14日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米中貿易協議の進展を巡る不透明感や香港情勢の緊迫化が懸念され、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が「米中は第1段階の合意取りまとめで難航している」と報じたことで108.24円まで続落した。
ユーロドルは欧州時間に1.0989ドルまで下落後、米長期金利の低下を受けて1.1028ドルまで反発した。ユーロ円は119.25円まで続落した。
本日の東京市場のドル円は、香港情勢や米中通商合意への警戒感から軟調推移が予想される。
米中通商部分合意を巡る交渉に関しては、13日には米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道「米中通商交渉が農産物購入を巡り暗礁に乗り上げた」、14日には英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の報道「米中、貿易合意『第1段階』取りまとめで難航。 米中の当局者は知的財産の諸規定や農産物購入、関税撤回を巡り議論を続けているが難航している。進展の遅れは中国が原因で、数日以内に最終合意が成立する可能性は低下した」などを受けて、早期の米中首脳による合意文書への署名の可能性が低下している。中国側は米国を一方的に優先する合意は望んでいないとの立場を明示、中国高官が、状況が悪化すれば中国はいつでも米農産品の購入を停止できると述べている。トランプ米大統領も、12日の講演で「中国との包括的貿易合意の第1段階がまとまらない場合は、対中関税を大幅に引き上げる」と述べており、本日も関連する発言や報道に要警戒となる。 本日は米中次官級通商協議が開催され、明日は電話による米中閣僚級通商協議が開催されるとの情報、さらに、本日は、ウクライナゲートに関する弾劾調査の非公開証言も予定されており、週末にかけてポジティブ・ネガティブサプライズに要警戒となる。 香港情勢は、大規模デモの激化に対して、中国政府が武力による鎮圧に乗り出す可能性が高まりつつあることで、リスク回避の円買い要因となっている。
また、トランプ米大統領は、「通商拡大法232条」に基づき、国家安全保証状の観点から自動車と自動車・部品に最大25%の追加関税を課すかどうかに関して「私は間もなく決断を下す」と述べており、関連ヘッドラインに要警戒か。
ドル円のテクニカル分析では、一目均衡表の三役好転で買いの時代だが、ダブル・トップ(109.49円・109.48円)から5手連続陰線で反落しており、一目均衡表・基準線108.67円や転換線108.87円、今年のレンジ(112.40円-104.46円)の中心値108.43円、さらに、9月日銀短観での大企業・製造業の2019年度想定為替レート108.68円を下回っていることで、売り圧力が強まりつつある。

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