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ユーロ円3カ月ぶりに162円台前半に

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<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
ドル円はやや売られ149円69銭まで下落。米金利が低下したことでドル売りが進んだがさらに売込む勢いもなく150円近辺で取引を終える。

ユーロドルは1.07を上抜けし、1.0839まで上昇。ユーロ円もおよそ3カ月ぶりに162円36銭前後まで買われる。

株式市場は3指数が揃って下落。明日のエヌビディアの決算発表を控えて、大型ハイテク株が売られた。ナスダックは144ポイント下げ1万5630。S&P500は節目の5000ポイントを割り込む。

債券はほぼ横ばい。長期金利は4.27%台で引ける。

金は3日続伸し、原油は売られ78ドル台に。

1月景気先行指標総合指数    → -0.4%

ドル/円  149.69 ~ 150.20

ユーロ/ドル 1.0798 ~ 1.0839

ユーロ/円  161.96 ~ 162.36

NYダウ   -64.19 → 38,563.80ドル

GOLD  +15.70 → 2,039.80ドル

WTI   -1.01 → 78.18ドル

米10年国債 -0.004→ 4.275%

【本日の注目イベント】
豪   豪第4四半期賃金指数
日   1月貿易統計
欧   ユーロ圏2月消費者信頼感指数
米   FOMC議事録(1月30-31日分)
米   ボスティック・アトランタ連銀総裁、会議で挨拶
米  企業決算 → エヌビディア

ドル円は上値をさらに追う展開でもなく、かといって大きく売られる展開でもありません。150-155円の新しいレンジを形成する可能性はありますが、現時点では150円を中心とした動きとなり、同水準を大きく下げれば「買い」として、大きく上に跳ねれば「売る」といった動きのようです。
FRBの次の動きが不透明になってきたことが背景です。FRBが米経済をどうかじ取りするのかと、「市場は考えを巡らせ始めている」とブルームバーグは伝えています。「着実な利下げの進行がほぼ確実な様子だったわずか数週間で様変わりし、いまや利上げが必要になるのではないかとの議論すら浮上している。利上げ再開が難しいとしても、1990年代後半のように利上げを短期間実施し、その後で利下げに転じるという見方もある」と分析しています。通常、どの国の中銀も金融政策の方向性を度々変更することはなく、利下げを行えば少なくとも数年はそのスタンスを維持するのが普通です。現在、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標レンジは5.25-5.50%の高水準であることを考えれば、ここから再び利上げを実施する可能性は非常に少ないと思います。 出来ることは、「利下げをせず、現行の景気抑制的な政策を引き延ばすこと」が最も考えられるシナリオかと思います。米インフレが粘着的(Sticky)であることは良く言われていますが、物価安定が定着しつつあることも事実です。

筆者は昨日バークレーズ銀行が行ったセミナーに参加し、そこでアジアでのFXとEM、マクロ戦略のヘッドであるコテチャ氏の講演を聞く機会がありました。氏はシンガポールを拠点とし、この分野では20年以上のキャリアのあるベテランです。同氏の見解では、ドル円は153円を頂点(3月末)に下落に転じ、今年末のレートを145円と予想していました。FRBの利下げが後ずれし、日銀が4月にマイナス金利解除をすると予想しながらも、「日米金利差は大きく縮小しない」として、上記の水準を予想しています。ただ、ドルは「ダウンサイド・リスク」の方が大きいとし、ドル円は下落したらそのスピードが速く、さらに深く下げる可能性もないとは言えないとの認識でした。またECB、BOEはFRBよりも早く利下げに転じるとし、筆者も関心が高い「トランプ・リスク」については、もしトランプ大統領が誕生すれば、「ドルが買われ、債券は売られ、株高」との見解でした。ただ、「トランプ氏は多くの不動産を所有していることから、金利の上昇は基本的には好まないはず。FRBに利下げ圧力をかけるのではないか」と、筆者が質問したところ、「You are definitely right」との答えでした。どうやらその際、パウエル議長の続投はないようです。

ロシアの反政府活動家アレクセイ・ナワリヌイ氏の死亡を受け、バイデン大統領は米国として23日にロシアに対する「大規模な制裁パッケージ」を発表することを明らかにしました。サリバン大統領補佐官は、「金融制裁の大規模パッケージは、ウクライナへの侵略開始から2年となる日の直前に発表される。プーチン氏の『戦争マシン』と『弾圧』」を後押しするロシアの防衛産業基盤のさまざまな要素やロシア経済の収入源が対象になる」と語っています。「ただ、米国はロシアにウクライナ侵攻後、ロシア経済の大部分と主要高官に大きな影響を及ぼす制裁を加えており、新たな措置がロシア政府に対して有効かどうかは不透明だ」(ブルームバーグ)と見られています。

さらにもう一つの紛争であるイスラエルを巡っては、米国の「ダブル・スタンダ-ド」に嫌悪感さえ覚えます。米国は国連安全保障理事会に提出されたパレスチナ自治区ガザでの停戦を支持する決議案に拒否権を行使しました。決議案はアルジェリアが提出し、日本を含む理事国15カ国のうち米国と英国を除く13カ国が賛成しました。英国は棄権し、米国が反対して採択を阻止した形です。ウクライナに対する巨額の支援とパレスチナ自治区ガザ地区へ激しい攻撃を続けるイスラエルに対する「露骨な対応の違い」に、怒りを覚える人も多いのではないかと思います。米国はその露骨な対応に対する非難の声を薄めるため、パレスチナ人100万人以上が避難するガザ南部のラファへのイスラエル軍の攻撃を止めるための独自の取り組みを始めるとしていますが、具体的に何をするのかも分かっていません。そもそも、ハマスを壊滅させると豪語しているネタニヤフ氏が米国のいかなる提案も受け入れるはずがありません。今やガザ地区住民にとって、「国際社会」という言葉は何の意味もありません。

本日のドル円は149円30銭~150円80銭程度を予想します。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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