NYタイムのドル円は、北朝鮮による太平洋上での水爆実験の実施示唆を受けて進んだリスク回避の円買いで111円後半まで弱含み、112円付近での推移となった。ポンドドルは、メイ英首相の欧州連合(EU)離脱についての演説や、英格付けの引き下げを受けて1.35ドル後半から1.3451ドル、ポンド円は152円付近から150.69円まで下落した。
本日の東京市場のドル円は、安倍首相による衆議院解散・総選挙の表明などから底堅い展開ながら、朝鮮半島の地政学リスクや9月末の中間決算に向けた本邦機関投資家のレパトリなどから伸び悩む展開を予想する。
安倍首相は、消費増税の使途変更を争点とする解散・総選挙を表明する見通しで、過去のパターンでは、投開票予定日の10月22日に向けて株高・円安が予想される。しかしながら、北朝鮮が10月10日の朝鮮労働党創建72周年記念日に向けて、太平洋上で水爆実験を強行する可能性が警戒されていることで、上値は限定的だと思われる。さらに、今週は、9月中間期末決算に向けた本邦機関投資家によるレパトリ(外貨建て資産売却・円買い)が予想されることもドル円の上値を抑える要因となる。
一方、トランプ米政権が今週発表予定の税制改革の中核的要素への期待感や、米議会での審議、採決が早まるとの期待感、日米金融政策のかい離はドル買い要因となる。
112円には大口の28日のNYカットのオプションが控えており、サプライズがない限り、112円を軸にした値動きが想定される。
ドル売りオーダーは、現時点では、112.50円、112.80-90円、113.00円(26日NYカットのオプション)、113.50円、113.80円、114.00円、ドル買いオーダーは、110.90-00、110.50-60円に観測されている。
ユーロドルは、10月の欧州中央銀行(ECB)理事会で資産購入縮小計画が公表される可能性から堅調推移だが、期間再延長の選択肢が温存される可能性もあること、週末のドイツ連邦総選挙でのメルケル独連立政権の苦戦を受けて上値は限定的か。
ポンドドルは、イングランド銀行(BOE)の早期利上げ観測は買い要因だが、英国の格付け引き下げ、ブレグジット(英国の欧州連合からの離脱)の不透明感が払しょくされないこと、利上げが限定的になるとのカーニーBOE総裁発言などが上値を抑える構図となっている。

Euro vs US Dollar (FX:EURUSD)
FXチャート
から 4 2024 まで 5 2024 Euro vs US Dollarのチャートをもっと見るにはこちらをクリック
Euro vs US Dollar (FX:EURUSD)
FXチャート
から 5 2023 まで 5 2024 Euro vs US Dollarのチャートをもっと見るにはこちらをクリック