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FOMC5会合連続でFF金利据え置く

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<ひと目で分かる昨晩の動き>

【NY市場】
ドル円は大幅続伸。昨日の朝方のアジア市場で151円台に乗せ、NYでは151円82銭まで買われる。もっとも、FOMC後には150円74銭まで売られる場面もあり151円台前半で引ける。

ユーロドルも1.0838まで売られたが、その後反発。ユーロは対円では165円35銭近辺まで買われ、実に2008年8月以来の高値を付ける。

株式市場は3指数が揃って大幅続伸。パウエル議長の発言を受け買い安心感が広がる。ダウは401ドル買われ、他の2指数とともに最高値を更新する。

債券は小幅に買われ、長期金利は4.27%台に低下。

金は売られ、原油は3日続伸。

ドル/円  150.74 ~ 151.82

ユーロ/ドル 1.0838 ~ 1.0923

ユーロ/円  164.22 ~ 165.35

NYダウ   +401.37 → 39,512.13ドル

GOLD  -4.60 → 2,159.70ドル

WTI   +0.75 → 83.47ドル

米10年国債 -0.020 → 4.273%

【本日の注目イベント】
豪   豪2月雇用統計
日   2月貿易統計
トルコ トルコ中銀政策金利発表
独   独3月製造業PMI(速報値)
独   独4月サービス業PMI(速報値)
欧   ユーロ圏3月製造業PMI(速報値)
欧   ユーロ圏3月サービス業PMI(速報値)
欧   ユーロ圏3月総合PMI(速報値)
欧   ユーロ圏1月経常収支
英   BOE金融政策発表
英   BOE金融政策委員会(MPC)議事録
英   英3月製造業PMI(速報値)
英   英3月サービス業PMI(速報値)
米   3月S&Pグローバル製造業PMI(速報値)
米   3月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値)
米   3月S&PグローバルコンポジットPMI(速報値)
米   新規失業保険申請件数
米   3月フィラデルフィア連銀景況指数
米   2月景気先行指標総合指数
米   経常収支(10-12月)
米   2月中古住宅販売件数

「材料出尽くし」ではあるものの、想定以上に円売りが進み、ドル円は昨日のNYで151円82銭まで買われました。ここ2年間ドル高が進みながらも抜け切れなかった「151円70-95銭」の極めて重要な水準までドルが買われましたが、FOMC終了後のパウエル議長の「ハト派寄り」の発言が、もう一段のドル高を阻止した形でした。この発言がなかったら、もしかしたら152円テストがあったかもしれません。

先ずは祝日前の日銀会合を振り返りたいと思います。19日(火)の日銀金融政策決定会合では、多くのメディアが事前に報道していたように、「マイナス金利解除」と「イールドカーブコントロール」(YCC)の撤廃を決定しました。予想されたよりも発表が遅れ、午後12時35分ごろの発表となりました。ドル円は直後に149円前後から149円92銭まで買われ、日経平均株価もマイナス140円辺りからプラスに転じる動きを見せました。ドル円はその後押し戻される場面もありましたが、午後2時前には150円07銭までドル高が進み、その日のNYでは150円96銭まで続伸しています。事前予想通りだったということに加え、政策変更後も「緩和的環境を維持する」とした植田総裁の発言も円売りに「安心感」を与えたと見ています。短期金利の誘導目標レンジは0~0.1%で、YCCが撤廃されたものの急激に円金利が上昇する際には、「指し値オペ」などを起動時に駆使し適切に対応するといったものです。「17年ぶりの金利のある世界」は実現するものの、今後も円の金利がガンガン上がるイメージは多くの市場関係者が持っていません。

そして今朝3時にはFOMC会合の結果が発表されました。こちらも、政策金利の据え置きが既に織り込まれており、焦点はパウエル議長の会見での発言内容に注目が集まっていました。声明文では、「最近の複数の指標は、経済活動が堅調なペースで拡大していることを示唆している。雇用の伸びは強さを維持しており、失業率は低いままだ。インフレはこの1年で緩和したが、依然として高い水準にある」とし、その上で、「委員会は目標実現を支えるため、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標レンジを5.25-5.5%に据え置くことを決めた。FF金利誘導目標レンジに対するいかなる調整も、委員会はそれを検討する上で、今後入手するデータや変化する見通し、リスクのバランスを慎重に見極める。委員会はインフレ率が持続的に2%に向っているとの確信を強めるまで、誘導目標レンジの引き下げが適切になるとは見ていない」と述べています。

ここまではほぼ想定通りだったと思いますが、その後の記者会見でパウエル議長は、「インフレ率が目標の2%に向う全体的なストーリーは変わっていない。たとえ労働市場が堅調であっても、利下げ開始を止められないだろう」と、かなり「ハト派寄り」の発言を行いました。この発言は先の議会証言で「年内に利下げを開始するのが適切になる可能性が高い」とした発言と整合しますが、さらに「ハト派色の強い」ものだった印象があります。

これまでの慎重なパウエル議長の物言いを考えた時、議会証言以降バイデン大統領やウォーレン議員、あるいはサンダース議員が、異例なことに、「FRBに利下げ圧力とも取れる発言を行ったことと関係があるのでは」、と考えるのは、うがち過ぎでしょうか。また、年内の利下げ回数も従来の3回を維持しています。上記発言が筆者の考え過ぎであるとすれば、パウエル議長は今後のインフレ率低下に余程自信があることになります。

ドル円は再び151円84銭まで上昇し、非常に重要な水準に差しかかったことで、介入警戒感が一気に高まってきたようです。すでに口先介入は何度かありましたが、今度は2022年以来の実弾介入にも注意が必要です。個人的には実弾介入があるとしても152円以上の水準かと思っていますが、今後円安がさらに進むと、足元の原油高もあり日本のインフレが一段と上昇する可能性もあります。そうなると日銀が再び利上げに追い込まれることも予想されます。「FRBの利下げとBOJ(日銀)の利上げ」、この構図は今後の円高を示唆しますが、日米金利差が劇的には縮小しないと見られており、今後は両中銀の動きと金利差の動向が相場の行方を決めそうです。

本日のドル円は150円~151円80銭程度を予想します。

【外為オンライン シニアアナリスト 佐藤正和の情報コンテンツはこちら】

【外為オンライン シニアアナリスト:佐藤正和】 邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。 インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。 通算20年以上、為替の世界に携わっている。
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