は、石油価格の急騰によりインフレ圧力が掛かり始める事があります。
インフレはとてもやっかいです。インフレを安定させるのは、中央銀行の仕事です。中央銀行は、その国の基準となる金利を設定します。インフレが進むと経済活動をクールダウンさせインフレを抑制する為に金利を上げます。デフレ傾向になると、今度は反対に経済を活性化させるために、金利を下げます。インフレは国の金利政策に直接に関わり、金利政策はFXにとって、とても重要になります。
消費者物価指数(CPI) – 世界最大の消費国である米国のCPIは、月に一度発表され、為替相場に大きな影響をもたらします。CPIとは、全国の世帯が購入する家計に掛かる財及びサービス価格等を総合した物価の変動を指数値で示したものです。CPIの変動は、経済をとりまくインフレ圧力を現します。インフレ動向を見る為にも重要な指標です。消費者の購買力、サービス価格の変動が直接経済のインフレに現れます。
生産者物価指数(PPI) –国内販売業者の販売価格の調査結果です。CPIが消費者からの目線だったのに対し、PPIは生産者レベルが基準になっています。生産者レベルのインフレは、消費者レベルへ引継がれる事があるので、それ以前の生産者段階でのインフレ度を図るのに役立ちます。
時間当たり賃金 − この指標は労働者の賃金の変動を示します。労働者の可処分所得、企業が負担する労働コストに着眼しています。賃金の変動は、企業が優秀な従業員を維持する為に支払うその対価の変動を表し、労働市場の動向が把握出来ます。
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