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円、総じて売られる

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<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
ドル円は米経済指標が好調だったことと、NYダウが史上最高値を更新したことでドル高に振れ、93円台半ばまで上昇。ただそれでも、週末の雇用統計を控え値動きは限定的。

ユーロドルもユーロ圏小売売上高が好調だったことで上値を試したが、1.3050近辺で頭を抑えられる。

株価は続伸しダウは125ドル高と、約5年半振りに史上最高値を更新。非製造業景況指数が予想を上回ったことで安心感が広がり、幅広い銘柄が買われた。

債券相場は続落。ダウが最高値を更新したことで、資金が債券から株式に移り価格は下落。

金、原油は小幅に上昇。

ISM非製造業景況指数 → 56.0

ドル/円93.06 ~ 93.52
ユーロ/ドル1.3010 ~ 1.3055
ユーロ/円121.35 ~ 121.83
NYダウ+125.95 → 14,253.77ドル
GOLD+2.50 → 1,574.90ドル
WTI+0.70 → 90.82ドル
米10年国債+0.019 → 1.896%

【本日の注目イベント】
豪   豪10-12月GDP
欧   ユーロ圏10-12月GDP(改定値)
欧   スペイン12月財政収支
欧   リーカネン・フィンランド中銀総裁講演
欧   トリシェ・前ECB総裁講演
米   ベージュブック(地区連銀経済報告)
米   2月ADP雇用者数
米   フィッシャー・ダラス連銀総裁講演
米   プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演
加   カナダ中銀政策金利発表
 
ドル円はやや明確な方向感が見えなくなり、もみ合いの様相を深めています。昨日も上値が重く、一時93円を割り込んだものの勢いはなく、NY市場に入ると米経済指標の改善を手掛かりに反発し、93円台半ばまでドル高に振れる場面もありました。

史上最高値に手が届く水準で足踏みを繰り返していたNYダウは、ついに125ドル高で最高値を更新しました。昨日発表された非製造業景況感指数が市場予想の「55」を上回り「56」だったことで、米国のサービス業活動が拡大しているとの見方から、幅広い銘柄に買い注文が入り株価を押し上げました。ダウは引け値で1万4253ドルと、2007年10月に記録した最高値を約5年半振りに更新したことになります。

2008年9月のリーマンブラザーズ破綻後には7700ドル台まで下落したダウは、4年半の間に85%程上昇したことになり、改めて米国の株式市場のダイナミズムに感心させられます。米国人は個人資産の3割近くを株式に投資していると言われていますが、この力強さを見ると納得させられます。われわれ日本人が株式を敬遠するのとは大きな違いがあります。日経平均株価は1989年12月に38900円の史上最高値を記録して以来、それを更新するどころか「アベノミクス」を囃したてている現在でもまだ1万1700円です。1989年12月を基準にすると、NYダウは日経平均の15倍上昇しているそうです。

米株高の背景には、FRBが長期にわたって金融緩和政策を継続してきたことが挙げられます。上述のように、個人投資家の多くが株を保有しているため、株価の上昇は個人消費に直接好影響を与えます。個人が消費を増やせば企業は生産を拡大し、物を作ります。
その結果、雇用が増加し景気が拡大するという好循環を見せることになり、FRBの狙いは正にここにあるわけです。そのため多少景気が上向き始めた足元でも、バーナンキ議長は先週の議会証言で緩和政策を継続する意向を見せました。

株価上昇をけん引しているもう一つの理由は企業収益の拡大です。企業が収益を確保しているため、株価が上昇してもPER(株価収益率)は上がらず、割高感が出てきません。常に利益の源になる種を探し続けていることの結果です。

本日の日経平均株価はNYダウが高値を更新したことで底堅い動きが予想されます。そのためドル円も下値が堅く、どこまで上値を試せるのかが焦点です。堅調な株価がドル円を支えると予想されますが、それでも週末には米雇用統計を控えていることから94円台まで円安が進行するとも思えません。正副日銀総裁候補の所信聴取も終わり、円安材料が出尽くした感もあります。しばらくは米経済指標の結果で上下に振れ、来月3-4日の決定会合で黒田日銀新執行部がどのような手腕を見せるかが、今後の相場の方向性を決めるのではないかと思います。

正副総裁候補は既に積極的に緩和政策を続けると公言しています。購入する国債もさらに年限の長いものを対象とし、REITや株式などリスク資産もその対象に加えられる可能性もあります。物価上昇率も「2年以内に達成」が既に公約になったとも言え、岩田副総裁候補は達成できなかった場合の責任のとり方を質問され、「最高の責任の取り方は辞職だ」と答えています。これほど強い使命感を持って正副総裁に就任する3名の候補者には期待感が高まります。「デビュー戦」となる来月3-4日の決定会合では「政策変更なし」は考えられず、どんな緩和策を決めるのかに注目が集まってくると予想されます。

上値の重いユーロ円ですが、「1時間足」では200日線を上回って来ています。また同時に、「三角保ち合い」(さんかくもちあい)も上放れた形を見せています。短期的には上昇傾向を強めるかもしれません。「8時間」の基準線がある121円96銭近辺を上抜けできるかどうかがポイントとみます。 

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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