NY外国為替市場ではドル円は1月米ニューヨーク連銀製造業景気指数や12月米卸売物価指数(PPI)が予想より弱い内容となったことで円買い・ドル売りが先行。23時前に一時108.33円付近まで値を下げた。
ただ、現物の米国株相場が底堅く推移し、米長期金利が上昇に転じるとじりじりと下値を切り上げる展開に。ポンドやユーロに対してドル高が進んだ影響も受けて、一時108.77円と本日高値を付けた。
ユーロドルは米経済指標が軒並み予想を下回ったことを受けてユーロ買い・ドル売りが先行し一時1.1455ドル付近まで上げたものの、戻りは鈍かった。
欧州時間に公表された2018年独国内総生産(GDP)が5年ぶりの低い伸びを記録したことを背景にユーロ売りが出やすかったうえ、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が欧州議会で「最近の経済動向は予想よりも弱い」「依然として十分な金融緩和策が必要」と述べたことでユーロ売りが活発化し一時1.1382ドルと日通し安値を付けた。
ポンドは英議会が欧州連合(EU)離脱協定案を賛成202、反対432の反対多数で否決したと伝わると、ポンド円は137.38円、ポンドドルは1.2670ドルまで売られた。
しかし、「大差で否決される」との事前予想を手掛かりに足もとでポンド安が進んでいたため、いったん買い戻しが優勢となっている。ポンド円は一時140.07円付近、ポンドドルは1.2890ドル付近まで大幅に反発した。
本日の東京市場のドル円は堅調地合いを維持か。昨日の日経平均は一昨日のNY市場の下落に連れることなく、200円弱の上げ幅を記録し引けた。その後の欧州株式市場もおおむね堅調で、NY株式市場に至ってはナスダック総合の1.71%の上昇をはじめ、主要3指数ともに大きく反発して引けている。
堅調な株式相場に下支えされて、ドル円は底堅く推移しそうだ。本日は本邦の11月機械受注、12月企業物価指数、11月第三次産業活動指数などが発表されるが、本邦の経済指標の信頼性が低下していることもあり、経済指標で為替市場が動くのは難しいだろう。
東京時間で相場を動意づけるのは、大きく動いているクロス円のフローとなりそうだ。
ドル円以外ではポンドの動きには引き続き警戒が必要だ。保守党で採決に反対した議員数は、予想より多い118名に増加したが、ポンドは買い戻しが優勢となっている。
今回の結果を受けて、ユンケル欧州委員長は「無秩序な離脱のリスクが高まった」、クルツ・オーストリア首相はツイッターで「いずれにせよ離脱協定案の再交渉はないだろう」と述べているように、欧州サイドからは、英国に対する救いがある場合でも、離脱延長を認める程度のことしかできない可能性が高い。
英国サイドも内閣不信任決議案が仮に可決された場合でも、どの政党の誰が党首になった場合でもブレグジットの解決策が見えないことで、英国の混迷は当面続きそうだ。
また、本日は英国から消費者物価指数、小売物価指数、卸売物価指数が発表され、カーニーBOE(イングランド銀行)総裁が議会証言を行う予定もあり、様々なイベントでポンドは乱高下しそうだ。

US Dollar vs Yen (FX:USDJPY)
FXチャート
から 3 2024 まで 4 2024 US Dollar vs Yenのチャートをもっと見るにはこちらをクリック
US Dollar vs Yen (FX:USDJPY)
FXチャート
から 4 2023 まで 4 2024 US Dollar vs Yenのチャートをもっと見るにはこちらをクリック