NYタイムの為替市場は、米株式市場の力強さ、米債系利回りの上昇を受けて、ドル円が110円半ばから111円前半まで強含んだ。株高にクロス円もリスク選好の円売り・他通貨買いの流れとなり、ユーロ円が135.16円を底に135.98円まで、ポンド円は2016年6月以来の154円台乗せとなり、154.29円までレンジ上限を広げた。
ポンドドルは1.38ドル付近から2016年6月24日以来の水準1.3942ドルまで急騰。ロンドンフィックスにかけてポンド買いが強まり、上値追いの展開となった。ただし、その後のドル買いの動きに、1.38ドル前半まで売り戻された。ユーロドルはNY序盤に1.2177ドルまで弱含み。売り一巡後は、ポンドドルに連れ高となり1.22ドル後半まで買い戻されるも、NY引けにかけては再び1.22ドル割れへ押し戻された。
カナダ銀行(BOC)が市場の予想通りに、政策金利を25bp引き上げ1.25%にしたことを受けて一瞬加ドル買いに傾いた後、一転して加ドル売りとなった。しかし、その後のポロズBOC総裁の会見がそれほどハト派寄りではなかったことで、再びドル/加ドルは、1.23加ドル後半まで加ドル買い・ドル売りとなる場面もあった。
本日の東京為替市場は、ドル円はレンジの中で方向感なく動きそうだ。111.00円の売りオーダーをこなして底堅く推移しているが、本日は東京時間の仲値前後からの執拗な円売り需要と、先週から売り遅れている本邦勢の円買い需要による綱引き状態となりそうだ。米株式市場が大幅高で引けたことで、CME225先物は24060円まで上がり、上昇が予想される日経平均はドル円を買い支える材料になるだろう。米国の2018年度暫定予算の延長期限が明日19日に迎えるため、その可否にも気をつけておきたい。
現時点でドル円の上値オーダーは、1月12日に上抜けすることができなかった111.70円から売りオーダーが断続的に並んでいる。東京時間は本邦勢が一度オーダーを取り消す場合もあるが、潜在的に本邦勢の売り意欲はあるだろう。下値は昨日の安値近辺の110.20円前後から110.00円に買いが並んでいる。また本日のNYカットで110.80円のオプションがあるため、110.80円を割り込むとガンマプレーの買いが出てくる可能性がある。
ユーロドルは、ここ数日の乱高下で市場参加者が相当な痛手を被っていることで、本日も方向感がなく動きそうだ。ロンドン時間ではワイトマン独連銀総裁やクーレECB理事の講演を控えているが、要人の発言で再び乱高下しそうだ。東京時間はクロス円の買いでユーロは買われる反面、ドル買いに円が傾いた場合はユーロ安・ドル高になるため、トレンドがなく右往左往しそうだ。
本日東京時間で一番注目されるのは、豪雇用統計になるだろう。雇用統計は、年末に豪準備銀行(RBA)が、雇用の回復が賃金上昇を導くと発表したことで、より注目が集まっている。豪の失業率は改善傾向とはいえ、5%を超えていることもあり、失業率の低下は今後の利上げへの道筋を立てるためには必要となるだろう。市場予想では失業率が5.4%、就業者数は+9000人となっている。

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