<ひと目で分かる昨晩の動き>
【NY市場】
クリントン氏不起訴の報道で、ドル円は104円台まで急伸。東京市場では104円58銭まで上昇したが、NYでは上値が限られた。
ユーロドルでもドルが買われ、1.1027までユーロ安が進む。
株式市場は大幅に反発。政治的リスクが後退したことからダウは371ドル上昇し、この日の高値引け。9営業日続落したS&P500も2.2%の上昇。
債券相場は反落。リスク回避の流れが後退したことで売り物が優勢に。長期金利は1.82%台まで上昇。
ドルが反発したことで金は25ドルを超える大幅安。原油価格は反発。
10月労働市場情勢指数(LMCI) → +0.7
9月消費者信用残高 → 192、92億ドル
ドル/円104.25 ~ 104.62
ユーロ/ドル1.1027 ~ 1.1073
ユーロ/円115.26 ~ 115.52
NYダウ +371.32 → 18,259.60ドル
GOLD -25.10 → 1,279.40ドル
WTI +0.82 →44.89 ドル
米10年国債 +0.050 → 1.826%
【本日の注目イベント】
日 10月景気動向指数
中 中国 10月貿易収支
独 独9月鉱工業生産
独 独9月貿易収支
英 英9月鉱工業生産
米 大統領選挙、議会選挙(上院の3分の1と下院全議席)
米 エバンス・シカゴ連銀総裁講演
加 カナダ9月住宅着工件数
加 カナダ9月建設許可件数
予想通りNY株式市場では株価が急反発し、ダウは先週末と比べて371ドル上昇し、この日の高値で取引を終了し、9日連続で下げていたS&P500も、前日比46ポイント上昇しました。 一方ドル円の方は、東京時間で大きく上昇したせいもありますが、104円台前半から半ばの動きで、いま一つ精彩を欠いた展開でした。本日の大統領選を前に、結果を見る前に105円台乗せは「時期尚早」といったところでしょうか。
クリントン氏不起訴のニュースは衝撃的でした。「なぜこのタイミングで」という疑問は残るにしても、これで市場を覆っていた暗雲が取り除かれ、あとは本日の大統領選を待つばかりとなりました。どちらが勝利するにしても、すっきりとはいかず、後味の悪さは残る今回の大統領選になります。違った意味で、歴史に残る大統領選になるのでしょう。
FBIがクリントン氏の不起訴を決めたことで、俄然同氏が有利と見られます。今朝のブルームバーグ・ニュースによれば、複数のメディアがクリントン氏のリードを伝えています。ブル-ムバーグ・ポリティクスの調査では3ポイント、クリントン氏がリードし、NBCとウォールストリートジャーナル、ABCニュースとワシントンポストの調査では、やはり4ポイント、クリントン氏がリードしていると伝えています。また、NYタイムズ紙の予測モデルではクリントン氏の勝利が84%となっています。一部報道では、まだ結果は最後まで分からないとしてはいますが、このままだと米国初の女性大統領の誕生は近いと思われます。
投票は米国時間8日に行われ、最後のアラスカ州の投票が締め切られるのが日本時間明日の午後3時となっています。従って、明日の昼前後には決着がついている可能性が高いと思われます。 米国の大統領選挙は、ご存知のように各州に割り当てられ「選挙人」を何人獲得したかで決まります。しかも、その州で一人でも多くの「選挙人」を獲得したら、総取りできる、「 ALL or NOTHING」という制度になっています。過半数である270人の選挙人を獲得したほうが、第45代米国大統領に就任することになります。
市場は徐々にクリントン大統領を織り込み始めると思われます。開票結果は刻々、リアルタイムで発表されます。これは6月24日のイギリスの国民投票の時と同じように、ブルームバーグ など多くのメディアでは特別なサイトを設け、そこで開票結果をリアルタイムで伝えます。従って、結果が分かった時には既に為替が大きく動いていることになり、乗り遅れないように注意して下さい。ドル円がある程度上昇していた場合には、選挙結果後に利益確定のドル売りが出てくることも予想されます。この点にも注意が必要です。予想レンジはややワイドに見て、103円50銭~105円20銭程度にしたいと思います。