NY外国為替市場でドル円は欧州時間からの流れを引き継いで買いが先行し、20時過ぎには一時112.63円と1月10日以来の高値を更新。その後は6月米消費者物価指数(CPI)の前月比が市場予想を下回ったことで米長期金利が上昇幅を縮めたため、伸び悩む場面も見られたが、総じて株高を支えに底堅く推移した。なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は「インフレは徐々に上昇し2%に迫っている。我々は目標に近づいている」「経済は良好だが、インフレ目標は完全には達成していない」「斬新的な利上げ結果に満足している」などの見解を示したが、市場に目立った反応は見られなかった。
ユーロドルは米金利上昇を背景に対円などでドル高が進んだ流れに沿って、一時1.1650ドルまで値を下げた。米CPIの発表後は米金利の上昇幅縮小に伴って1.1696ドルまで買い戻しが入ったものの、その後は再び伸び悩むなど方向感の乏しい動きとなった。
本日の東京市場のドル円は底堅い展開か。堅調だった米株式市場(ナスダック総合は史上最高値更新)が、本日も日経平均を下支えするだろう。ドル円はディップ(調整の下げ)が浅く、買い遅れている市場参加者もまだ多そうだ。本日は中国から6月の貿易収支が発表されるが、米中貿易戦争が激化にもドル円の下げ幅は限られている。今月の日米通商協議(FFR)で、日米貿易不均衡是正圧力が強まった場合も動きは限定的か。欧米時間も6月の米輸入物価指数、7月の米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)なども発表されるが、動きは限られそうだ。相場の波乱要素は欧州連合(EU)財務相理事会や米英首脳会談の動向か。
ドル円のオーダーは、上値は112.80円や113.00円は売りが観測される。ドル円をショートにしている参加者もあまり見えないためストップロスの買いオーダーは現時点では乏しい。下値は、112円半ばにオプションがあるが、買いオーダーは112.00円から111円前半まで散見される。
欧州通貨も東京時間では動きにくいか。上記のように本日は欧州時間に政治的なイベントが多いため、欧州時間ではヘッドラインを気にして取引が必要になりそうだ。

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