ADVFN Logo ADVFN

Hot Features

Registration Strip Icon for alerts 登録してリアルタイムのアラート、カスタムポートフォリオ、市場の動きを入手してください。

FRBが年内に利下げを行わない可能性浮上

Share On Facebook
share on Linkedin
印刷

<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
ドル円は反落。午後に入って株価が急落したことを受けリスク回避の円買いが入り、151円13銭まで売られる。

ドルが売られたことでユーロが買われ、ユーロドルは1.0876まで上昇。

株式市場は3指数が大幅安。ダウは530ドル下げ、これで4日続落。年内利下げが行われない可能性に言及した発言が重石に。

債券は続伸。長期金利は4.30%台に低下。

金はザラ場では最高値を更新したが連日の急騰で買われ過ぎとの指摘も。引け値は小幅安。原油は5日続伸し86ドル台に。

新規失業保険申請件数     → 22.1万件

2月貿易収支         → -68.9b

ドル/円  151.13 ~ 151.77

ユーロ/ドル 1.0832 ~ 1.0876

ユーロ/円  163.79 ~ 164.91

NYダウ   -530.16 → 38,596.96ドル

GOLD  -6.50 → 2,308.50ドル

WTI   +1.16 → 86.59ドル

米10年国債 -0.038 → 4.309%

【本日の注目イベント】
日 2月景気先行指数(CI)(改定値)
日 2月景気一致指数(CI)(改定値)
独 2月製造業新規受注
欧 ユーロ圏2月小売売上高
米 3月雇用統計
米 2月消費者信用残高
米 コリンズ・ボストン連銀総裁、開会挨拶
米 バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
米 ローガン・ダラス連銀総裁講演
米 ボウマン・FRB理事講演

FOMCメンバーの中で現時点では「最もタカ派」と見られるアトランタ連銀のポスティック総裁は、「年内1回の利下げが適切になる可能性が高い」と述べ、この認識が他のメンバーにどの程度影響していくのか注目していました。昨日も多くのメンバーの発言機会がありましたが、「ポスティック発言」の影響どころか、それをも上回るタカ派発言が飛び出しました。

ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁はリンクトインのバーチャルイベントで、「インフレの横ばい推移が続くようであれば、利下げを実施する必要があるのかどうか疑問が生じる」と述べ、年内の利下げは必要なくなる可能性があることに言及しました。またカシュカリ総裁は、「特に、経済が堅調を維持する場合はなおさらだ」との考えを示しました。

この発言を受けNY株式市場では株価が急速に下げ、ダウは530ドル、ナスダックも228ポイント下げています。ドル円もリスク回避の流れから151円13銭まで売られ、今夜の雇用統計を前に荒れ模様の展開になっています。WTI原油価格も不穏な中東情勢を手掛かりに続伸し86ドル台まで続伸し、これに連動して北海ブレント原油は昨年10月以来となる「節目の90ドル」を突破しています。昨日はこの他にも多くの発言があり、フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は「現在の状況はあるべき姿ではない。インフレはなお高すぎる」と述べ、シカゴ連銀のグールズビー総裁は、「年初に予想を上回るインフレ指標が示されたものの、物価の伸びが鈍化しているという全体像が変わることはないだろう」と発言。リッチモンド連銀のバーキン総裁も、「一段の明瞭さを得るべく利下げまでに時間をかけるのが賢明だ」と語っており、カシュカリ総裁の発言が突出しているのが鮮明です。バイデン大統領はイスラエルのネタニヤフ首相と電話会談を行い、これまでには見られなかったほど態度を硬化させました。大統領はネタニヤフ首相に「人道的状況改善には即時停戦が必要だ」と伝えた模様です。ホワイトハウスの声明によると、「バイデン大統領はイスラエルが『民間人の被害や人道的苦痛、救助隊員の安全に対処するための具体的で測定可能な一連の措置を発表し、実施しなければならない』と述べた。さらに、ガザの人道的改善には『即時の停戦が必要だ』とし、ネタニヤフ首相に対し、ハマスとの長期にわたる間接的交渉で合意をまとめるよう強く求めた」としています。トランプ氏との一騎打ちがほぼ決まった11月の大統領選に向けて、イスラエル問題を解決させ、さらに支持率上昇につなげたいとする戦略もありそうです。ネタニヤフ首相の強硬な姿勢に対する批判はイスラエルの首都テルアビブでも活発化し、大規模なデモも起きています。またイスラエルの戦時内閣のメンバーであるガンツ前国防相は、早期の総選挙を主張しており、同氏への支持が急速に高まっているようです。総選挙は2026年に予定されていますが、ガンツ氏は今年9月に実施するよう呼び掛けています。

ドル円は152円に接近する動きは見せたものの、介入警戒感がそれ以上の上昇を抑えている形です。カシュカリ総裁の発言はかなり極端なもので、米インフレの再燃はそこまで懸念される状況ではないと思われます。総裁は、今後インフレ率が高まり「最悪のケース」を想定して述べたものだと受けとめています。ただ心配されるのは原油価格の上昇です。ガソリン価格が再び大きく上昇すれば、CPIを押し上げることになるからです。市場は常に先を読むため、相場が大きく振れることは頻繁に起こります。今夜の雇用統計が市場予想を大きく上回る結果だと、株式がさらに売られ、ドル円も「リスク回避の円買い」に振れるのか、あるいは米金利が当面下がらないことで「日米金利差が縮小しないことで円売り」に振れるのか、正直読み切れません。

本日のドル円は150円30銭~152円30銭程度を予想します。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
ADVFN.comサイトのブログは、独立した金融解説のためのものです。これらのブログは、共通キャリア·プラットフォームを介して独立した著者によって提供されており、ADVFN PLCの意見を表すものではありません。 ADVFN PLCは、これらの記事を編集、承認等しないため、その責任を負わず、また、第三者が、これらの情報に頼ることに対して一切の保証はいたしません。 ADVFN.comサイトにおける情報は、一般的な情報と使用目的のためのもので、特定の要件に対応するものではありません。

コメントを書く

 

最近閲覧した銘柄