海外市場でドル円は、米国株式相場が堅調に推移し、主要3指数が史上最高値を更新すると、投資家のリスク志向が改善し円売り・ドル買いが出て110.59円まで値を上げた。
ユーロドルは、前日に重要イベントである欧州中央銀行(ECB)定例理事会を通過したことから、終日方向感に乏しい展開だった。
本日の東京時間のドル円は先週末の流れを受けて底堅いも方向感は出にくいか。米株式市場が堅調な動きを見せたことで、ドル円は上昇トレンドを回復し、早朝も先週末高値近辺で取引が開始されている。しかしながら、先週も週初は株価や原油価格の下落を嫌気し109.07円まで下がり市場はベアに傾いたが、翌日には米国時間に株式市場もドル円もともに底堅い動きになった。日替わりメニューのように米国の金融市場が上下し、東京市場では市場のトレンドを作ることができていない。本日も東京時間に底堅い動きを見せても、そのトレンドが継続するかは全く不透明で方向感のない値動きになるか。
本日は米国からは主だった経済指標の発表は予定されていないが、米上院で「インフラ投資法案」の再採決が行われる予定。21日に否決された同法案だが、フィリバスターを回避するためには60票の可決表が必要になるため、週末を含め様々な話し合いが行われていることで、どのような動きになるか注目したい。なお、ペロシ米下院議長は週末25日に大規模な支出計画がない場合は、下院では採決を開始しないと述べている。
また、米国でも新型コロナウイルスがデルタ株を中心に再拡大していることで、今後の感染状況にも注目したい。ファウチ米国立アレルギー感染症研究所所長は「米国は間違った方向に進んでいる」と、ウイルス感染拡大に懸念を表明している。一部政治家はウイルス接種拒否者への罰則などを呼び掛けるなど、事態が深刻になる可能性もあることで、再び米国のウイルスの拡大状況も相場へ影響を与えることになるかもしれない。
今週は、27-28日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれることを考えると、会合後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見終了まで、ドル円はポジションを傾けにくいだろう。またS&P構成銘柄のうち180銘柄が今週に決算を発表する予定でもあり、米株式市場の動向が今週は市場を動意づけることになりそうだ。
ドル円はレンジの中で方向感のない動きだが、欧州通貨や南ア・ランドは、上値が切り下がりつつある。欧州中央銀行(ECB)がテーパリングに消極的なことで、ユーロは上値が重くなっているが、同様に南アも利上げ期待から一転して今年は1年通して据え置かれるとの予想もあり、ランドが軟調な動きになっている。本日は欧州からは夕方に7月の独Ifo企業景況感指数が発表されることには注目、南アからは本日は主だった指標はないが、円とは違いトレンドが出ている通貨に対してはファンド勢も積極的に仕掛ける可能性があることで、動きには注目しておきたい。

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