16日のニューヨーク外国為替市場でのドル円は、ダウ平均が一時560ドル超上昇し、ナイト・セッションの日経平均先物が460円上昇したことで112.34円まで上昇した。ユーロドルは1.1621ドルまで上昇した後に1.15ドル後半に反落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、今週中にも発表される米財務省の為替政策報告書や欧州委員会でのイタリア2019年予算案の審査結果待ちで動意に乏しい展開が予想される。
しかし、米主要株式3指数や日経225先物が大幅に上昇していることで、ドル円の下値は限定的か。テクニカル分析でも、ドル円の一目均衡表・雲の上限111.48円や日経平均株価の一目均衡表・雲の下限22247.56円が強い支持帯となっている。
米財務省が発表した8月の対米証券投資動向では、中国が3カ月連続して米国債の保有を減らしていた。中国は9月から10月にかけても米国債の売却を続けているもようで、対米貿易戦争の報復措置としての米国債売却への警戒感は払しょくされていない。
サウジアラビアの反体制ジャーナリストのカショギ氏が、トルコのサウジ領事館での尋問中に死亡した事件に関して、指示したと疑われているムハンマド・サウジアラビア皇太子はポンペオ米国務長官に対して関与を否定している。しかし、多くの米金融界の要人達が、ムハンマド皇太子が主催する「フューチャー・インベストメント・イニシアチブ」(砂漠のダボス会議)」への不参加を表明しており、ムニューシン米財務長官が参加するのか否かが要注目となっている。また、事件の真相究明が進んでおり、米国とサウジアラビアの対立となるのか、ムハンマド皇太子の失脚となるのか、予断を許さない状況が続く。
米財務省が今週中にも米議会に提出する予定の為替政策報告書では、中国と日本が4月同様に監視対象国のままなのか否かに要警戒となる。中国に関しては、トランプ米大統領の大統領選挙時の公約通りに為替操作国と認定されるのか否か、日本に関しては、ムニューシン米財務長官が日本との新しい「物品貿易協定(TAG)」交渉において「為替条項」導入に言及したことで、「実質実効為替レート」で25%、「名目為替レート」でも円安、という表現の変更に要注目となる。昨日は、茂木経済財政相が「為替条項」に関する協議は、日米財務相により協議される、と述べ、麻生財務相が日米財務相会談の場で、ムニューシン米財務長官から「為替条項」への言及はなかった、と述べたことで、「為替条項」を材料とした円高・株安への警戒感は後退している。日米通商協議は、来年1月から開始されると報じられており、目先の材料ではなくなったのかもしれない。
ユーロドルは、22日までに公表予定の欧州委員会によるイタリアの2019年予算案の審査結果を待つ展開となることで伸び悩む展開が予想される。

US Dollar vs Yen (FX:USDJPY)
FXチャート
から 4 2024 まで 5 2024 US Dollar vs Yenのチャートをもっと見るにはこちらをクリック
US Dollar vs Yen (FX:USDJPY)
FXチャート
から 5 2023 まで 5 2024 US Dollar vs Yenのチャートをもっと見るにはこちらをクリック