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2月は再びブルマーケットに転じ、 ベアマーケットの「熊」は今のところ冬眠に戻る

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マーケット分析レポート

S&P500

ドン・マクリーンのヒット曲「アメリカン・パイ」の歌詞に、「でもあの年の2月、配達していた新聞を読んで僕は震えた。玄関先に届いた悪いニュース。次の一歩が踏み出せなくなった。」というのがありますが、今年の2月に関して言えば、それはベアマーケット(弱気相場)の「熊」が死んだ2月3日までのこと。以降、私たちが口ずさんだのは「株を買おう、買おう」「株価よ、上昇せよ」といった言葉で、寄り付きに買い注文を入れ、引けに売り、典型的な資本家たちはシャンパンを飲みながら、成功報酬が永遠に続くよう祈りました。一方、連邦議会は黙視状態、色々な約束を並べたてながらも、何も行動を起こさずにいました。

一時的だったベアマーケットは2014年1月15日の高値(1848.38)から2月3日の安値(1741.89)まで11日間続き、5.76%の「大幅な」調整(修正とは言えませんでした)局面に入り、マスコミを賑わせました。その後市場は損失を回復し、過去最高値を更新しました。強気筋がウォール街に長期的に留まるわけではないでしょうが、ファンドマネージャーの間で楽観的意識があまりにも強く、市場に流入するだろうと思われる資金があまりにも多額であるなか、買いが売りを上回ったようです。我々がどう分析しようと結局市場を動かすのは実際の取引です。一方、(低金利が続くなか)損益計算書やバランスシートが良好な状態にあることも市場の下支えとなっていることも確かです。第4四半期の決算発表が97%超終了し、業績は第4四半期、通期ともに過去最高を記録する寸前です。キャッシュフローは強固で、(年次報告書フォーム10Kの提出が続くなか)第4四半期に関してはまだわかりませんが、2013年は過去最高を記録した模様です。キャッシュに関しても記録を更新し、帳簿上には91週間分の純利益が残り、利子所得は少ないものの、アクティビスト(物言う株主)を多く引き寄せています。設備投資も記録的水準にあるようですが、現時点では新たに工場を設置するというよりも、維持・改善のための設備投資です。金利は依然として比較的低水準であるため、債務も管理可能な水準にあります(米連邦準備理事会(FRB)は2015年までは金利引き上げに着手しないという見方が優勢)。ファンダメンタルズで期待外れなのは売り上げです。2013年第4四半期は前年同期比1.2%増、2013年は前年比2.4%増と、そこに問題があるわけです。企業が業績の最高記録を更新しているのは売り上げのおかげではなく、利益率が高いからです。生産量の増加は雇用につながり、消費者が自由に使えるお金が増えます。ところが売り上げが軟調だと生産量も増えません。誰がどんな美辞麗句を使おうと、税額控
除がどうであろうと、100個しか売れないと思う製品を110個生産する企業などありません。必要となるのは、ある程度の透明性と信頼性です。企業はマイナスの環境に対応することはできますが、来るべき年に何が起こるかほとんど分からない場合は計画の立てようがありません。2月に大きなプラスとなったのは、マイナス要因が出なかったことです。ソチ冬季五輪はテロも無く、無事終了しました。ウクライナ情勢は世界的に大きな課題に発展する可能性がありましたが(今後もその可能性あり)、「限られた」暴力で政権交代が行われ、国家分裂の可能性が出てきています。FRBは利上げの話を始めましたが、話し合いが始まったばかりで、今年中に利上げが始まると予想する向きはありませんでした。11月の議会選挙に向け、有利な立場をとろうと政治家が動き始めるなか、米国政治は、口先ばかりで行動が伴わない普段の状態に戻りました(最近までは怒鳴り合っていたのが、落ち着いて話すようになっただけましですが)。第4四半期の業績は悪天候要因にも関わらず、良好でした。(イエレンFRB議長も言及したとおり)第1四半期も悪天候要因があり、受注、生産性、国内総生産(GDP)に幾らか影響を及ぼすと私はみています。株への資金流入はプラスです。過去最高値の更新や、様々なイベントを無難に乗り切ることのできる相場の堅調地合いが、引き続き(特に低金利が続けば)新たな資金流入の下支えとなるでしょう。

出所:S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス 2014年1月末現在。表は図示する目的のためだけのものです。過去の運用実績は将来の運用成果を保証するものではありません。この表は、仮説に基づく過去の実績を反映している可能性があります。

