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キプロス問題大詰めに

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<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
ドル円は95円台がやや重くなり、94円台での取引が中心となる。株高などの支援材料があったものの、95円台ではドル売りに押し戻される。キプロスへの支援問題が依然足かせとなり、円買い需要も旺盛となり94円台半ばで引ける。

ユーロドルはキプロス問題が収束するとの見通しに1.30台まで反発したが、ECBが流動性供給を25日までの期限にしたこともあり、再び下落し1・29台に。

株式市場は反発。ティファニーやナイキなどの好決算が相場全体をけん引し、ダウは90ドル高と前日の下げ幅を埋める。

債券相場は反落したものの、キプロス問題が重しとなり、下げ幅は小幅。10年債利回りは1.92%台で取引を終える。

金は反落。原油は大幅に反発し93ドル台に。

ドル/円94.29 ~ 95.03
ユーロ/ドル1.2936 ~ 1.3011
ユーロ/円122.35 ~ 123.45
NYダウ +90.54 → 14,512.03ドル
GOLD-7.70 → 1,606.10ドル
WTI+1.26 → 93.71ドル
米10年国債+0.005 1.920%

【本日の注目イベント】
メルシュ・ECB理事講演
英   キング・BOE総裁。バーナンキ・FRB総裁公開討論会に出席(ロンドン)
米   ダドリー・NY連銀総裁講演

ECBが25日までにキプロス当局と同国支援の条件を合意できなければ、キプロスの銀行への流動性供給を停止すると表明して以来、その成り行きが注目されていますが今のところ合意には至っていません。ユーロ圏各国は混乱を回避するため24日夜(日本時間25日午前)に、ベルギーのブリュッセルで緊急の財務相会合を開催することになってます。キプロスは債権者が求める国内金融システムの縮小を受け入れるか、それともデフォルト(債務不履行)とユーロ圏離脱の可能性に直面するのかの選択を迫られていると、ブルームバーグは伝えています。

ユーロ圏財務相会合としてもこれ以上欧州危機を拡大させたくないとの考えもありますが、一方でドイツを中心に南欧諸国の危機に「またか」、との意見も多く、国民感情を考えるとさらなる負担は避けたいところです。ショイブレ独財務相も「これはわれわれが決める問題ではない。キプロスが決定する必要がある」と語っています。これに対してキプロスのアナスタシアディス大統領は「われわれは最善を尽くしている」と語るに留まっています。今後のキプロスの対応次第では、1990年のユーロ発足以来初の「離脱国」が出る可能性もありますが、それでもこれまでのギリシャやイタリア、スペインのように長引く混乱に陥る可能性は少ないと予想しています。

ドル円は上記キプロス問題が尾を引いていることから上値が徐々に重くなりつつあります。足元ではレンジの下限である94円台半ばで推移していますが、94円を割り込むとやや円買いに拍車がかかることが予想されます。「レンジの下限を割り込む」ことで、これまでの94-96円から、新しいレンジ入りしたとの見方が急速に台頭することが考えられるからです。たびたびこの欄でも記述していますが、90円を割り込まない限り「ドル高円安」の流れは変わらないと思います。米国では景気回復を背景に企業業績は好転しています。これが株価を押し上げ、世界的な株高を演出する役割を果たしています。日本でも「アベノミクス」効果で、上場企業トップの7割が「景気は上向く」と予想しているとの調査も出ています。その結果「リスク選考」が強まり、投資家はよりリスクが取れることで「円安株高」の流れが継続すると見ています。ただそれでもドル円の96円50-70銭の水準と、日経平均株価の1万2500-1万3000円のレベルが重くなっているのは事実です。ここを上抜けするには、先週発足した新しい日銀執行部に期待が集まります。来月3-4日の決定会合ではもちろんのこと、場合によっては今週中にも何か「サプライズ」があるかもしれません。

キプロス問題が足を引っ張るものの、米景気の回復と日本の大胆な金融緩和という流れは変わりません。従って円が強含んだ際には、これまで通り「ドルの買い場」を探るスタンスが機能するものと思います。チャートを見ると、96円台が重く徐々に値を下げてきたことから「転換線」が「基準線」を上から下へ割り込んでいます。また、「MACD」もデッドクロスを見せ「ゼロの軸」を下回っています。これらはドルの下落を示唆していますが、上記「基準線」は横ばいです。「一目山人」はこの状態では「逆転」と判断できないとし、このような下落は「短命」に終わると指摘しています。初めて96円台に乗せてから3週間目に入りました。これまでの円安のスピードからすれば、この水準はかなり高いハードルだということになります。上記水準を上抜けし一段と円安が進むのか、あるいは93円台を覗きに行くのか、今週から来週には方向性が見えてくるのではないかと予想していますが、どうでしょうか・・・・。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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