出所:S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス 2014年1月末現在。

S&P500は幅広い銘柄が買われ、歴史的にみても57%の確率で下落するバレンタインデーでさえも0.48%上昇しました。市場は2月初めの安値から回復するばかりでなく、日中取引時間ベース(1867.92)と終値ベース(1859.45)の両方で過去最高値を更新しました。2月に終値ベースの最高値を更新したのは1998年以来16年ぶりでした。2月の4.31%の上昇(配当を含めると4.57%の上昇)により1月の3.56%の下落が相殺されましたが、市場や投資家にとってそれよりも肝心だったのは、弱気相場の再来との声が打ち消されたことです。終値での最高値を前回つけた1月15日から最近の安値をつけた2月3日までの11営業日(5.76%の下落)は投資家を動揺させたかにみえました。ところが、振り返ってみると、動揺というよりもむしろ、揺さぶられたという感覚でしょうか。10セクター中9セクターが上昇しました。唯一下落したのは月間で1.04%、2カ月間で5.16%下落した電気通信サービスでした。電気通信サービスは1年間のリターンがマイナスである唯一のセクター(3.63%のマイナス)でもあります。指数の40%超を占めるAT&T (T)が月間で4.2%、年初来で9.2%下落したことが主因となりました。M&A(合併・買収)のおかげでAT&Tの規模を上回ったVerizon (VZ)は月間で0.7%、年初来で3.2%下落しました。最高のパフォーマンスを上げたセクターの素材は、2月に6.69%上昇し、年初来のリターンは1.71%のプラスに転じました。ぴったり後をつけたのは一般消費財・サービスで、月間で6.09%上昇しました(年初来では依然として0.24%のマイナス)。2月は5対1の割合で、上昇銘柄が下落銘柄を上回りました(436銘柄が上昇、63銘柄が下落)。指数構成銘柄のうち73銘柄が月間で10%以上上昇し、5銘柄が10%以上下落しました。年初来ベースでも上昇銘柄が下落銘柄を上回っています(284銘柄が上昇、216銘柄が下落)。そのうち77銘柄が10%以上上昇し、30銘柄が10%以上下落しています。S&P500が年初来で0.6%と小幅な上昇にとどまっているのに対し、107の銘柄が10%以上上昇または下落しているのをみると、ストックピッカー(個別銘柄選び)の相場である可能性があるといえます。年初来ベースの2桁台の上昇・下落の主な要因は決算発表や業績見通しですが、M&Aも若干影響を与えているといえるでしょう。M&Aに関して言えば、後発薬メーカーのアクタビスが買収を発表したForest Laboratories (FRX)は月間で47.2%(年初来で62.5%)上昇しました。物言う株主のカール・アイカーン氏はフォレスト株の11.3%を保有する大株主です。アイカーン氏が株式を保有するネットオークションのeBay (EBAY)にペイパル事業のスピンオフを提言するなか、eBayは月間で10.5%上昇しました(年初来で7.1%上昇)。小売の売り上げは冴えなかったものの、小売銘柄はおおむね上昇しました。Michael Kors (KORS)は22.6%、Gap (GPS)は14.9%、Tiffany & Co. (TIF)は12.1%、それぞれ上昇しました。その他注目すべき銘柄は月間で5.1%上昇したものの、年初来ベースでは依然として6.2%のマイナスだったApple (AAPL)や月間で4.5%上昇したものの、年初来で4.9%のマイナスだったExxon-Mobil (XOM)です。指数の中で3番目に大きい銘柄であるGoogle (GOOG)は月間で2.9%、年初来で8.5%上昇しています。投資家は依然として大型株全般を好感しているようです。金融刺激策の縮小、新興国市場の動向、中国の経済成長、ウクライナ情勢など懸念材料はあるものの、政治が安定しており、世界的に認められている大型株を擁する米国市場は依然として魅力的な投資先であるようです。

出所:S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス 2014年1月末現在。

出所:S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス 2014年1月末現在。

投資家が押さえておくべきポイント

• 動画配信のネットフリックスはコンテンツをスムーズに配信するためにケーブルテレビのコムキャストに料金を支払うことになりました。ネットワーク中立性に関する政府論議が続くなか、先例を作ることになります。
• 1月15日から2月3日に5.76%という大きな下落があったのを見逃した方もいらっしゃるでしょうが、どうぞご心配なく。電車と同じで、一つ見逃しても、次のがすぐ来ます。
• 利益率が業績を支え、業績が市場を支えていますが、今必要とされているのは売り上げの成長です。2013年のS&P500の売り上げの増加は2.4%でした。
• 物言う投資家は相変わらず物を言い、報われ、今後もその傾向は続くでしょう。
• 口先だけで行動は伴わないソフトポリティックスの再来で、市場は「無活動」である状態に一種の安定性を見出しています。
• 弱気相場の安値(2009年3月9日)から5年が経ちました。現在はその安値から175%(配当を含めて206%)上昇しています。
• 基本統計:
o S&P500の構成銘柄のうち21.4%が年初来ベースで10%以上動く一方、S&P500 全般はわずか0.60%の上昇にとどまっています。77銘柄が10%以上上昇し、30銘柄が10%以上下落しています。ストックピッカー(個別銘柄選び)の相場なのかもしれません。
o VIX恐怖指数は14.00で取引を終えました(1月は18.41)。恐れもなく、懸念もありませんが、注意は必要です。
o FRBが金利引き上げの話し合いを始めましたが、2015年までは着手しないという見方が優勢です。金利は依然として低く、米国10年債利回りは2.66%でした。
o 第4四半期の統計:株式数削減(Share Count Reduction)を実施する企業が増え、1株当たり利益(EPS)が上昇、キャッシュは記録的水準にあり、設備投資は増加の兆しがみえます。
• 重要な概念:
o 景気後退であれ、政府の混乱であれ、悪天候であれ、米国市場はあらゆる状況を切り抜けるばかりでなく、緩やかながらも安定した成長を遂げています。第1四半期の目標値を達成できなかった場合は、悪天候のせいにしましょう。

S&P500月例レポートでは、S&P500指数の値動きから米国マーケットの動向を解説します。市場全体のトレンドだけではなく、業種、さらには個別銘柄レベルでの分析を行い、米国マーケットの現状を掘り下げて説明します。 S&Pダウ・ジョーンズが提供する指数に関する詳細はこちらをご覧ください。 http://www.spindices.com/
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